上を下へのジレッタ 手塚治虫漫画全集 (2) (手塚治虫漫画全集)

  • 講談社 (1983年8月1日発売)
3.18
  • (1)
  • (2)
  • (6)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 51
感想 : 3
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・マンガ / ISBN・EAN: 9784061087729

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1968~1969年『漫画サンデー』連載作。
    巨匠の作品は、興味を持ちつつ未読――が大半なので、
    タイトルに心惹かれたものから機会が出来次第……と考える今日この頃。

    美声と抜群の歌唱力に恵まれながら、
    ルックスが今一つ二つ(笑)な歌手・晴海なぎさ(本名=越後君子)は、
    何故か空腹時だけ絶世の美女に変身する特異体質。
    秘密を知ったプロデューサー門前市郎は、
    彼女に小百合チエという新たな芸名を授け、絶食を強いて、
    美人歌手として売り出し、業界を席巻しようと目論む。
    チエの恋人で漫画家志望の山辺音彦は、
    門前と口論の末、生き埋めにされるが、極限状況の故か、
    自身の漫画のアイディアが混じり合った妄想世界「ジレッタ」に閉じ込められてしまう。
    音彦は三ヶ月間、飲まず食わず(!)で救出されたが、
    接触した他人に「ジレッタ」ワールドを体感させる能力を発揮。
    門前は意識朦朧とした音彦を勝手に利用し、メディア王になろうと目論む――。

    いろいろドタバタ盛り上がった割りにラストがアッサリし過ぎて物足りないが、
    この締め括りが一番適切なのかも。
    後書きによると「ジレッタ」という名称はdilettanteから取ったと思って構わないが、
    実はあまり深い意味はなかったらしい。
    ともかく、1960年代末に、もうヴァーチャルリアリティを扱っていた先見性が凄い。

  • ラストの話のまとめ方は予想外。

  • バーチャルリアリティの世界「ジレッタ」とメディアの融合の恐ろしさを描いた作品。大人漫画的でラフな線画にかかわらず、幻覚や妄想の描きかたの迫力がすごいです。物語には直接関係するわけではないけれども、「人間ども集まれ!」で最悪の人間性を見せた元呼び屋の木座神明が、なぜか特別出演していますね(笑)。文庫本の筒井康隆の解説が面白い!

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

手塚治虫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×