「詳解」独ソ戦全史: 「史上最大の地上戦」の実像 戦略・戦術分析 (学研M文庫 グ 1-1)
- 学研プラス (2005年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (697ページ)
- / ISBN・EAN: 9784059011736
感想・レビュー・書評
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旧ソ連の公開文章や旧赤軍将校へのインタビューに基づく、独ソ戦の戦史。
旧ソ連側の偏った視点で書かれている物ではなく、感情的な記述は見あたらず、東部戦線の大まかな流れが淡々と描かれていました。
対象期間は、赤軍誕生からベルリン陥落までで(ソ連満州侵攻も少し)、付属資料に各種統計も充実していて、良い資料になると思います。
独ソ戦では、日露戦争の奉天会戦を超える規模の、膨大な人命を消耗する戦闘が数多く行われていたのですね…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「赤軍の立場から」検証された珍しい独ソ戦史。
軍事研究資料的な性格が強く、ストーリー性は少なくて、やや単調な印象もある。レニングラードやスターリングラード、クルスク、ベルリン戦など、クライマックスの部分はもうちょっとページを割いてもいいかなと思ったが、敢えて淡々と書くことで全体のバランスを保っているのかなと思った。
しかし本としての本来の目的としていた、戦術面での独ソ戦史全体の網羅は、膨大なデータと聞き込み調査によって十分に達成されていると思うし、ページ数も含めてお腹いっぱいになれる驚嘆すべき一冊と思った。 -
優秀な現場による柔軟な組織とトップダウンでしか動けない硬直化した組織。WWW2を通して独軍は前者から後者へ、露軍は後者から前者へと変わった。これが両者の勝敗を分けることとなった。
互いに学習しあった結果か?
現代の組織間にもあてはまる原理のようなものを含んでいると感じた。
純粋に戦争ドキュメンタリーとして楽しんでもよい(-.-) -
「ソ連側史料」をも検証した著述で、大変興味深い…