- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054065390
作品紹介・あらすじ
20年間、業界のトップを走り続けるラーメンの名店・麺屋武蔵。成功の秘密は、「ラーメンを売らない」ことだった! 仕事への姿勢から、サービスの質の上げ方、リーダーシップ、マネジメントまで、すべての仕事に通じる実戦でのヒントを、2代目社長が語る。
感想・レビュー・書評
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矢都木二郎『麺屋武蔵 ビジネス五輪書』(学研プラス、2017年)は有名ラーメン店の経営者が仕事に通じる極意を語った書籍である。麺屋武蔵はカッコよさにこだわっている。間接照明を使ったインテリアやジャズのBGMのようにラーメン屋の既成概念を壊している。一人の一見客にとって入りやすい店舗であることは重要である。
麺屋武蔵の名前は剣豪の宮本武蔵に由来する。本書のタイトルの五輪書も宮本武蔵の五輪書に由来する。
麺屋武蔵の行動指針は「ゲンキ・キレイ・イイアジ」である。これは優先順位になっている。何故ならば味の好みは十人十色だが、サービスや清潔さはブレがないためである。味が一番と当然のように思っていたため、これには驚かされた。しかし、確かにサービスや清潔さの方が万人の評価が一致しやすい。
消費者は舌だけでなく、見た目、香り、温度、音など五感を使ってラーメンを味わう。そのやめに「夢の国を体験する」というディズニーランドのような感覚で、ラーメンを通じた体験で喜んでもらうことを目指している。これはビジネスのキーワードになっているUser Experienceそのものである。
昭和的な精神論根性論を嫌悪する立場には「ゲンキ」が引っかかるところであるが、あくまで消費者が好感を抱くためのものである。著者は無駄をなくすために厨房機器や調理器具も工夫しており、従業員の努力と根性で補わせるというブラック企業的精神論とは異なる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
よくわかる良いビジネス書です
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麺屋武蔵にとってライバルがあるとすれば、それはお客様。ライバルは他店ではない。ライバル店を他店に置くとその店を意識した対策をとってしまう。ライバル店のメニューや価格に左右され、肝心のお客様を無視した営業になってしまうのは全くの本末転倒。見るのはお店ではなくお客様。宮本武蔵曰く「細かなところに小さく目をつけるは、大事を忘れ確かな勝ちを逃す」。本書は五輪の書を元にした成功の極意を説く。すべてに通暁する生き方を学ぶ。