新月の夢: 愛宕山あやかし伝 (学研M文庫 い 14-5)

著者 : 池端洋介

• 学研プラス (2013年4月1日発売)

作品紹介・あらすじ

「お前には天狗の血が流れている」という遺言を父から受けた旗本・京之介。己の出自の謎を追って、愛宕山へと向かい、太郎坊社の神職・覚之坊、元盗賊の木彫りの猿蔵と出会い、品川宿を舞台に珍妙な事件を解決しつつ、自分たちの出自の謎を追いかけてゆく。

感想・レビュー・書評

[バンスライクさんの感想 · 2013年9月3日]

「お前には天狗の血が流れている」と父から遺言を受けた旗本の三男 草壁京之介。遺言で愛宕山へと向かったところ、曲者に襲われている覚之坊と猿蔵と出会う。設定はユニークで伝奇色とお家騒動が同時進行しユーモラスな要素も盛り込まれているが、どれもピリッとせず芯が無い状態。それに話があっちこっち横道に逸れたりするので何がどうなっているのか見えにくい。事件の顛末は天狗の千里眼で明かされるという今までの探索は何だったのかと思える展開。しかも伏線が生かされずかなり無理がある幕引きで唖然。この作家は最近は不調だな。