- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054059160
作品紹介・あらすじ
地球のゴミを太陽に投げ捨てられるか? 太陽がブラックホールになったら地球はのみ込まれる? いざ聞かれてみるとわからなかったり間違ったまま認識したりしていることが多い物理の原理。そんな世間にはびこる、科学にまつわる都市伝説を一刀両断する一冊!
感想・レビュー・書評
-
なかなか面白かった
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
重力・遠心力・潮汐力に関する章は、いたって普通だ。高校で学んだ知識を元に落ち着いて考えたら分かる範囲ではないだろうか。
飛行機が飛ぶしくみについては、はっきりいって理解しかねた。実際に流体の方程式を計算してみないとちゃんとはわからんということだろう。「間違いだらけ」の原因は数式に関する素養がない素人にもわかるようにシンプルに解説するための「飛躍」から来ているのだろう。
曲がった川の内側に土砂が堆積していく理由についての章がなかなか面白かった。撹拌した湯のみの真ん中にお茶っ葉がたまる理由と同じ原理で解説できるらしい。この問題についてアインシュタインも論文を書いているということで驚いた。
電流のエネルギーが導線の中ではなく導線の外の真空中を伝播することは、常識の範疇だと思うが誤解している人も多いだろう。誤解が解けるようにうまく解説してあると思う。
全般的に秀作であり、お勧めできる。 -
これぞ賢者の書。僕も遠心力アリにハット!専門家を自負する人ほど読んでおくべき。もちろんそうでない人も馬鹿受け必須!
-
間違いだというわけではないだろう。考え方の違いとそこに導かれるプロセスの違いそれをどう解釈するかの違いだと思う。
太陽にごみを捨てられるは間違い
遠心力の間違い
潮潮力の説明の間違い
飛行機が飛ぶ仕組みの間違い
曲がった川の内側の流れが遅いから蛇行するの間違い
電流のエネルギーは電線のなかを流れるは間違い
電流の速さは、光の速さ程度である。もっとも光の速さとは真空中を走る電磁波の速さ。電流の速さは真空中の光の速さの6割とか9割程度
電流とは電子の流れ 電子の動くスピードはとても遅い。具体的に電流の強さと電線の太さなどで変わるが秒速1ミリメートルとか0.1ミリメートル程度。
電線のなかを流れる電子の速さはドリフと速度という。
計算は簡単で、電流÷(電子の電荷×電子の数×電線の断面積)
電流の速度が仮に秒速1ミリメートルだったら、一時間で3600ミリメートル、つまり3.6メートル。10センチ先にある電球でもなかなかたどりつけない。だから電流の速さは電子の速さではない。 -
「遠心力の間違い」回転系と慣性系を明確に区分けしていなかった。「潮汐力の説明の間違い」月の引力による潮汐を考える場合、遠心力については一部の成分を考えるだけでよくそれは地球のどの位置でも同じ大きさになる。「飛行機が飛ぶ仕組みの間違い」翼周りに生じる循環のことを初めて読んだ。「曲がった川の内側の流れが遅いから蛇行するは間違い」エクマン境界層など境界層について始めて読んだ。「電気のエネルギーは電線の中を流れるは間違い」素人でもわかるように書かれていて感心した。坂を転がる缶コーヒーの問題は、大勢の人と同様に間違えた。勉強になった。
-
確かブルーバックスでも読んだ記憶がある松田卓也先生の、洒脱な物理入門エッセー。
ネットやあまたの物理入門書に溢れる、もっともらしいけれど間違った説明「物理学の都市伝説を正す。その昔のロゲルギストの流れを汲むが、口調は甚だしく砕けて現代調。
(1)太陽にごみを捨てるのは無理
(2)ハンマー投げの選手から見て遠心力はない。
(3)潮汐力の説明は結構奥が深い
(4)飛行機が飛ぶのは翼後端がとんがっているから
(5)曲がった川が蛇行するのはエクマン層が関係している
(5)電流のエネルギーは電線でなく「場」で伝わっている
どれも、そう言われれば、というところかもしれないが、言われないと、わからないし間違ってしまうところだと思う。 -
京大の化学系出たのに間違った知識持ってた。。悲しい。
理系の大学生は読んでおいたほうがよいと思います。講義でならうことがすべて正しいとは限らない、ということを理解できます。
確かにこの領域の講義受けたときに、変だなとは思ったんですよ。でもつっこんで質問したり、正確な調査をしたりまではしなかったんです。一般教養として学び、専門領域とは少し異なる領域だったので。それでも他人から質問されてたときに講義で習ったことをドヤ顔で伝えてましたよ。。あー恥ずかしい。。。