- Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061149106
感想・レビュー・書評
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国語辞典のような分厚さ、ボリュームたっぷりの本。
この本に収録されている乾ルカさんの作品が読みたく、図書館でお取り寄せで借りたものの、肝心のそれがすでに読んだことのある作品だったので、他の作家さんの作品を読んでみたら、以下の作品が印象的だった。
見えない猫 / 黒崎緑さん
ペットシッターの主人公が、ペットロスの依頼主から存在していない猫の世話を依頼されることから始まる話。
ハートレス / 薬丸岳さん
ただ一人の子どもを交通事故で亡くしたことがきっかけでホームレスになった主人公の男性と、ホームレスの仲間うちでの事件の話。子どもを失った親の心情の描き方が実際的。
リターンズ / 山田深夜さん
三角関係の末、失恋し、上京しようとする主人公の青年が、高速バスで隣席に乗り合わせた不思議な能力を持つ青年?と出会う話。この本の中ではホッとする作品だった。結末が最高。
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いろんな人の話を読め、楽しい。
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法月倫太郎 しらみつぶしの時計
かっこいいじゃないですか。しびれるラスト。
それ以外は特に気にいるものなし。
あ、伊坂さんはやっぱり好きです。
連城三紀彦の文体がどうも好きになれない。恋文はすごく好きなのに…ミステリーはダメ。 -
この手の本を読んで、そこから好みの作家を見つけるのが好き。
今回は曽根圭介目当てで。
ボリュームたっぷり。 -
読まないと気がすまないとつねづね思っている本。
16人の作家の短編が収録されていて、厚さも6、7センチはある。総頁数といい内容といい、かなり読みごたえがあります。
既読もあったけれど、それぞれの特徴が出ていてやっぱりこの手の本ははずせません。2010年度版もすでに発行されていますが、焦らずゆっくりと読んで行きたいです。
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お気に入りのアンソロジー。今日は2009年版。
「熱帯夜(曽根圭介)」は非常によくできた作品。少ない登場人物で、説明をほとんど要しない背景の中で、抜群の切れ味を見せる。驚いたなぁ。
「渋い夢(田中啓文)」は、グランドピアノが消えてしまうというミステリーとしてはイマイチだが、ジャズの素晴らしさが前面に出てきてよかった。大御所の「しらみつぶしの時計(法月綸太郎)」はさすがにロジカル。しかもラストが渋い。切れ味といいう意味では本著最高だろう。
「第四象限の密室(沢本等)」は密室ファンには受けるかもしれないが、どう考えても切れ味が悪い。トリックのための筋書きという感じがぬぐえない。そして、ラストのどんでん返しは圧巻といえる「【ケモノ】(道尾秀介)」。この作家はいつも思うけれど、ラスト数行で必殺技を出してくる。素晴らしい。
「パラドックス実践(門井慶喜)」はデイベートでテレポートやサンタクロースやら出してくる。宅配便という回答がイマイチで乗り切れず。「検問(伊坂幸太郎)」は既読。「駈込み訴え(石持浅海)」は設定として面白い。テロ組織の一員がコンビニ・バイトをしながら国家の転覆を・・・。いやぁ、面白いなぁ。
「前世の因縁(沢村凛)」「身代金の奪い方(柄刀一)」はイマイチかな。しかし、アルバイトを通じて母の指輪を発見する「モドル(乾ルカ)」はいい味だ。
「見えない猫(黒崎緑)」は私が猫が嫌いだからか、面白くない。「ハートレス(薬丸岳)」はホームレスが主人公の異色作だが、展開もラストもとても素晴らしい。いい作品だなぁ。
「音の正体(折原一)」は途中で展開が読めるがひねりはあまりない。どんでん返しがあるにはあるが、返し方が唐突で惜しい。「リターンズ(山田深夜)」は、SF仕立てだがさっぱり面白くない。「夜の自画像(連城三紀彦)」に期待したけれど、最初から文体についていけずパス。
ってことで、なかなか良い作品がそろっており、新しく発見した作家さんもたくさんあったので満足だ。 -
近年のこのシリーズの中では一番粒ぞろいだったように思う。
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短編集。特に好きなのは、曽根圭介著『熱帯夜』と江刀一著『身代金の奪い方』。
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(収録作品)熱帯夜(曽根圭介)/渋い夢─永見緋太郎の事件簿(田中啓文)/しらみつぶしの時計(法月綸太郎)/第四象限の密室(澤本等)/〓(ケモノ)(道尾秀介)/パラドックス実践(門井慶喜)/検問(伊坂幸太郎)/駈込み訴え(石持浅海)/前世の因縁(沢村凛)/身代金の奪い方(柄刀一)/モドル(乾ルカ)/見えない猫(黒崎緑)/ハートレス(薬丸岳)/音の正体(折原一)/リターンズ(山田深夜)/夜の自画像(連城三紀彦)/推理小説・二〇〇八年(千街晶之)/推理小説関係受賞リスト
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検問 伊坂幸太郎