古事記 (学研M文庫 う 1-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784059007692

作品紹介・あらすじ

『古事記』の編纂者・稗田阿礼は藤原不比等だった?「原古事記」には柿本人麿もかかわっていた?この大胆な仮説を裏づけるべく、梅原猛が初めて『古事記』の現代語訳に挑戦した記念碑的作品。縄文時代ゆかりの日本語の祖語と著者が考えるアイヌ語などを駆使して、枕詞など従来読み解けなかった難解な文章の意味を明らかにしていく!巻末に著者による最新の論考「古事記論」を増補した新装版。

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり古事記は面白いわ。完全に現代語で書きなおして読みやすくして広めるべき。

  • 日本人なら必ず知っている古事記。
    梅原猛が現代語訳していたので初めて全編読んでみた。
    日本の古代の神々が人間味を持っていて面白い。因幡の白兎、ヤマタノオロチ、国譲りなど知っている話でも流れが掴めた。
    また戦闘においては非常に騙し討ちが多い事にも驚く。勝者の歴史なので都合が悪ければ書き換えれば良いのにしていない事を考えると、騙し討ちが恥ずべきことでは無いのだろう。現代と倫理観というか感覚の違いが大きい。
    下ネタも多い。糞の中から神が生まれたり名前の意味が糞だったりと深読みの遣り甲斐がある。
    巻末の解説を読むともう一度読み返したくなる。別の人の訳と比べてみたい。

  • 挫折しました。

    本や漫画、ゲームでもよく扱われる話は楽しく読めるが
    それ以外の系譜の説明に入ってしまうと読破するには気合が必要かな…

  • 28年ぶりの再読であったが,やはり,理解出来ず…残念ながらまたしても「古事記」の面白さを理解することは出来なかった…己の文学的センスのなさを恨むばかりだ.

    長たらしく難解な登場人物の名前に翻弄され,物語の内容は,欺きと権力闘争,そして近親相姦,親子兄弟の殺し合いというタブー,などなど…ある意味非常にスリリングな展開となりそうな要素は満載なのに,それが淡々と羅列されて行くような展開は,ハリウッド映画のような派手な演出に慣らされてしまった現代人の一人である想像力の欠如した僕にはどうにも退屈で…f^_^;

    しかし,巻末に付けられた「古事記に学ぶ」まで読んでその考えは一変する.

    これは,日本という国の起源を紐解く壮大な歴史ミステリーの宝庫だ‼︎
    …とはいえ,なかなかもう一度読み返すには時間と体力が必要で…もうちょっと,分かりやすい本,ないかな?解説書的な方がむしろありがたいですf^_^;

    最後の最後まで読んで初めて価値を実感できました.

  • 遷宮など天皇や神様についての話題が多くあった2013年。日本という国がどうなるという心配を思う2014年。他の国のことを考えずに自分の国(というか自分の利益か?)の事ばかり主張する事が良いことなのかを考える時、日本ができあがるまでの話を読んでおくのは良いことかもしれません。大国主命の話を読んでおくだけでも良いのではないでしょうか。学問に優れた末っ子。兄の言うことを(だまされていると分かっていても)まもり、女性達の力で何度となく蘇って国をまとめた大国主命の話。因幡の白ウサギの話以外も子供に語り継ぎたい。

  • 特になし

  • 文末の古事記論や考察の文章は、あくまで仮説にすぎないが面白かった。
    それにしても古事記は、壮大な物語だ。
    もう一度河合先生の古事記解説と合わせて読んでみても面白そうだ。

    赤猪子・・・なんと哀れな女だろう。
    童女のときに、その美しい顔立ちを見染められ、嫁に行ってはならぬ、かならず迎えにくるからと天皇に言われ、待つこと80年・・・
    今更天皇の思し召しを頂こうとは思わぬが、一言自分の気持ちを申し上げたいと。
    ここが一番印象的で、天皇と赤猪子の歌のやりとりに切なくなってしまった。
    この他にも歌のやりとりで物語を進めるという、洗練された面白さもある。
    古事記はもっと読まれるべきだなあと思う。

  • 梅原猛のバイアスがかかっているかもしれない「古事記」の現代語訳。

    スサノオはマザコン[p21]、アマテラスはひきこもり[「岩戸隠れ」p26]。 ヒーローで名高いヤマトタケルは、あのまま現代にいれば凶悪な犯罪者になるだろう[p127]。神話全体がスカトロジーに貫かれている(これは糞が肥料になるなど、当時の社会に根差していたか)。男女の生々しいエロティシズムは当たり前で、川でウンコしているときに矢が女性器に刺さって、その矢が男になったり(ウンコが流れる下流からではなく、上流から流れて来たらしい。よかった。[p101])、風俗の写真見学みたいに女を品定めしたり[p102](天皇の浮気は当たり前。ゾウアザラシ並み)、月経の血をみて歌をうたったり[p137]する。また、ボーイズ・ラブに近いようなニューハーフなようなエピソードも[p128]。

    とにかく、黄泉の国にいたスサノオから奪った太刀と弓矢で地上(葦原中国)に国らしきものをつくったオオクニヌシ(大国主神)あたりから、地上に神が増殖し(植民か?)、アマテラスでさえ名前を尋ねないとわからない[p67]。それで、アマテラスもイザナギと同じように、地上の統治を他の神に任せようとする。無責任。お前がやったほうが早そう。結局、様々な混乱、争いが地上にはびこる。

    古事記が扱うのはおもに天皇が神に近かった範囲内。推古天皇の近くはざっと数行で触れられるのみ[p217]。国を正当化する物語がこれほど人間的、生々しく生理的であるところが圧倒的な魅力。

  • 改めて読んでみて、面白かった。昔の人達と今と通じる所、今とは違う当時の価値観を垣間見れる所、色々感じられました。もう少し、名前が分かりやすいと良いのだけども、そこは致し方無いか。。近畿から九州まで、旅したくなりました。

  • 購入書店:紀伊國屋書店BookWeb; 読書環境:Reader PRS-T2; コンテンツ形式:XMDF

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著者プロフィール

哲学者。『隠された十字架』『水底の歌』で、それぞれ毎日出版文化賞、大佛次郎賞を受賞。縄文時代から近代までを視野に収め、文学・歴史・宗教等を包括して日本文化の深層を解明する〈梅原日本学〉を確立の後、能を研究。

「2016年 『世阿弥を学び、世阿弥に学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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