海の向こうで戦争が始まる

著者 :
  • 講談社
3.27
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本棚登録 : 72
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061128507

感想・レビュー・書評

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  • 1977年6月24日 第一刷 再読
    脳内ポイズンベリー状態。
    現代のイヤミスとは攻め所が違うが、明確な表現で確実な不快感。
    海馬の向こうで戦争が始まりそう。

  • 表現の全てがグロテスクで、最初から最後まで徹底して不快感を押しつけられる。海の向こうの稜線に霞む町は混沌に満ちた狂気じみた世界という不気味な設定にはそれなりに想像力をくすぐられるが、何年後かにまた読み返したいとは思わない一作。かつて一度読んだのをおよそ25年ぶりに読み返してそう思った。

  • 19.4.8

  • これだけ読んでる人を不安にさせる本は上手くかけてるんだろうと思う
    視線の移り変わりがおもしろい、フィニーたちを媒介することでどこでの出来事を話しているのかがわかる
    あとがきも面白い

  • 見たものを書く。基本に忠実といえなくもない。これがデビュー二作目とは思えない作品。後半に一気にらしさが爆発する。描写を味わうとか喰らうとかそういう感じがする。小説らしい小説だなと思う。

  • 浜辺で優雅に過ごす一組の男女。
    特に何かがあるわけでもなく。
    だけど、海の向こう側では祭りという名の惨事(戦争)が始まろうとしている。対極の風景画。


    章立ても区切りも無く、唐突にいつの間にか別の話が始まるという、まるでマジックのような文章。気を抜いて読んでいると訳が分からなくなる。

    それでも圧倒的な世界観はただすごいなと。


    2015.12.3

  • 無害な陸?側と海の向こうの島の日常、祭の混乱、戦争光景が行間も開けず交互に語られる。後半の盛り上がりは一読の価値あり。

  • 82014.245

    想像力をかきたてられる。ストーリーがあると思っちゃいけない。活字によるドラッグ体験。


    ★廃番―――――――――――――――――――――――――――

    散る日本/坂口安吾

    82015.246

    27 前のやつより面白かった。全体には非常に、この人特有な強引さ。

  • 後半破壊力あり。

  • 初期の中編小説。すでに村上さんらしさが確立していると思います。
    詳細な記述、語りかけるような文体、終了間際のたたみかける感じが凄い。

  • 中学1年。偶然手に取ったこの本で原稿用紙10枚分の読書感想文を書いた。同級生はもとより、先生たちの誰もこの作品を知らなかった。ここには、まだ13歳で共感するには早すぎる世界が展開されている。<p>けだるい夏のビーチ、砂浜には日傘の下でペディキュアを塗る女、ぬるいビールを飲む男。そこには日常があるのに、目の前の海を隔てた向こう側では非日常的な戦争が始まろうとしている。「戦争」という単語からは想像できない雰囲気を持った作品であった。

  • 高校生の時この本を読んだ。そのあと町を歩いていていきなり八百屋のカドからこの小説の内容がいきなりフラッシュバックしたのを覚えている。そんな小説は後にも先にもこれだけだった。

  • 自分の読書観はここから始まっている

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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