- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054065857
作品紹介・あらすじ
その土地ごとに伝わる妖怪伝承の知られざる魅力を、ご存じ、荒俣氏が、古生物学者の荻野慎諧、作家の峰守ひろかずとともに掘り起こし、異分野の専門家どうしで「知のバトル」を繰り広げる、妖怪版「ブラタモリ」。本書では東北を舞台に妖怪を語りつくす。
感想・レビュー・書評
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東北は、中央から遠く離れた閉ざされた土地ではなく、陸路や海路で外と結ばれていた。独立意識が高かったこと、冬になると路が閉ざされることにより、外部から取り入れられた物語が地元の物語となって根付いていった。『遠野物語』のイメージから一度離れ、物語を辿り直してみると、妖怪として語られていたものの博物学的価値が見えてくる。賢治と佐々木喜善との交流について語られた、牛崎敏哉さんとの対談を楽しく読みました。永泉寺所蔵の方齊による幽霊画は、コロナ禍が収束したらぜひ観に行きたいです。
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はじめに
第1章 探偵団、まずは岩手で妖怪を考える
第2章 地獄と極楽、この世とあの世。探偵団、死後の世界を歩く
第3章 君はもう見たか!?好奇心が爆発する殿様の博物コレクション
第4章 対談 京都VS東北 中央から見た鬼の国
おわりに -
探偵団の動きが手に取るようにわかる、というのだろうか、実況中継風な書き方で、どんどん読み進めました。
開かれた世界、地方としての東北(岩手)ということを改めて感じました。ただ、どんどん読み進めた分、ひっかかるものが少なく感じました。もっと、いろいろと驚かせてほしかった。そこで、星は3つ。
団長の口調までが想像できる臨場感はうれしかったのですけれど。
もっと、ディープなところを探ってもらいたいという期待を持っています。次の旅を期待します。 -
荒俣さんを中心とする妖怪探偵団が、東北(主に岩手)で妖怪について推察したり、殿様の博物コレクションについて語ったりします。色んな分野の専門家(古生物学や美術解剖学など)が妖怪の痕跡や幽霊絵などを専門的に考察したりするのが着眼点が違っていて面白いです。東北のイメージが変わります。でも考えてみれば、はるか縄文の昔から東北は最先端の場所だったのだから今更かな。
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荒俣さんの知識がなければこの本は成り立たないかな。
執筆者にもっと文才があれば違っていたかもしれない。
この取材についての本として荒俣感で書き直ししてほしい。
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あえて、「科学系」に分類させていただきました!めっちゃ面白い!です。妖怪探偵団と銘打っていますが、極めて科学的な検証を膨大な博学的知識の裏付けを持って、ほとんど岩手の伝承、妖怪、伝説の検証をしていただいた感じです(^^)