太平洋Xポイント (手塚治虫漫画全集 71)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061086715

感想・レビュー・書評

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  • 【太平洋Xポイント】
     ヒゲオヤジが泥棒組織のボス・地下鉄サムとして登場。
     ジョンストン・マッカレーの『地下鉄サム』は個人のスリでしたが、それにちなんだ命名でしょうか。
     サムの組織は意外と大きく、部下にランプ演じるマックスとハム・エッグ演じるクラックを筆頭に、他に無名のメンバーが数人います。
     手塚作品では敵の悪人としてアセチレン・ランプやハム・エッグが登場することが多い。
     私はこの二人は共演することはないのだと思っていましたが、この作品で共演していたんですね。二人の関係はサムの部下という点で同格のようでした。

     空気爆弾というのが登場しますが、これは一体どんな仕組みなんでしょうか。空気が連鎖して爆発するということですが、本当に爆発するとどうなるのでしょうか。

     それで、地下鉄サムは息子のエリックと共に空気爆弾の破壊を実行します。
     最後にサムは爆発した船の破片に直撃されて死亡します。
     何であえて主人公が死ぬ結末になったのでしょうか。
     爆発に成功して
    「バンザーイ!やった!やった!」
    と喜んでハッピーエンドで終わっては駄目なのでしょうか。
     どういう結末を選ぶか、そこを考察するのも作品論となるでしょう。


    【世界を滅ぼす男】

     タイトルが不思議です。「世界を滅ぼす男」とは一体誰でしょうか?
     主人公の一ノ谷良一ではありません。
     主人公の良一の敵でありLP爆弾で日本を爆撃しようとしているルノー中尉のことだと思います。
     しかしルノーは世界を滅ぼそうとはしていません。正しく言うと「日本を滅ぼそうとしている男」ではないでしょうか。
     手塚治虫がこのタイトルにしたのは、超兵器は敵だけではなくいずれは味方や自分も滅ぼすものだという意味を込めたのでしょうか。
     結局、ルノー中尉は良一に撃墜されてLP爆弾を日本に落とすことはできませんでした。
     しかし、爆弾はこれ一発だけなのでしょうか。他にも製造してまた別の男が日本に落としに来るのではないでしょうか。『太平洋Xポイント』の空気爆弾もそうですが、その後のことを考えると決して安心できる結末ではないように思えるのですが。

    OLDIES 三丁目のブログ
    手塚治虫【太平洋Xポイント】【世界を滅ぼす男】
      https://diletanto.hateblo.jp/entry/2023/12/07/204252

  • 核実験を鋭く風刺した短編。空気爆弾の実験を阻止して死んでしまう地下鉄サムと墓標から1人去っていくエリックのラストシーンが秀逸です。ただし発表時にはこのラストではなく、エリックが自首し、逆に感謝をされるというものだったらしい。

    ナーゼンコップ博士がお茶の水博士です。

  • 手塚、前期の作品。
    ところどころにディズニーの影響が見られる。
    よっぽど好きだったんだね。

    なお、収録作『世界を滅ぼす男』は傑作!
    小学生の時、読んで以来で再び目を通す機会に恵まれたが、やっぱり良い。
    戦争に対するニヒリズム的な視点、戦争の哀しさ、使い古されたテーマだが、ストレートに表現してある分、ぐっとくる。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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