「子ども主体の協同的な学び」が生まれる保育 (Gakken保育Books)
- 学研プラス (2014年6月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054060371
作品紹介・あらすじ
新制度時代に求められる本物の乳幼児教育とは? 仁慈保幼園、東京学芸大学附属幼稚園小金井園舎、RISSHO KID’S きらり、北見幼稚園、赤碕保育園、せんりひじり幼稚園、ゆうゆうのもり幼保園、和光保育園の活動を取材。
感想・レビュー・書評
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大豆生田啓友先生の本はとてもわかりやすい。幼稚園教育要領や保育所保育指針は幅広い内容に対応するためにかつ正確に言葉を使うために非常に読みにくい。普段は「主体性、自発的、自ら、興味関心」などそれほど厳密に使い分けないが、要領や指針は一つ一つの言葉を吟味して用いているのでなかなかとっつきにくい。読んでも言葉が素通りしちゃう。などの悩みを抱えながら一生懸命課題に取り組んでいたのだけど、この本に出会ってかなり霧が晴れたような気がした。
この本では8つの保育施設による遊びの実践例を詳しく紹介している。多分これはドキュメンテーションの手法だと思う。臨場感があって子どもたちの試行錯誤が手に取るようにわかり、またその裏で保育者たちがいかに学びの環境を整えていったかも見える。保育士の先生も粘り強いが、子供たちも相当粘り強く課題に取り組んで、こんな豊かな時間を過ごせる保育施設って素晴らしいと思った。
「におい」のさまざまな展開。最初は良い匂いの追求だったのに変な匂いに広がるところが面白い。先生もこっちでしょって無理に道に戻さないでそのまま展開を見守りあるいは一緒に広げていく。
火を扱うのは怖さがあるけど、子どもたちで火おこししたり、またそれを創作ダンスの表現に広げたり。
釣りの話は面白かったなぁ。釣りって大人でも相当に辛抱強い人がやる趣味のような気がするのに、9名の子たちが粘り強く諦めないでさまざまな工夫をして釣果を上げる!釣れない間でも色々な体験がすべて子どもたちの学びのもとになっている。
煉瓦造りとかも技術が要りそうだからなかなか挑戦しようと思わないけど、ちゃんと実用に向かってやり切る子もいることに感心した。
最初はとても消極的だった子がダンスユニットで踊る話もびっくり。
あと富士山の高さを実感するためにオリジナルの単位まで作ってちゃんと心の底から理解するというのもすごい取り組みだと思った。
これって子どもたちのやりたい気持ちが原動力で、先生はそれが消えそうになる時、フッと空気を吹き込んでまた燃え立たせたりするのが役目。こうしたらとかって誘導しない、終わりも決めない。素晴らしい姿勢だそしてとても難しいと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
<シラバス掲載参考図書一覧は、図書館HPから確認できます>https://libipu.iwate-pu.ac.jp/drupal/ja/node/190
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幼児の成長に驚くとともに、自由とゆとりのある運営が嫉妬するほど眩しい。理想の園運営のひとつの形がここにある。
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様々な園の実践が、写真や図を生かしてわかりやすくまとめてある。
ここまでやり込めるのはその園の環境に依るところも大きいと思うけど、エッセンスは取り入れられるはず。
経験の積み重ねの大切さや、子ども主体で深く発展させていく視点などなど。
話し合いのときウェブを使うのは実践してみたい。
夏の研修の講師が大豆生田先生だったので楽しみだな〜