擲弾兵 パンツァーマイヤー戦記 (学研M文庫)

  • 学習研究社 (2004年3月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (662ページ) / ISBN・EAN: 9784059011606

作品紹介・あらすじ

欧州戦線の主戦場に常に身を投じ、その伝説的な戦いぶりから『戦車(パンツァー)マイヤー』との異名をとった武装SS屈指の名指揮官クルト・マイヤー。戦中は最前線で、戦後は軍事法廷で、常に戦い続けてきた彼が自ら綴った激闘の記録

感想・レビュー・書評

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  •  HIAGのスポークスマンだった人物が書いた「武装SSは犯罪組織ではなく、第4の軍事組織だった」という言い訳本。なのでヴァールから釈放された時にまだ拘留中の「戦友」について、それとなく「戦友愛」に満ちた言葉を書いている。同じヴァールにいたと書いているエーリヒ・フォン・マンシュタインは彼より先に釈放されているので、おそらくノイエンガメやベルゲン・ベルゼンといった強制収容所の関係者だろうか?ここは国防軍の軍人と武装SS隊員とでは待遇が違うようだ。
     クルト・マイヤーは自分が送られたトレント・パークが盗聴器だらけの収容所で、かつてスペイン戦争でイムカー戦闘団を率いていたヴィルヘルム・リッター・フォン・トーマ将軍はマイヤーと違って第三帝国の所業(ユダヤ人の「東方」送りを含めて)に幻滅を感じて英軍に協力していたらしい(でないとエル・アラメインで捕虜になってから2年も経つのに尋問用の収容所にいる事自体が不自然だ)のも気がつかないので、自分の政治的な意見を大っぴらに開陳していたそうだ。大木毅の「ドイツ軍事史」に紹介されたナイツェルの未邦訳の本はそう言う事を書いているそうだが、彼自身も語っているらしい事は薄々感じられるし、盗聴器だらけの収容所に送られた事を知らない人物が見たトレント・パークの記述は興味深い。
     第三帝国時代に亡命したユダヤ人と分かる人物を「ユダヤ人」とは書けないのでユダヤ人に多い職業である弁護士だと遠回しに分かるように書いた上で憎々しげに書いた個所がある。それで彼の息子が終生、ヒトラーの思想に忠実だった父親の本を批判した本を書いたというのだろうか。
     戦犯裁判についての個所では、さすがに自分の部下がカナダ兵の捕虜を虐殺した事自体は遠回しに認めているようだ。しかし、部下が勝手にした事であり、自分には「責任がない」と感じているのは見え見えだ。カナダ軍はクルト・マイヤーを武装SS少将として一定の敬意を払った上で裁いたようで、「ユダヤ人」と分かる人物が彼のベルトや靴紐を取り上げたと憎々しげに書いているものの、アメリカ兵に戦利品として略奪されたというものの代わりとしてドイツから送ってもらったらしい騎士十字章や着用していたはずの陸軍大佐の軍装ではなく武装SS少将の階級章である「金色の肩章」と捕虜収容所でも外しているはずの鉤十字の記章のついた武装SSの制服の着用を認めているのは感心する。死刑から減刑となってカナダへ連行される時にカナダ軍の軍装を支給して帰休兵と一緒に輸送船に乗せて傍目には「ナチの戦犯」だと分からないようにしているので「有罪となった武装SSの将軍」に対する待遇にしては結構気を使っていたようだ。

  • まぁまぁ

  • 模範的ドイツ軍人の自伝。
    日本の軍人は戦争が終われば戦いを止めるが、欧米の軍人は死ぬまで軍人で有り続ける。

  • 古本屋巡りで購入断念し、Amazonの古本であっさり見つけて購読。

    ナチスドイツの精鋭部隊である武装親衛隊の栄枯盛衰を描いた現場単位のノンフィクション。
    「登場人物の多さに理解不能」と「オマエ、ナチイズムの信奉者?」と疑われるという難点はあります。

    しかし、敗戦国に所属した中間管理職の主人公たる著者が、周囲を鼓舞しながら、経験則に基づいた最適な戦術を実行したプレイングマネージャーを描き、一読の価値がある。本当に組織を支える人というのは、この著者のような威風堂々な人を言うのだろう。

    ところで、ブラッド・ピットの戦車戦争映画「フューリー」の主人公達が、武装親衛隊に嫌悪感や恐怖感を抱くシーンがあった。
    この作品を読み、連合軍にとって、いかに親衛隊が手強い敵であったことが理解できたのは副次効果だと思います。

  • クルト・マイヤーが戦後武装SS関係者の地位向上の一助として著わした自伝。
    パウル・カレルなんかの戦記とは違った趣があります。

  • いわゆる悪役、ナチスのSS、
    ヒットラー親衛隊なわけですが、
    その実態について書いた本。
    戦争は、勝者のものですね。

  • 戦場を駆けた誇り高き職業軍人の手記である。若手指揮官として戦場を駆けた主人公は、次々と戦友が斃れるのを眼にしながら戦い続け、最後には更に若い兵士を率いて戦場に立つ…
    ポーランド侵攻からノルマンディーまでの記録であるが、寧ろノルマンディーで捕虜となり、“戦犯”として裁かれていき、後に釈放される経過が印象的である…

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