わたしはマララ: 教育のために立ち上がり、タリバンに撃たれた少女

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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054058460

感想・レビュー・書評

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  • 【最終レビュー】

    ノンフィクション・図書館貸出。

    12月・映画化公開原作本。

    一ページ、一ページ、びっちり埋め尽くされていた『彼女の内面から、存分に滲み溢れ出る』かのような

    《渾身の魂に込められたかのような『深く、熱く、繊細』に綴られた『マララさんの熱気』》

    ラストまで、一線でそのままに伝わってくる

    《圧巻さ》に《脱帽の一言》でした。

    両親の存在感(背中)をシッカリ見据えながら、想像を絶するぐらい、いや、それ以上に、言葉では到底、言い表せない

    『とてつもなく、内戦が入り乱れながらの「過酷な環境」』の中で、現地の方々が、どう暮らしているか等の

    〈知恵〉とも言える〈様々な小さな『ヒントの数々』〉

    マララさん自身、家族、親しい間柄の方々が体感したことそのままに書かれていました。

    そこから、今まで全く未知だった、国内・国内外の関係性、それぞれで、ささやかないざこざから見えてくる

    〈地元の人達の『本当の目線・抱えている心境』そのもの〉

    〈入り乱れた地元の歴史を通しての、マララさん自身にとっての地元愛…〉

    〈教育を受けることの至って当たり前かつ基本的なことが、まだまだ浸透されていない『世界中に起こっている「複雑な環境下」』〉

    などを通して

    《ありふれた中でのシンプルな幸せとは何か?》

    を、読者の一人一人に問いかけられているかのようでした。

    今は、英国在住。

    《本とペン(映画も)》が、心から本当に本当に大好き、マララさんの度量。

    《少女という名に臆することなく、一歩一歩、歩もうとする姿…》

    同じ一女性としても、大いに心から拍手を送りたくなるぐらいに…

    マララ基金サイトもあります。

    これ以上はネタバレになるので、この辺りで…

    後は、12月、マララさん本人の実際の姿を通して、どう映し出されながら、実際、活動されているのか、映画館で確かめようと思います。

  • この話は物語などではなく、今も世界のどこかで起こっている出来事ということに衝撃を受けました。生まれたときから、教育を受ける事が当たり前で、女の人でも意見できる平和な環境で育った私たちには想像もできない環境で育ったマララ。そのような環境にも負けずに人には教育を受ける権利があると声をあげつづけているマララ。世の中はこんなにも進歩し続けているのに、なぜ人々は争いを止め世界を平和にすることができないのか。国連のスピーチを見たときは衝撃を受けましたが、マララはいい意味で普通の女の子。人一倍勇気のある女の子です。

  • レビュー省略

  • 扮装続くパキスタン、女子の教育向上を訴え、タリバンに狙撃されつつ一命をとりとめ、ノーベル平和賞を受賞した十代の少女の手記。現代版アンネの日記といったところ。

    日本人からすれば教育水準が低いと思われがちな途上国。
    女子は就ける職が限られている。それでも、こんなにしっかりした女の子がいるとは。父親は学校の校長だが、個人経営の学校。家は貧しく、けっしてエリート階級ではない。
    にもかかわらず、十代で国の政治や歴史について的確に述べている。ジャーナリストが加筆しているとはいいつつ。

    ソ連のアフガニスタン侵攻で武装勢力タリバンと化したイスラム教徒。その隣国パキスタンでは、インドから独立するも、冷戦時代の煽りで、軍事政権はアメリカと急接近。同じ民族、同じ教徒でありながら、政府軍と武装勢力との内戦によって、日常が脅かされる。向学心にあふれた少女は、活動家の父にならって、海外メディアを通じ平和を訴えるが、その勇気ある訴えが近所から誤解されたり、学友たちの妬みを買うことも。

