巫子 自選少女ホラー集 (学研M文庫)

  • 学習研究社 (2000年12月12日発売)
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本 ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784059000198

作品紹介・あらすじ

ミナガワ魔界の深奥には、いつも独りの少女がいる--。霊媒となった少女たちを待つ残酷な運命(「巫子-みこ-」)。少女と女流画家の世にも奇妙な愛欲地獄(「幻獄」)。時間の罠、分身、終わりのない悪夢、悪意と奇想に満ちた少女ホラーの名作を集大成!

感想・レビュー・書評

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  • 図書館。
    よくわかるものも、わからないものもあった。

  • 表紙絵怖いしタイトルにホラーって入ってるけどそこは皆川博子なので怪奇よりは幻想的、ゾッとするのは人間の怖さ。最初の「冬薔薇」に「あなたは、わたし?」というセリフがあるのだけれど、全体的にこのセリフに象徴されるテーマの作品が多く収録されていた印象。それは未来(過去)の自分であったりもするし、血縁であったり姉妹であったり親友であったりさまざまだけど「わたし」は二人いるわけにはいかないので、どちらかが消えねばならない。

    『たまご猫』にも収録されていた「骨董屋」がやはり怖い。あとループして出口のない「流刑」も怖いなあ。「幻獄」はもともとの掲載誌で提示されたテーマが意味不明なエロ設定だったらしいのだけど、それをこういう形で昇華しちゃう手腕が流石。

    作者自身のあとがきを読んで「巫子」が「私小説ではないが七割実話」というのに驚いた。もしかして自動手記で小説書かれてる!?(笑)

    ※収録作品
    「冬薔薇」「夜の声」「骨董屋」「流刑」「山神」「幻獄」「山木蓮」「冥い鏡の中で」「巫子」

  • 短篇の中では「冬薔薇」が一番好みだったなぁ……。
    なんというか、旧家の醸し出す不気味さと、それからあの、なんともいえない二人の邂逅。
    違う短編集にも収録されていた「骨董屋」がこちらにも収録されていて、もう一度読んだけどこれは面白くて好きだ。
    最後に来るぞくっとした怖気のようななにかが好きだ。


    概略
    ミナガワ魔界の深奥には、いつも独りの少女がいる。
    霊媒となった少女たちを待つ残酷な運命(「巫女」)。過去の自分からかかってきた深夜の電話(「夜の声」)。
    少女と女流画家の世にも奇妙な愛欲地獄(「幻獄」)他、厳選された6篇の怪異譚を収録。
    時間の罠、分身、終わりのない悪夢、悪意と奇想に満ちた少女ホラーの集大成!

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著者プロフィール

皆川 博子(みながわ・ひろこ):1930年旧朝鮮京城生まれ。72年『海と十字架』でデビュー。73年「アルカディアの夏」で小説現代新人賞受賞。86年『恋紅』で直木賞、90年『薔薇忌』で柴田錬三郎賞、98年『死の泉』で吉川英治文学賞、ほか多数の文学賞を受賞。著書に『聖餐城』『海賊女王』『風配図 WIND ROSE』『天涯図書館』など。

「2024年 『大江戸綺譚 時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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