池上彰の行動経済学入門 (働く君に伝えたい「本物の教養」)

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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054068513

作品紹介・あらすじ

なぜ、人はほぼ当たらない宝くじを買ってしまうのか? なぜ、1980円の値付けが好まれるのか? コンビニがおにぎり100円セールを実施する理由とは? 身近な事例を通して、行動経済学の基礎がいっきにわかる!

感想・レビュー・書評

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  • 人はモノを買う時に論理的に考えるのではなく直感で瞬間的に考えて決定している。その直感を導いていくのが行動経済学

  • 先に行動経済学の決定版(私見)である『最後通牒ゲームの謎』を読んでからの本著のため、正直物足りない。ページ数も少なくイラストの解説に半ページ使うような仕立てであり、入門編という所だろうか。何度も同じ用語や解説があり、編集のミスかと思うくらいだが、その手厚さも初級編に相応しい。

    本著で特に気になったのは「平均への回帰」。これは、堀江貴文もYouTubeで引用しているが、例えば、健康に関してこれを当てはめると、病気ガチな人も必ず小康状態に回帰する。その健康状態の復活するタイミングで試していた薬や行動に効果があったものと思い込んでしまうのだ。因果関係を科学的に説明できないものは、大方これだろう。生贄を捧げ続けていれば、雨が降る。生贄が神に届いたと錯覚する。心の回復に作用させているかのような宗教詐欺。

    勉強はすればする程、テストの点数は上がるのだから、学生は毎日勉強時間を延ばせば良い。テストの点数が上がれば入れる大学も増えて、高い教育は高収入に繋がりやすいため、経済合理的だ。しかし、誰しも勉強に集中し続けることができないという点に、行動経済学の視点がある。

    周囲と同じ行動をとってしまうことを同調効果やバンドワゴン効果。他人と同じものを避けようとすることを逆にスノッブ効果。利益から得られる満足よりも、損失から受けるダメージの方が大きく感じる損失回避性。CMなどで強く記憶に残っているものは選ぶ利用可能性ヒューリスティックと呼ぶ意思決定。サンプル数の少ない偏った情報を一般化してしまうことを少数の法則。人にみせびらかすためにブランド品を求める心理をヴェブレン効果。

    人間の人間らしさ。つまり機械との違い。イコール動物らしさ。面白い学問だ。

  • 経済行動学は面白い!
    池上彰は分かりやすくてなお良い。

    参考文献にある、ダン・アリエリーの『予想通りに不合理』も以前読んだが、興味深かった。
    周囲と同じ行動を取ってしまうバンドワゴン効果、その逆のスノップ効果で、どちらも周囲の目を意識した行動が多い等、日本人独特の同調効果が印象深い。

    ステレオタイプに基づいた判断をしてしまう。
    ギャンブルの一発逆転を狙ってしまう心理。
    あぶく銭ほど散財しがち。上手く使うと効果が高いナッジ。

    見やすい図式で、文字分量が少ない分、分かりやすくさらっと読みやすい。

    おもしろかった。

  • 行動経済学がなぜ大事なのか、どのように社会に使われているのかを非常に噛み砕いて説明している本。イラストもあり、とてもわかりやすく読みやすかった。

    世の中は色々な仕組みを使って、経済が回っているのだと実感できた。他の本を読んでいく中で、また興味が湧いたら、より学問的な本も読んでみたいと思う。

  • 面白かった。
    経済活動の中で、人間の「行動の理由」に着目して、行動経済学の視点からさまざまな人間の活動について書かれたものだ。

    ただ、内容は「初歩の初歩の初歩」という感じで(笑)、「これを読めば行動経済学が分かる」というものではない。行動経済学を「ちょっとだけ覗く」といったものだ。

    しかし、日常生活の中で、「ひょっとしたらこの企業って、〇〇の戦略をとっているのかな?」とか、「この広告は消費者の〇〇を狙って作られてるんじゃないだろうか」といったことを考えるきっかけにはなるし、そうやって色々と思い巡らすことができれば楽しいだろう。

    「この本を読んで行動経済学が理解できた」などとはとても言えないが、読んで良かったとは思うし、読んでいて楽しかった。

  • 経済に関わるバイアスを列挙してくれている。知っている内容も多かったのでサクサクと確認するような内容でした。最初の章と後半の章で重複する部分があった。初めて読むにはとっつきやすい内容かなぁと思いました。

  • 行動経済学の基礎的な情報をわかりやすく網羅的に教えてくれるので、経済学初心者でもとても面白く読めた。
    自分の生活で何気なく流れているコマーシャルやお店のメニュー、商品の陳列、公共施設など、様々なシーンで行動経済学が組み込まれていることを改めて認識でき、こうした理論の存在を知っておくことで、最良の行動を取る助けになるなと思いました!

  • 昨日読んだ佐藤優さんの『地政学入門』と同時発売。
    池上さんも監修です。

    行動経済学とは経済学と心理学が結びついて生まれたもので
    地政学よりもずっと身近にある内容。
    読書時間も短かったです。

    「人間とはこういうものなのだ」と知り
    自分の行動を客観的にみて
    失敗をしないようにしていきたい。

  • とにかく読みやすク、最後に要約されたものが絵とともに載っているので、復習するのにも便利です。
    行動経済学とは何かを知るには丁度良い1冊だと思います。
    日本人が同調効果に弱いという一文で、昔の沈没船からの脱出クイズを思い出しました。

  •  タイトル通りわかりやすい図解付きの行動経済学入門書。人は合理的に損得だけで行動するのではなく、利他的で不合理な行動も取る。ナッジ理論の章が特に面白かった。ナッジとはさりげなく巧みに人々を好ましい方向へ導く手法で、ゴミのポイ捨てを減らすナッジ、納税率やワクチン接種率を上昇させるためのナッジになるほどと唸らされた。自然災害時のベストなアナウンスは「多くの人はすでに避難しています」と呼びかけることだとか。今回の能登半島地震でこのように呼びかけたメディアはあったのかな。

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著者プロフィール

昭和女子大学附属昭和小学校英語科専任講師。日本児童英語教育学会(JASTEC)関東甲信越支部運営委員。小学校教員向けの講座などで講師を務め、指導者の育成にも携わる。

「2020年 『小6英語をひとつひとつわかりやすく。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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