甲州赤鬼伝

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054063242

作品紹介・あらすじ

「鬼となりて名を天下に――」 設楽ケ原で散った父・山県昌景の最期の言葉。それは呪いなのか、それとも夢なのか? 14歳にして「赤備え」を継承した山県昌満の苦悩と成長、徳川の若武者との出会いを描く。第20回歴史群像大賞優秀賞受賞者デビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 武田家の四天王の一人である山県昌景の次男である山県昌満について書いた本です。

    この本では、設楽ヶ原の戦いで山県昌景が討死するところから、家督を継いだ山県昌満が生涯を閉じるまでが描かれています。

    この本では、赤備えは兵を率いる武将の代名詞というだけでなく、その一兵一兵が赤備えの誇りを持ち、采配に瞬時に応ずる抜群の兵隊たちを表す言葉となっています。

    最後に同じように武田家を裏切った穴山信君と木曽義昌が正反対に書かれていたのが印象的でした。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-b73c.html

  • 戦国時代、武田家に帰属する山縣家の赤備え。武田家滅亡後井伊家に伝わり後世に名を残す軍団として有名では有るが、
    これは赤備えの物語。
    長篠の戦からスタート、いきなり山縣家の当主が戦死、乱戦の中、長男も戦死。若干14歳の山縣昌満が後を継ぐ。
    父、兄、の死が信じられず現実世界から逃避しようとする昌満。周囲に助けられてやがて頭領の風格を顕すに至るが、同時に武田家は滅亡への道を
    転げ落ちるように突き進んでいく。天正10年、織田徳川連合軍との緒戦で昌満は華々しく散る。そして緒戦からあっという間に戦国の雄、武田家は滅亡する。
    近時、武田家滅亡を描く小説は多いけれど、本作は山縣家を描く。山縣昌満の視線から武田家を描いた、という訳でもなく滅亡に巻き込まれていく譜代の武家の悲哀を描いている。ちょっと新鮮。赤備えの一糸乱れぬ戦い振りと勇猛果敢な吶喊に感銘した井伊直政よって赤備えは徳川家に引き継がれていく。
    史実はどうあれ、上手いこと「赤備え」の主役交代が描かれている。表紙もハデだ。全身赤に染まった鎧兜に鬼を模した面当てを付けた武者が燃え上がるように
    仁王立ちする。表紙と題名のインパクト勝ち!

  • 山県昌頼の没落寸前の武田勝頼甲州軍で赤鎧軍を父昌景の後を継ぐ活躍を描き最後は、親父同然に世話になった木曽との戦いに敗れながら戦い抜き自害する。戦国の世に武田の山県昌景→昌満→徳川の万千代(井伊直政)と赤揃えが受け継がれる様を描く。

  • コーヒーブレーク本。

    甲斐武田で赤備えを率いる武田四天王の一人山県昌景の子・昌満が、初陣から赤備えを率い生涯を終えるまでを描いた時代小説(2015/09/08発行)。

    本書、主人公の昌満が殆ど無名の上、これと云ったエピソードも無いため話にインパクトが無く、それ程面白くありませんでした。 個人的には赤備えと云うことで、山県昌景亡き後の甲州武田・赤備えの知られざる伝承のような物語を期待していましたので残念に思いました。

    全くつまらないと云うことは有りませんでしたが、今一つ物足らなさを感じる作品でした。

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著者プロフィール

霧島兵庫

1975年生まれ。主な著作に『甲州赤鬼伝』『信長を生んだ男』『フラウの戦争論』『静かなる太陽』がある。

「2021年 『静かなる太陽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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