- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784059040033
作品紹介・あらすじ
平成11年2月に亡くなったつげ義春夫人は、一家の日常生活を絵と文にて記録していた。平凡な日々の悲哀と幸福とが綴られた貴重な記録。巻末に、つげ義春氏のロング・インタビュー「妻、藤原マキのこと」を収録。口絵カラー=8ページ。
感想・レビュー・書評
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読み終わった時に浮かんだ言葉は「痛切」。痛々しく、切ない、という意味での痛切です。著者の絵そのものは、つげ義春と原田泰治を足して二で割ったような素朴な味わいです。最初、そんな感じの表紙になんとなく心惹かれて買ってしまった本でした。1月4日から始まる日記は、読み進めるにつれて「オトウサン」とのけんかや病気の話が多くなりだんだん暗くなってくる。そんな中で4月28日の日記がせつない。最後にオトウサンことつげ義春の語り下ろしがおさめられている。
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角川ミュージアムで見て気になり予約。ほのぼのした毎日でありながら、作者家族のそのままが描かれている
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ああ、もっと読んでみたい日記だった。
最後のつげ義春さんの文章も良かった。
(最近購入した早川義夫さんの本の表紙絵が藤原マキさんの絵だった事に驚く。この本にもその絵が掲載されている。) -
なるほど、つげ義春の奥さんの作品に納得。価値感の重なり合いに仲の良さが偲ばれる。戦後間もない時代の様子は、私の知る時代とあまりにかけ離れていている。ほんの僅かな年月なのに。
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著者は唐十郎氏が主宰するアングラ劇団「状況劇場」の元女優。そして漫画家・つげ義春の奥さん。
1999年逝去。この絵日記は1980年代初めのつげ家の暮らしをほのぼのとしたタッチで描いている。子供のこと、つげ氏のこと、毎日がたんたんと過ぎていく景色の中で、つつましく、けなげに生きていく一家の生活が語られていく。
夫婦喧嘩、つげ氏の精神的な病などにも触れているが、みじんの暗さもない。絵も素朴なタッチで味がある。最もこの絵日記を書いた目的は、“子供に残してあげるモノ”ということであったらしい。後半に納められた「思い出エッセイ」「藤原マキの懐かしい風景」のタッチはつげ義春ばりの精密さもあり、村の集会所に間借りし、もらい湯をしなければ生きていけない幼い頃の極貧の暗い生活の中でも、「希望」をもった子供らしい明るさを、そこに見ることができる。
『ねじ式』『李さん一家』『チーコ』など、つげ氏の初期の作品群の中に奥さんとおぼしき女性が出てくる作品がいくつかある。また当時住んでいた団地の風景が描写されている作品もあり、比較して読むのも面白いだろう。つげ義春ファンにはオススメの一冊である。 -
つげ義春さんの奥さんの書いた絵日記。1980年代の調布での生活。息子は4才。味のある独特の絵と素朴な文章で生活が淡々と描かれている。視点がとてもあたたかく切ない。途中からオトーサン(夫)が精神を病んでしまい、マキさんの精神状態も不安定に。夫婦喧嘩をしたり子供とお散歩したり、家事をしたり、何気ない生活の記録だけどとても惹きつけられ胸に迫るものがあった。
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つげ義春の奥さんの絵日記。しょっちゅう家族で風邪を引いていて、大丈夫なのかなー、て心配になったり、それでも家族ってのの芯はあって、いい本だったなぁ、と。そして、夫婦であまりにも顔が似ていて、そしてもちろん、子供の正助くんも似ていて、家族って、そういうもんだよねー、なんてことも思ったり。(13/4/3)
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うたた寝の絵が多い。好きやったんでしょうね。