論語 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 173
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061154131

作品紹介・あらすじ

永遠の人生指南の書を碩学が自由な立場で解説。
従来の堅苦しい注釈とは全く異なる新しい解釈によって新地平を開いた画期的著作。

「あなたは、論語ときいただけで、とてもちかよりにくい、むずかしい本だというふうに、頭からきめてはいませんか。」
本書の冒頭で著者はそう語りかけます。「ところが、じっさいはそうではないのです」。
それまでの『論語』の注釈書は、孔子という、普通の人間ではない大聖人の言葉が載っている本、
凡人にはとても理解することのできない深遠な意味をたたえた本、
という先入観に基いて書かれていました。
しかし、『論語』とは、じつは七十余年の孔子の複雑な人生経験がにじみ出ている本なのです。ですから、実社会で生活し、世の中のことを豊かに経験している人にこそ、むしろよく理解できるはずなのです。
本書は、上記の引用文のように、とても平易な文字遣いで書かれています。
しかしそこには貝塚茂樹という碩学の経験と深い洞察が込められています。
永遠の人生指南の書に対していかなる偏見もなしに向きあい、
『論語』の解釈に新しい地平を開いた画期的な著作にして、まさに永遠の名著です。

感想・レビュー・書評

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  • 学校で習ったのとは違う解釈がなされていて、興味深かった。
    既に数回この本を読んでいるが、新たな発見や新たな感動がある。

  • 良書。
    古い本だ。活字本なのかな。文字のフォントが特にいい。思わずときめいてしまった。

    なつかしい。教科書に載っててレ点とか読まされて大変だったけど好きだった古典。
    巧言令色、鮮(すく)ないかな仁。(29ページ)

    温故知新について「子曰く、故きを温めて新しきを知る、以って師と為るべし」(47ページ)

    孔子先生が言われました。「煮詰めておいたスープを、もう一度暖め直して飲むように、過去の歴史、伝統を、もう一度考え直して、現代に生かす新しい意味を知る、そんなことができる人、それが師だよ」と。(48ページらへん)
    言葉は知っていたけどスープの件は知らなかったので感動した。
    カッコいい。

  • 京都大学で教鞭をとった貝塚茂樹氏の著。初版は1964年と古いが、氏の言葉の解釈は現代社会の世相や人のあり方などにも充分通じるものがある。論語の普遍性を改めて感じる。

  •  
    ── 貝塚 茂樹・訳《論語 19640816 講談社現代新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4061154133
     
    (20141226)
     

  • 読みやすい.でもすべての文が収まっているわけではないので,論語本体もちゃんと読みたい

  • 20140307読了
    1964年出版。漢文、現代語訳、解説が並び、分かりやすい。数千年昔の、現代の事情とはかけ離れた時代背景の中で語られている言葉なので、それを踏まえて解説されている。●「吾れ十有五にして学に志す…」「故きを温めて新しきを知る」「これを知る者はこれを好む者に如かず…」などなど、知ってるな~という言葉がちらほら出てくる。6世紀ごろから江戸時代まで「論語」が日本で道徳書だった名残は、今の自分にも息づいているのかも。

  • 論語の一部の原文•訓読分を解釈付きで纏められている。

    生きた時代も国も違う人間の言葉だけれど、尊ぶ事やら想いは似たようなものになるのだなと感じ入る。

    以下、印象に残った引用。

    子曰わく、君子は徳を懐い、小人は土を懐う。君子は刑を懐い、小人は恵を懐う。(p.81)

    =故郷を出て、世に出ることを志しなさい。

    子曰わく、位なきを患えず、立つ所以を患う。己を知る莫きを患えず、知らるべきを為すを求むるなり。(p.84)

    = 誰かに取り立ててもらえないことに腐るな、人に知られてないことを気にするな。人に知られるに値する実力をつける努力をしなさい。

    子曰わく、徳は孤ならず、必ず隣あり。(p.93)

    =徳を実行している時、自分だけでは?と孤独を感じがちになるが、必ず良き理解者が現れるはずである。

    子の曰わく、力足らざる者は中道にして廃す。今汝は畫(かぎ)れり。(p.124)

