あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる

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  • 学研プラス
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054066113

作品紹介・あらすじ

「同性愛は罪」とするキリスト教の教えと差別に苦悩した後、「神はすべての人を愛する」と確信、日本で初めてゲイであることを公表して牧師となった平良愛香。激動の半生と「差別者にも被差別者にもならないため」に気づいてほしいことを綴った必読の書。

感想・レビュー・書評

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  • 先日観たドキュメンタリー番組には
    マイノリティのための「駆け込み寺」を作りたい
    というMTFで女性僧侶になった人が登場していたが、
    この本は、
    同性愛者であることとキリスト教の信仰は矛盾しないのか
    という問題を乗り越えた牧師の自叙伝。
    神が私をそのようにお作りになり、祝福されたのだから、
    私は私らしく生きてよい――ということ。
    教義の多義的な解釈が成立するなら、
    同じ宗教を信じている人たちの中にも、
    多様性が認められて然るべき……と言われれば、
    確かにそうだし、
    様々な人が窮屈さや生きにくさから自由になるために、
    立ち位置が違っていても手を取り合い、
    連携するのが大切だと思った。

    キリスト教の「禁欲主義」「産めよ増やせよ」
    「男女はこうあるべき」の、一つ一つを眺めれば、
    どれも絶対的な価値ではないとわかるのに、
    三つを重ねた途端に
    「同性愛やトランスジェンダーは神の意志に反する存在」
    という理屈に信憑性が生まれてしまうのは
    おかしい(p.182より)――と喝破されたところで、
    なんとなくモヤモヤしていた疑問が氷解。

    終盤には、著者の大学での講義を元に、
    LGBTについての基礎知識というか、
    現状に基づく見解が綴られていて、
    わかりやすく、ためになる。

  • 沖縄県で生まれ、キリスト教の家族中で育った平良さんのエッセイ。
    前半ではゲイとしてカミングアウトした上で牧師となった平良さんのライフヒストリーが語られる。自分らしく生きることを両親から学んだ幼少期、自らゲイアイデンティティに気付き始める思春期、音楽の道を歩みながら、キリスト教に対する自身との関わり方を考え続けた学生時代のこと、性的少数者の人権、家族へのカミングアウトなど彼の人生においてどのように直面してきたのか、そして今へとつながってきたのかが興味深い内容で綴られる。
    後半は彼が現在大学でキリスト教と性、差別などの問題について講義している内容をわかりやすく解説している。生物学的性、性自認、性的指向などセクシャルマイノリティーを図で示してあるため、整理ができてわかりやすい。
    キリスト教の性的少数者に対する差別の歴史についてもしっかり批判しているし、聖書の解釈の仕方についても差別的になってしまう危険性についても指摘しているためか、クリスチャンでなくても読みやすいと思う。ゲイであるとカミングアウトして牧師となった際の周囲のさまざまな反応についても書かれていて、彼のカミングアウトがキリスト教の人々へ与えた影響も大きい。これからも楽しみです。

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著者プロフィール

たいら・あいか 1968年、沖縄生まれ。農村伝道神学校を卒業後、日本で初めて男性同性愛者であることをカミングアウトしたうえで牧師として正式に任用される。立教大学非常勤講師、桜美林大学非常勤講師。

「2017年 『あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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