スイス (2024~25) (地球の歩き方)

  • 地球の歩き方 (2023年6月29日発売)
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本 ・本 (496ページ) / ISBN・EAN: 9784058019825

作品紹介・あらすじ

アルプスを望む湖畔の町からまぶしく輝く山々のふところへ。谷を抜け、峠を越えて、ハイジの世界を探しに行こう。国中が絶景といってもいいスイス。運行時間が正確な公共交通機関を使って、国の隅々まで訪れることができます。本書は個人旅行者のためのノウハウと詳細な現地情報を紹介しています。
※今回の2024~2025年版には以下の内容が収録されています。

●本書に掲載されているおもな都市・観光地
チューリヒとスイス東部
チューリヒ、ヴィンタートゥール、バーデン、シャフハウゼン、シュタイン・アム・ライン、ザンクト・ガレン、アッペンツェル、リヒテンシュタイン

ルツェルン周辺と中央スイス
ルツェルン、リギ、ピラトゥス、シュタンザーホルン、アンデルマット

ベルナーオーバーラント
インターラーケン、グリンデルワルト、ユングフラウヨッホ、ヴェンゲン、ラウターブルンネン、ミューレン、ブリエンツ、マイリンゲン

ベルン、バーゼルとジュラ地方
ベルン、フリブール、イヴェルドン・レ・バン、ヌーシャテル、ラ・ショー・ド・フォン、バーゼル、ムルテン / モラ

ヴァリス
ツェルマット、サース・フェー、アレッチ地域、ロイカーバート、シオン、アニヴィエの谷、クランモンタナ、マルティニ

サンモリッツとグラウビュンデンの町
サンモリッツ、オーバーエンガンデン、グアルダ、シュクオール、ミュスタイア、ダヴォス、クール、トゥルン、マイエンフェルト

レマン湖周辺とスイス西部
ジュネーブ、ローザンヌ、ニヨン、モルジュ、ヴヴェイ、モントルー、グリュイエール、シャモニ・モン・ブラン

ティチーノ州
ルガーノ、ロカルノ、アスコーナ、ベリンツォーナ

●アルプス・ハイキング案内
ベルナーオーバーラント
メンリッヒェン~クライネ・シャイデック、アイガーグレッチャー~アルピグレン、クライネシャイデック~ヴェンゲン

ヴァリス
ゴルナーグラート~ツェルマット、スネガ~ツェルマット、ハンニック~サース・フェー、エッギスホルン~ベットマーアルプ

サン・モリッツ
ムルテール~ポントレジーナ、オスピッツォ・ベルニナ~アルプ・グリュム、シルス・マリア~フェックス谷

シャモニ・モンブラン
プラン・ドゥ・レギーユ~モンタンヴェール、ブレバン~ラ・フレジェール

●特集記事
スイス トラベルニュース2024、ユングフラウエリア ハイキング情報、スイスハイライト(展望台、町歩き、観光列車、美術館・博物館)、スイスの料理、スイスおみやげ図鑑、グレッシャー・エクスプレス、ベルニナ・エクスプレス、世界遺産のブドウ畑でハイキング、スイスワインを味わう、ゴールデンパス・パノラミック

感想・レビュー・書評

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  • 僕は真夏のスイス・チューリッヒの古くて小さなホテルの一室で目覚めた。エアコンがなくても寝れた…と、カタカタとなる扇風機の音を聞きながらそう思った。

    「しかし、スイスとはどういう国なんだ?」

    単なる旅行者が理解できるはずもないが、なぜか気になる。この疑問は、前回の書評『スイスの素朴なのに優雅な暮らし365日』で少しは解けたのだが。

    4か国語の公用語、ユーロを使わず自国のフランを貨幣として、直接民主主義制度。最低時給が4,000円で、クーラーがない…。

    一番の疑問は、九州よりちょっとだけ広い国に4か国語もあるということは、4つのグループがあるはずで、それで国がまとまり、永世中立国になれるのか? 疑問は深まるばかりだ。

    ■本場のカプチーノ
    学会の初日は、夕方の総会から始まる。それまでにバーゼルに着けばいい。少し時間がある。ベッドの上でググってみると、すぐ近くに国立博物館がある。ラッキー。

    とりあえず僕は着替えて、Googleマップを頼りに荷物をフロントに預けてホテルを出た。近くのマクドナルドは開いていたが、さすがにそれはと思い、歩いてゆくと行列が見えた。行列があると並びたくなるのは日本人(?)。どうやらクロワッサンとコーヒーを売っている地元のお店のようだ。椅子席はなく、店頭のショーケースにパンなどが並び、奥で大きなコーヒーマシーンが二つ並び、黒のユニフォームを着た若いお姉さんとお兄さんが忙しそうに働いている。

    「カプチーノとクロワッサン」

    僕は注文をして、カードで払った。2回目だから少し慣れてきた。

    「えっ?? たったこれだけ?」

    小さな紙コップに少しだけのカプチーノ。これが本場なのだろうが、量が少ない。舐めるように味見すると苦い。超苦い。エキスのようだった。やはり本場は違うなあ~と思いながら、公園に座りクロワッサンを取り出す。でかい! 日本のクロワッサンの3倍くらいある。

    う~~ん、旅はしてみるもんだ、とチューリッヒ湖を眺めながら朝食を済ませて、『地球の歩き方 スイス』の最新版を片手に博物館へ向かった。

    ■スイスという国
    スイス国立博物館は、チューリッヒ駅の道一本隔てたリマト川沿いにあった。

    「グーテンターク」と、受付で入園料を払い、ロッカーに手荷物を入れて案内に沿って歩いてゆく。広々とした館内は静かで、すこし緊張した。まずは歴史ゾーンをたどってゆく。

