人生を変える読書 人類三千年の叡智を力に変える

  • Gakken
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054068841

作品紹介・あらすじ

「正解が一つではない問いに、自分なりの答えを出す方法、それが読書である。」
立命館アジア太平洋大学(APU)学長 出口治明推薦!

答えのない時代だからこそ、人生の灯火として「読書」をするべきである! 『読書大全』の著者だから知っている、精神的支柱をつくり、教養を血肉に変える「読書の方法」とは? 

読書を通じてあなたがあなた自身についての理解を深めることは、あなたの人間全体についての理解が深まることでもあります。そしてそれは、あなたの生き方や他者との交じわり方に大きな影響を与えることになるはずです。(おわりにより)

感想・レビュー・書評

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  • 好きに読めばよい、というが真理だと思う。

    読書から何かを得たいという我欲もあるものだが、それはそれで目的を持った読書でも良いし、目的を持たない読書でも良いと、いずれも肯定されるべきなのだ。なぜなら、読書とはどこまでいても個人的な所作なのだから。自分自身が納得するか否かは、自分への問いかけでしかない。ページを開けば、そこに著者の語りといつでも出会える、無視もできる、後戻りして読むこともできる、素直にも読める。曲解もできる。

    この本で紹介されるようなエピソードについては、頭に入れていつでも引き出す事ができたら素敵だなと思った。身につければ、誰かにそれを贈ることができるのだから。例えば、
    瀬島龍三の本の紹介。『幾山河 人間性の問題』より。

    ― 自身が空腹のときにパンを病気の友に分与するのは、簡単にできることではない。しかし、それを実行する人を見ると、これこそ人間にとって最も尊いことだと痛感した。「自らを犠牲にして人のため、世のために尽くすことこそ人間最高の道徳」であろう。それは階級の上下、学歴の高低に関係のない至高の現実だった。私は幼少より軍人社会に育ち、生きてきたので、軍人の階級イコール人間の価値と信じ込んできたが、こんな現実に遭遇して、目を覚まされる思いだった。軍隊での階級、企業の職階などは組織の維持運営の手段にすぎず、人間の真価とは全く別である。

    ― アランは、人間というのは自らの意志で幸福になろうとしないと幸福にはなれない存在であり、幸福とは意志と自己克服によるものだ、と考えたのです。そして、幸福になるには「幸福になるのだ」という強い意志をもって自分を律する必要があり、結局のところ、それは「心と体の使い方で決まる」と考えました。このような言説を読書を通じてインプットしながら、同時に頭だけでなく身体も使って体験(実践知)を積み上げていく。そして、自分が幸せになるとはどういうことなのかを、また本を手に取って考え直してみる。こうした地道な繰り返しによって、ようやく「自分が何を望んでいるのか」を、自分なりにつかめるようになるのです。

    こうした言葉に出会うとき、読書をしながら息を止めている事に気付く。そうした体の変化を感じるので、メモ書きするのだ。深く、印象に残る言葉とはそういうものだという気がする。そして、メモに残すのは、どこかで使いたい、身に着けたい、誰かに贈りたい、という衝動だ。そうした〝言葉″が本書に溢れている。読書における「言葉との出会い」がちりばめられた一冊だ。

  • こういう本はちょっとでも読者に「本読みたい!」という気分にさせれば成功だと思う。
    著者に「人生を変えようと思わなければ読書なんてする必要ありませんよ」と、云われたように感じて、ならば、と、逆に読んでみたくなった。
    内容は他の読書のススメ本で読み、既知のものも多かったが、読書へのモチベーションを高めてくれる。
    ただ、人生を本気で変えようと思えば、本ばかり読んでちゃいけないね、とも思う。
    周知のことでしょうけれど。
    文章は読みやすく、ぐいぐい読んでいける。
    いちばん、筆が乗ってるな、と思ったのは資本主義というOSについての最終章だった。
    人間、自分のフィールドを語ると生き生きしますね。
    さらっと紹介されている本は古典が多く、私には難解なものだったが、例えに使っている映画のタイトルが馴染み深く、遠い存在なのに著者に親しみを覚えた。
    『マッド・マックス』『ゼイリブ』『燃えよドラゴン』…。





  • 読書に対する意欲をかりたたせてくれるかなと思い本書を手に取った。内容は自分には難しく頭に入らなかった。また読み返したら違う感想が得られるかも。敢えて吸収したことを出すと、積ん読はアンチライブラリーといい、自分を見つめる材料になるので悪いことではない。本は追体験の道具。読みたい本を読む。読書は無知の自分を成長させてくれるので、やるべき。少し意欲が湧いたかな?

