修験道の本 神と仏が融合する山界曼荼羅 (Books Esoterica 8)
- 学研プラス (1993年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784056004151
感想・レビュー・書評
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山伏には興味があるものの、修験道に関してはほとんど知識がありません。
彼らは仏教なのか、神道なのか、それさえもわかりませんでしたが、この本は初心者にもわかりやすく、そして網羅的に書いてあるため、入門書として読みやすく学べました。
修験道は神仏習合だったため、明治期には解散を強いられるという激動も歴史があったことを知りました。
禁止されても滅亡することはなく、現在でも修行に励む人々は多いとのこと。
その歴史はかなり複雑で、曖昧模糊としています。
それは、忍者と同じで、秘密裏のうちに行われる行だからでしょう。
日本の険しい山はたいていが霊峰で、神が祀られているということを改めて認識します。
そしてそこには、修行に励む修験者たちがいることも。
日本のように、山に「浄土」と「賽の河原」と「地獄」、つまり全ての世界があるとする国は、他の仏教国のインドや中国、ほかの国々にもないのだそうです。
甘えの許されない極限状態で、道を究めようとする人々。
読んでいて息詰まる思いがしました。
忍者との共通性も多いようですが、どちらにしても秘密伝承の中に生きる人々なので、あまり具体的な資料が残されていないとのこと。
山岳信仰は天狗信仰にもつながりますが、これは平安朝に修験者や陰陽師が広めたものだとのこと。
天狗の定義がいまだによくわからないままです。
木仏を掘りつづけた僧侶、木喰が最近脚光を浴びていますが、木喰とは彼固有の名前ではなく、広く木の実や果実のみを食して修行する僧のことを指すこと、彼の名前は木喰五行明満ということを知りました。
千体仏造像を発願して55歳で全国行脚を開始し、93歳まで全国を巡り歩いたそうです。
即成仏とはミイラのことで、真言宗であがめられているということも知りました。
自己をとことんまで追い詰め、鍛えて人並はずれた霊力を身につけようとする厳しい修行の様子を知りました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神道の延長線として『修験道』とは何かと思い購入。
このシリーズは基本として入門書ではあるが、
先人の業績を通して歴史を解説する部分が多いので、
この一冊だけではある程度は覚悟を決めて読み進めないと
理解することが難しい。
無学な自分にはさっぱりわからないが
このシリーズ全般としてテーマのトピックスを
広く浅く拾っているようなので、
興味のある単語が見つかったら
それに関する専門書で補完していく
辞書の目次のような使い方はできるかもしれない。 -
これ以前古事記のやつ読んで面白かったので。修験道もあるなら読むしかない。
修験道の歴史はもちろん、役小角をはじめとする修験者の紹介から修験道で大事にされる神仏や行法、儀式、はては天狗に至るまで。色々な解説めじろ押しで初心者には嬉しい一冊です。図版も多いし。
ただ若干浅く広くと言う印象もなくはないんですけど、このページ数でこれだけの事を網羅しようとしたらそれは仕方ないですよね。 -
修験者の祖といわれる役小角の伝説・修験道の修行について・修験者の列伝・修験道の歴史・修験道のオカルティズム……などなどを広い視野で網羅した一冊。
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このシリーズは入門に良いかも。広く浅くな感じ。