    やがて、マララを含む三人の少女が狙撃されて負傷。重体だったマララは奇跡的に一命をとりとめるが、決して健康体とは言えない。
    受賞や輝かしい賛美が欲しいわけではない、彼女が願ったのは、女性蔑視の古い慣習の打破のための教育の普及。

    同時期に戦時中の日本を描いたものを読んだので、どこの国でも為政者のなすことは同じなのだと実感した。戦争は人を盲目にさせる。


    夏休みの指定課題図書なので、多くの子どもたちに読んでほしい。

  • 読了

  • ずっと読んでみたかった本。
    マララさんの故郷であるスワート、パキスタンの歴史や、自然、暮らしなどが細かく書かれている。
    タリバンなど武装勢力が各地ではびこっているが、腐敗した官僚政治や地震や洪水などの自然災害で、市民が弱っている時につけこんでいるという、背景があることを知った。
    同じ現代に、こんな恐怖・不安に満ちた社会があるということは驚きで、パキスタンが平和になり、マララさん一家が戻れる事を願う。

  • パキスタンで何が起こったのかを現地の人の声で知るためには良い本なのかもしれない。
    ただ、ものすごく周囲の大人や元宗主国イギリスの意図を感じた本だった。

    彼女の考えは学校を運営したり政治的な活動をしている父親の影響を大きく受けているし、宗教的であれ平和的思想であれ、環境が人を作る典型のように思えた。
    まだ若いので、視野狭窄に思える部分も多い。

    家族自慢やいかに自分が優秀で他の人とは違うといった描写も多く、謙遜社会の日本人には良くも悪くも考えさせられるところがあった。

    声が大きい自信家ほど政治家に向いているのは今の日本も同じだが、やはりイスラム教といった一神教を信仰していると「正しいこと」「悪いこと」を「自分の意思で」白黒つけやすいのかもしれない。

    若い人たちは彼女のように声をあげて「正しいこと」を主張する姿に学ぶことがあるとは思う。
    ただ、社会は思った以上に複雑で、自分が気がついていないところに物事の本質があったり、簡単に割り切れない問題があったりすることも多い。

    彼女が成長とともに多くの人たちの意見や社会の実情を受け止めて、そのうえで行動し、戦っていく姿を見たいと思いました。

    ヨーロッパの植民地政策と第三世界の問題など、けっこう複雑で表に出ない(出せない)問題がパキスタンにはあるのだろうと思いました。

  • 自分より一つしたの、自分と同じ女の子が、同じ世界でこんなに強く生きていることにただ感動。自分の世界の狭さに恥ずかしくなるくらい。教育、いかにそれが必要で大切なものか、私はあまり理解できていなかったようです…反省。今、私にはいくらでも学べる環境があります。それに心から感謝して、たくさん勉強すべきだと痛感しました。

  • 理不尽なことだらけで、同じ時代の出来事と信じられなかった。過去の戦争の話を聞いてピンとこないのと同じくらい、実感を伴わない。いま自分が生きている日常が当たり前と思ってはいけないのだと途方に暮れた。同じ地球上で、命を懸けて戦い、困難と闘う人が大勢いるのだと、知らなければいけない。衝撃だったし、恐ろしいとも思った。理屈が通用しないものを相手にするのは何よりも恐ろしく、難しいと思う。

    自分に何ができるのかなんてわからない。何をしたらいいのかもわからない。でも、知ることができて本当によかった。マララは私よりずっと年下だけど、そんなことは関係なく、彼女の言葉が胸に突き刺さる。自分を無力と思わない。諦めない。考えよう。考えなくては。自分のためにも、守りたいもののためにも。

  • 請求記号:289.2/Yo 図書ID:10013246

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著者プロフィール

女性人権活動家。「女の子にも教育を、学校に通う権利を」と訴える。タリバンによる狙撃被害から一命をとりとめ、その後も教育のための活動を続けている。14 年ノーベル平和賞受賞。

「2020年 『マララが見た世界 わたしが出会った難民の少女たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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