  • 一言で言うと「読書総論」。
    この本を読めば役に立つとかおすすめ本はこれ!みたいな内容ではなく、読書という行為そのものをじっくり考え、「自分」をいかにつくっていくかといったことをじっくりと述べた1冊。読書好きの方におすすめ。逆にすぐに役立つ何かを求めている方には合わないかなと思われます。

  • 本を積読しておくと目で意識して他の本を読んでいるときに関連して手にとったり、積読があっても大丈夫とのお墨付きに安心する。
    そして沢山読めばいいとか年間何冊とかかげるより自分が理解し学ぶ必要と全文完読しなくても糧になったならその本の価値、栄養素を取り入れているのでムキにならなくてもいい。と読む意義を教えてくれた。
    でも、やはり全文読んでしまうし、目次、後書きを読んで全体を掴むには熟成させる必要、期間を置いてまたその本を手に取る事を熟成といっておられるが、図書館本ではやりにくい。
    そして、本を読んで金持ちになるわけではないとばっさりと切る。わかるけど、金持ちを夢みて読んでしまう。
    積読を熟成させておくとの言葉は素敵で罪悪感が軽減される言葉のように思える。
    読み方について色々書いてあり参考になるし、わたしみたいな人にも分かりやすく、読みやすく書かれて色々考えながら読んでいたけど、長年の読書クセは治らないのが分かり自己流の読み方になる。それでも自分が納得しているならいいよって言われている気がする。
    でも他人と比べて、とか何冊目標とかじゃなくて、この本を選んだ心境や読んで自分のものとする事や本や作者と会話する時間、合わなくても何が合わなかったのか知る事によって自分の内面を知る事ができるし、同じような本を選ばなくなるので何が合わないかも気づけたらいいなぁ。この本には最初は一言だけでもいいとあったので、一冊、一冊向き合っていきたい。
    たしか前に読んだ本に何か一つ毎日続ける事が大切とあった。意味がないと思えるような事でも毎日することによって未来に役立つかも。とあって玄関に靴を置きっ放しにしない。雨が降ってない日は近くの稲荷神社まで走ること。を続ける事にしたが、毎日じゃないけど読んだら合う、合わないだけでも感想は必ず記そうと新たな目標を誓った。




  • 読書の奥深さ。
    後半は人間がテーマということもあり、資本主義の話がやや多め。
    資本主義というOSにしてみれば人間は労働力にすぎないと。
    ゼロサムかプラスサムってテイカーとギバーだなと思った。
    生きること求められた我々人間として、読書を通じた対話で日々アップデートしていきたい気持ち。
    読みたいから読むんだけども。

  • <目次>
    序章   自分を形作る読書~人格をつくりあげるのはあなた自身である
    第1章  人生を変える読書~あなたはまだ本当の読書を知らない
    第2章  生きるための読書~不確実な人生を生き抜く力を手に入れる
    第3章  好きから始める読書~読書至上主義という思い込みを捨てる
    第4章  対話としての読書~既成概念の「枠組み」の外に出るために

    <内容>
    『読書大全』の著者。この本で書き足りないところを(あるいはカットしたところを)こちらにしたのだと思う。こちらには本の紹介は少なく、そこから感じることを書き出してある。読書家のいうことはみな同じで、だからといって陳腐なのではなく、真実なのだと思う。好奇心を持ち、社会に目を向けつつ、自分で本を選び、そこから派生的に読書を広げていく。誰かに勧められただけの、役立つと銘打った本を捨て、本の杜に入っていくべきだ。

  • 読書とは何か、私たちは本を読むこととどう向き合うのかについて考えるための一冊。
    参考図書の紹介が多いのも良かった。
    読書をすれば偉くなれるとか得をするとかそういったことではないので、具体的な指示や何らかの短期的な効果を求める人には向いていないかもしれません。

  • 「読書」に対する筆者の意見を書いた本。
    どういう本を読めばいいか。
    どういう風に読めばいいか。

    筆者はよく「何の本を読んだら良いか」と問われるらしいが、この本をまずは勧めればいいのではないか。と思う。

  • 読書を通じて、自分を鍛錬し、体幹を鍛える。
    何が正しいか、幸せとは何か、問いながら生きるために、読書という手段を使うこと

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著者プロフィール

多摩大学大学院特任教授、東京大学法学部卒業。元森ビル株式会社CFO

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