    約4万年前の石器時代からの歴史が、わかりやすく展示されていた。僕はGoogle翻訳機能を使い、スマホのカメラをかざすと勝手に日本語にしてくれるので、興味ある所だけを足早に回った。一番興味があったのは、いつスイスが、スイスという国になったかということだが、13世紀ごろから都市や農村部における様々な同盟関係が徐々に発展して、現在の26州からなる連邦国家になったらしい。かなり複雑である。封建制度に反対する3つの都市が自由と自治を守るために結束したことが原型となり、17世紀、ヨーロッパの宗教戦争(カトリックとプロテスタントの戦い)中、スイス盟約者団を中心とした中立を保とうとする動きが、現在のスイスへつながるとの記載もあった。
    https://www.eda.admin.ch/aboutswitzerland/ja/home/politik-geschichte/geschichte-der-schweiz.html
     
    ヨーロッパの複雑な歴史の中で、自由と自治を守るためにスイスは国民皆兵制を基盤として、20歳から兵役が開始され50歳まで続く。50歳までに最低32週間の訓練を受けなければならないらしい。確かに、街中に迷彩服を着た若い兵士の姿はよく目にした。

    「おっと、そろそろ時間だ」

    1時間くらいで、スイスの国を理解できるわけもないのだが、自分になりに納得して駅に向かった。

    「さて、バーゼル行きの切符を買うか~」

    赤い販売機で、手間どりながら切符を買った。実際操作してくれたのは親切なおじさんで、僕はダンケ、ダンケと何度も頭を下げた。次に改札を探すが、ない。どうやらそのまま乗るようだ。切符は列車の中でチェックされることもなかった。市内を走るトラム(電車)もそうである。誰も何もチェックしない。

    本書『地球の歩き方 スイス 2024~2025』によると、時々係が車内で回ってきてチェックされるらしい。もし切符を持たなかったら、問答無用でめちゃ罰金を払うらしいので、必ず切符は買うように、と書いてある。性善説から成り立っているのだろうか。不思議な国である。

    ■平和な散歩
    バーゼル駅に着いた。

    「まだお昼前だ。学会開始まで時間はある」

    バーゼルは国境の街。本書によれば、半日でスイス、ドイツ、フランスをトラムと徒歩で回れるらしい。「3か国巡り」として、観光名所になっているようだ。ネットで調べてみると2時間くらいで行けるともあり。よし、挑戦だ!
    http://www.funeshu.com/world-information/europe/swiss/basel.php

    と緊張感を持って行ってみると、確かに検問所みたいなものはあったが、チェックしている人もいなかった。感覚としては、地元長崎の浦上川沿いを歩いて旭大橋を渡り、稲佐橋に帰ってくるような、緊張感もなにもない、普通の川べりの散歩であった。もちろん、この国境地点は3か国の同意により緩衝地帯になっているから、散歩ができるのであるが、一旦事が起こると国境は閉鎖されるに違いない。平和あってこその3か国巡り。なんとも贅沢な散歩であると感じながら、川辺を流れる船をみつめていた。

    ■学会
    さて、いよいよ学会場へ。
    明日の発表の打ち合わせを仲間と行う。学会の話は、以下のブログに書いたので省略。
    https://careerngs.exblog.jp/32707790/

    ■旅にトラブルは…
    次の日、バーゼルの街の交差点で、黄色の表紙の本書を片手に歩く人をみた。女性二人組で、おそらく20代半ばくらいのようだった。

    「日本の方ですか?」

    と向こうから声をかけてきた。たぶん僕が同じ本を片手にしていたからだろう。

    「はい、長崎から」
    「私たちは東京から」

    スイスを仲良し二人で旅行しているらしい。今からショッピングをするか、3か国巡りをするか迷っているらしい。3か国巡りは、どの乗り場から乗ればいいかわからないから、ショッピングに行こうか…などなど、見知らぬ僕に楽しそうに話してきた。

    僕は昨日巡ったことを伝え、トラムの乗り場を教えた。

    「どうでしたか?面白かったですか?」と尋ねられて、
    「いや、全然、フツーです。浦上川べりと同じですよ。ショッピングの方がいいですよ」と答えようとしたが、飲み込んだ。

    すると若い二人は、
    「私たち、二人で、行けますか?」と不安げに聞いてきたので、年長者らしく
    「大丈夫ですよ。もしトラブルが起こっても、旅の楽しみになりますよ」と答えた。

    やっぱり明日のことはわからない、いつ国境が閉じるかもしれない。国境を大切な友達と歩くことができる今を楽しむべきであろう。買い物なんていつでもできる。

    「きっと、思い出になる平和な散歩になりますよ。いってらっしゃい!」と破顔一笑した。

    それから数日間は学会場に缶詰だったが、スイスの旅はこんな感じで終わった。しかし、最も大変だったのは、羽田空港に着いてからだった。

    「お客様が乗られる予定の長崎行は、欠航です」
    「マジですか~~!」

    13時間のフライトの後に、日本についたらこれで、それから8時間キャンセル待ちに並び、結局切符はとれず…。長崎は遠すぎる…。結局さらに一泊。旅にはトラブルはつきものと偉そうに言ったのだが、台風だから仕方ない。

    次の日くたくたとなり、なんとか長崎空港に着いたのだった。めでたし、めでたし!(笑)。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/571725

  • 桃山学院大学附属図書館電子ブックへのリンク↓
    https://www.d-library.jp/momoyama1040/g0102/libcontentsinfo/?cid=JD202307001220

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著者プロフィール

1979年から発行している、日本でもっとも発行タイトルが多い海外旅行ガイドブック。新鮮な現地取材データで、見どころや町歩きスポットを解説し、旅行者をサポートする。

「2022年 『地球のかじり方 世界のレシピBOOK』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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