ブッダの贈り物 スマナサーラ長老と初期仏教の世界 (学研ムック)

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  • Amazon.co.jp ・雑誌 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784056061734

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『怒らないこと』で人気沸騰中のスマナサーラ長老を、この一冊で大解剖。瀬戸内寂聴、養老孟司、宮崎哲哉の各氏との対談、はじめて自分を語る、全著作ガイド、長老の名言集、初期仏教の瞑想法、10分でわかる初期仏教、など読みどころ満載!

感想・レビュー・書評

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  • スリランカから来日し、初期仏教の思想を数々の書籍で紹介している長老スマナサーラと瀬戸内寂聴、養老孟司、宮崎哲弥などとの対談や、スマナサーラの名言集などが収められている。

    仏教は宗教ではない、というスマナサーラのコトバは、象徴的である。

    この本のどこにも、お仕着せがましい崇拝強制的な匂いはしないし、排他的な思考の微塵も感じさせない。

    そして、そのテーマは、本当に宗教的ではないのだ。

    いくつかフレーズを抜いてみると・・・・

    ------

    仏教における「無知」は、知ることが出来ないという状態。これは、一番たちが悪い。怒るのも、欲張るのも、他の様々な罪を裏で手引きしているのも無知。忙しいというのも、同じように「無知」であることの表れである。

    安定という妄想を追ってはいけない。無常を認める勇気を持ち、日々変わる状況に対応していく努力を続けることこそが必要。

    不安になるのは、安定を当たり前だと思うから。変化を当たり前だと思えば、いつでも期待通りのことが発生する。だから、変化にも自然に対応できてくる。だから、イライラもしない。瞬間瞬間、この一瞬で何が出来るか、集中して仕事をすればよい。

    世界を偏見なしに、おもしろがって見てみよう。脳がフル回転している大知識人は、ただ軽々と世界を偏見なしに面白がって見ている。知ること自体が面白くてたまらないので、得た知識に執着しない。

    自我に邪魔されない分、思考はシンプルで、小学生でもその話を聞いて理解できる。しかも、その思考は、革命すら起こすほどの大胆さも持っている。

    -------

    どうだろう、宗教と言うよりは思想、哲学の語り口だ。
    とても平易に、そして中心をぶらさない。
    素晴らしいコトバの使い手だと思う。


    ということで、このMOOK、なかなか優れものでした。
    よい対談相手とのダイアログが収録されていることもあるが、ポイントの抑え方が大変よろしい。(生意気な言い方ですがw)

    瞑想のやり方まで指南されている。

    編集者の方が、とても優秀なのでしょうね。

    MOOK本なので、インスタントな実践書であることは間違いないのだが、たまにはこんな手抜きも許してもらおう。

    でも、スマナサーラの本は何か一冊読んで見なければならないな。

  • 100冊以上の初期仏教本を執筆しているスマナサーラ師の主張が、この1冊でつかめるように編集されたムック本。瀬戸内寂聴氏や養老孟司氏との対談、テーマごとのオススメ本をまとめたブックガイドなど、貴重な企画が満載されている。師の「無常」に対する考え方は、私には非常に受け入れやすいものであり、他の著作も色々読んでみたいと思った。

    下の引用は、「宗教」だけでなく、「政治」だろうが「ビジネス」だろうが「研究」だろうが、あらゆる人間活動に共通して言える問題だと思う…。

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著者プロフィール

アルボムッレ・スマナサーラ(Alubomulle Sumanasara)
テーラワーダ仏教(上座仏教)長老。1945年4月、スリランカ生まれ。13歳で出家得度。国立ケラニヤ大学で仏教哲学の教鞭をとる。1980年に来日。駒澤大学大学院博士課程を経て、現在は(宗)日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教の伝道と瞑想指導に従事している。朝日カルチャーセンター(東京)講師を務めるほか、NHK Eテレ「こころの時代」「スイッチインタビュー」などにも出演。著書に『スッタニパータ「犀の経典」を読む』『ヴィパッサナー瞑想 図解実践─自分を変える気づきの瞑想法【決定版】』『無常の見方』『苦の見方』『無我の見方』(以上、サンガ新社)、『怒らないこと』(だいわ文庫)、『ブッダが教える心の仕組み』(誠文堂新光社)、『70歳から楽になる』(角川新書)、『考えないこと─ブッダの瞑想法』(大和書房)、『Freedom from Anger』(米国Wisdom Publications)など多数。

「2024年 『一日一分 ブッダの教え 365』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アルボムッレ・スマナサーラの作品

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