- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784059008620
作品紹介・あらすじ
全軍敗走の中、島津義弘軍は故国をめざし、決死の敵中突破を敢行する。世に言う“島津の退き口”である。島津家はなぜかくも少数の兵のみで関ヶ原を戦ったのか?戦場を脱した彼らのその後の運命は?残された兵士の手記から、日本戦史上の快挙の全貌を描く。
感想・レビュー・書評
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島津退き口
( ゚Д゚)アッ!捨てがまりの記述が無い・・・
は、置いといて知らない事が沢山わかった
島津義弘の家中での立場と後世に続く評判
関ヶ原の戦いの意味(あるいは無意味)
敗走中の数々の困難と、たぐいまれな僥倖
戦後処分を免れた経緯(強い、が理由では
なかった、当時の大阪政権の構造故の宥免)
(金ヶ崎の退き口並みの記憶必須用語)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
秀吉死後から関ヶ原に至り領地に帰国するまでの、島津義弘の苦労ぶりときたら……(涙)
考えてみれば当たり前なのだが戦場を脱出できても、関ヶ原から九州まで土地勘の無い場所を落ち武者狩りを避けて逃避行せねばならないわけで、八つ墓村のイントロの伝承みたいな目に遭ったりして、しかも娘婿の亀寿(姪だが父親の義久の地元権力が強すぎて、実質はこの女性の婿が薩摩の次期当主、なので絶対敵の手に渡せない)を京都から一緒に連れ出したりとか、なんというミッション・インポッシブル。船で本州から九州に戻るときも黒田如水の水軍に攻撃されたりしてもう本当に苦労は充分ですごちそうさまでした! という気にさせられた……(しかもこの時期如水は混乱に乗じて「切り取り次第」になったらいいな、みたいな領土拡張の野望を抱いていたのでめちゃくちゃやる気を出していた)
京都潜入の下りはさすがに誇張を感じるが、逃避行に同行していた兵士の各証言などが纏められていて、なかなか迫真性と現実感の高い書物でした。また読むかも。(図書館)