名曲のたのしみ、吉田秀和 (第3巻)

  • 学研パブリッシング (2013年8月27日発売)
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本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784058000847

作品紹介・あらすじ

音楽評論家、吉田秀和が40年以上にわたり解説をつとめ、多くのクラシック・ファンを育てたNHK-FM「名曲のたのしみ」。ジャンル別に番組をセレクトし書籍化。附属のCDには吉田の語りを抜粋して収録した。第3巻はソリスト編。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/60941

  • 「博覧強記の専門家が縦横無尽に音楽を語る」などというものは、こちらにも相応の知識がなければとうてい手を出せないと思い込んでいたのだが、大いに後悔。むしろ、交響曲と協奏曲の違いも知らなかった、ピアノ・ソナタはピアノだけなのにヴァイオリン・ソナタにはなんでピアノがくっついてくるのかと思っていた、そんな時代(つまり真っ先)に出会っておくべき本だった。
    だいたいクラシックの音楽評論というと、なんでそんないたずらに美辞麗句を弄するんだというか、ぶっちゃけよくわかんないんですけどご自身で言っててわかってます? みたいな文章が氾濫している中で、この方の易しく、わかりやすく、なのに圧倒的に知的な解説はまさしく目ウロコ。「音楽を愉しむ」にあたって、知らない人間の知りたいことが書いてある。愉しみかたを、ちゃんとわかるように教えてくれる。マニュアル世代の活字人間が三十過ぎてちょこっと音楽を聴きだして、解説書と言われるものはずいぶん読んだが、こんなふうに教え導いてくれる人はいなかった。

    もとはラジオの長寿番組だそうで——現在小難しい評論やら感想やらをひねっているプロアマ問わぬマニア方も、多くはここからその豊饒の海に浸かっていったのではないのかと思いつつ——そういうものを、こちらのペースでいつでも振り返れる書籍形式で復刻してくれたのはうれしい限り。紹介盤情報を巻末でなく脚注にしたことといい、この作家にしてこの担当ありと言うべきたいそう慧眼なプロデューサーが、自分とさほど年齢の変わらぬ「若手」だったことにも驚かされた。

    2014/1/25〜2/8読了

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著者プロフィール

1913年生まれ。音楽評論家。文化勲章、大佛次郎賞、讀賣文学賞。『吉田秀和全集』他著書多数。

「2023年 『音楽家の世界 クラシックへの招待』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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