ミグ25事件の真相 闇に葬られた防衛出動 (学研M文庫)

  • 学習研究社 (2001年8月7日発売)
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本 ・本 (264ページ) / ISBN・EAN: 9784059010722

作品紹介・あらすじ

1976年、突如函館空港に舞い降りたソ連戦闘機・ミグ25。奪回に向け襲来が予想されたソ連ゲリラ撃滅のため、自衛隊が様々な葛藤を経て独断で決定した防衛出動の隠された真実を、元自衛官の著者が赤裸々に綴る。

感想・レビュー・書評

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  • 世界がまだ国家間同士で諜報活動していた時代。北海道、函館に一機のミグが強行着陸…見たこともない機体を間近で見た日本人とそのパイロットの、目的とは、嘘のような事実ですが、こういう事を知っておくことが大事だと思う。

  • 自衛隊の内部レポート。自衛隊の動向はわかるが、事件の全容がサッパリわからん。

  • ミグ25事件の裏で進行していた陸自の超法規的防衛出動の動きを描いている。
    自分が同じ状況に置かれたならば、どのように考え、動くだろうかと考えさせられる。

  • 当時の判断をどのように評価するかは、当時その場にいなければできない。
    過去にこんなことがあったんだと知っとくべき内容。

  • 2015.1記。

    1976年、ソ連のミグ25が防空網を突破して函館空港に強行着陸、パイロットが亡命を要求。最新鋭戦闘機奪回のため「ソ連特殊部隊潜入の可能性あり」の極秘情報が米国からもたらされる・・・。本書は、自ら陸上自衛官として現場を目の当たりにした著者による「秘史」物。

    自衛隊に対する風当たりが強かった時代。この超一大事にあってさえ、時の三木首相への防衛庁からの報告は、警察、運輸、法務、外務、のあとの5番目。官邸が「ことを荒立てるな」としか指示しない中、函館の陸自師団は戦闘の可能性に思い悩む。
    「この地上戦闘は・・・どちらが先に武器を使用したかは、多くの国民がテレビを通じて、茶の間で見る。総理の防衛出動命令をもらわないうちには、先に武器を使用できない。敵の発砲を見定めてから、隊員個人が正当防衛として武器を使用する。これでは、わが方には多数の死傷者がでるだろう」(P.67)・・・

    文書の言葉尻の修正が延々と続き、結局は前線の連隊長にあいまいにゆだねられる。文書命令がないことに疑問を抱きつつも、黙って受け入れていく現地部隊。
    「(師団長は)戦争目的で実弾の使用を認めたことに気を重くしていた。前の大戦で経験した、『実弾の重み、暗さ』を思い出していたのである」(P.89)。

    結局ソ連軍はこなかった。自衛隊側の防衛対処を見て踏みとどまった、というストーリーを私も信じたいが、わからない。現場の奮闘にせめてもの名誉を、と検討された賞状の文言まで「対処行動」から「警備訓練」に変えられてしまった。そしてこの作戦行動の全貌はほとんど国民に知らされることはなかった。

    「何も起こさせない」という自衛隊にとって本来一番重要で、そして一番見えにくい任務をともかく彼らは果たした、そのことに、深い敬意を持って本書を閉じた。

  • 8月16日 ~ 8月18 日

    ミグ25事件の最中にもたらされた旧ソ連軍ゲリラ部隊の函館空港侵攻情報を元に、多くの制約を振り切って、自衛隊は日本を守るため事実上の防衛出動を行っていた。その中でも政争に明け暮れる文民どもは…と。
     そもそも、システム整備(有事法制)の問題以前に、旧ソ連軍の函館空港侵攻情報の充分な評価もせず、作戦行動を起こす旧日本陸軍体質そのものが問題ではないのか。
     確かに戦うための根拠は必要であろうが、現在の未整備な法制下でさえ、秘密主義、独断専行がまかり通るのだから、法整備が整ってしまうと、戦うための根拠ではなく、戦ってしまったことの根拠(正当化)に利用されるような気がしてならない。

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