- Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
- / ISBN・EAN: 9784059007845
作品紹介・あらすじ
驚くべき多面性をもつ宗教者・弘法大師空海に、10人の知者がアプローチ。密教のカリスマ空海の壮大な宇宙を遊泳し、その深奥に迫るエキサイティングなアンソロジー。博覧強記をもってなる松岡正剛、荒俣宏ほか、漫画家のジョージ秋山、あの菊池寛も参戦!
感想・レビュー・書評
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真言宗開祖・弘法大師空海(774~835)について、
知識人たちが様々なアプローチで綴った評伝を
夢枕獏が編集したマンダラのような本。
■松岡正剛「五大にみな響きあり」
空海はカリスマ宗教家であり、言語哲学者であり、能書家であり、
同時に優れたデベロッパーであり、アートディレクターでもあった。
菩薩像、明王像を巧みに配置して立体マンダラを構成した――という条で
佐藤史生『ワン・ゼロ』を思い出してニヤッとしてしまった。
■菊池寛「弘法大師」
雑誌『キング』誌上で空海を題材にした戯曲または小説を……との話が持ち上がって、
いろいろ勉強し、ある程度理解したものの、
面白い作品に仕上げるのは荷が勝ちすぎて無理という結論に達したそうだ。
■藤巻一保「空海密教の思想」
密教とはいかなるものかを図解入りでコンパクトに解説。
胎蔵界・金剛界曼荼羅の図示はありがたい。
胎蔵界曼荼羅はまるで整備された街の地図のようで、
金剛界曼荼羅は館の見取り図のようだな~、などとぼんやり思う凡愚の私(笑)
■吉田絃二郎「沙門空海」
菊池寛が無理ムリ~と言っていた、空海を題材にした戯曲(!)の一部を掲載。
高岳(高丘)親王=のちの真如法師登場。
■清水義範「空海」
空海と真言宗の簡略な解説を通して日本人の宗教観を洗い出している。
■荒俣宏「空海の言霊狩り」
空海の虚像と実像を巡る幻視。
■岡本光平「空海の飛白体」
飛白体とは刷毛状の筆で擦れ書きにしたもので、扁額などに用いられる書体。
書家による空海の「書」論。
■ジョージ秋山「弘法大師空海」
第1巻の5・6話を収録。
幼名=真魚と呼ばれていた空海の少年時代。
■内藤正敏「ミイラ信仰の研究」
高野山が水銀の産地であったことから、
即身成仏を目指した空海は水銀中毒で死亡したのではないか……と推理。
■夢枕獏「ブッダの方舟」
中沢新一との対談本に付した前書き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
獏さんと、いろんな人たちと対談集。その様子が、曼荼羅?とか思って買ったら、違いました。
空海に興味あるなら、こんなのおもろいよ。っていうことでした。
曼荼羅の入り口。