    =やる前から出来ないと言うな。始めから自分の力を諦めている人間にはなってはならない。

  • とても分かりやすい。自分が生まれる前に発行された本だが、ちっとも古くさくない。ただ、ちょっと中国礼賛的な部分が散見されるのでマイナス☆一つ。

  • (2013.08.19読了)(2011.01.19購入)
    副題「現代に生きる中国の知恵」
    『論語』は、教科書で読んだので読んだつもりでいたのですが、物語や随筆のなかで引用されているのを読んだぐらいで、まとめて読んだことはなかったようです。
    Eテレの「100分de名著」で取り上げられていたのでその放送テキストを読んだついでに、読んでしまうことにしました。
    とはいえ、この本も、『論語』の全文ではありません。著者が選んで中国古代史の知識を生かしながら、時代背景を考慮しながら解説しています。
    『論語』は、孔子が書いたわけではなくて、孔子が亡くなった後に、弟子たちが、孔子の言ったことを思い出しながら、収集してまとめたもののようです。
    「孔子言行録」といったところでしょうか。
    孔子は、国を治めるにはどうしたらいいのか、ということを考えていたのでしょうから、日本の江戸時代にもてはやされたことは、皆さん御存じのことと思います。
    読んでみると、どこかで聞いた事があるものもあるし、しらないものもあります。なるほどというのもあるけど、よく分からないものもあります。
    とりあえず、概要がつかめたというところです。

    【目次】
    まえがき
    はじめに 『論語』の読み方
    1 学而編 学問の勧め
    2 為政編 理想の政治
    3 八佾編 伝統の擁護
    4 里仁編 徳について
    5 公冶長編 聖賢の言行
    6 雍也編 幸福について
    7 述而編 教育について
    8 孔子の追憶
    9 孔子の政策論
    略年表
    関係地図
    索引

    ●『論語』(13頁)
    『論語』は、紀元前五五二年に生まれ、紀元前四七九年に死んだ中国の聖人孔子が、弟子たちとの間にかわした問答を記録した本です。
    ●人間観察(47頁)
    中国人は、他人のことばをすぐは信用しません。ことばよりも、その人の行動によって、その人の人がらを判断します。
    ●知るとは(53頁)
    たしかに自分の知っていることは、知っていると人にいってよろしい。自分のほんとうに知らないことは、知りませんと他人に答えないといけない。それが、ほんとうの知ることなのだよ。
    ●就職(84頁)
    地位が得られないことを気にかけるな。それにふさわしい実力をたくわえることに努力せよ。人に知られないのを気にするな。人に知られるに値することに努めよ。
    ●旅行(90頁)
    父母が生きていられる間は、遠方に旅行してはならない。行くときには必ず行く先を明らかにすることだ。
    ●志(113頁)
    孔子は、「年寄りのかたには安心され、友だちには信頼され、子供にはなつかれる、私はそんな人間になりたいと思う。」と答えられました。
    ●礼(135頁)
    学問を志す人間は、いろいろな文献を広く読んで、知識を広くするとともに、これを礼というものを中心として統一しなければいけない。
    ●遊ぶ(145頁)
    目的とか義務とかいうことでなく、無目的に学問・音楽・スポーツなどの世界に楽しみ遊ぶこと、それが人生の至上の幸福だと説いているのです。

    ☆関連図書(既読)
    「孔子『論語』」佐久協著、NHK出版、2011.05.01
    「中国の歴史(上)」貝塚茂樹著、岩波新書、1964.09.25
    「中国の歴史(中)」貝塚茂樹著、岩波新書、1969.04.20
    「中国の歴史(下)」貝塚茂樹著、岩波新書、1970.03.20
    「世界の歴史(1) 古代文明の発見」貝塚茂樹著、中公文庫、1974.11.10
    「中国古代再発見」貝塚茂樹著、日本放送出版協会、1978.10.01
    (2013年8月20日・記)
    内容紹介 amazon
    2000年以上もの間、人々に愛読され、東洋思想の根幹となってきた『論語』には、旧時代の思想として片づけられない永遠の輝きがある。平明・簡潔な文章で綴られた一句一句が、読む者の人生経験に応じてよみがえり、味わいつきない。自由な、新しい解釈を試みて、孔子の謙虚で親しみ深い人間像を浮き彫りにした本書は、まさに「温故知新」の書といえよう。

  • いろいろな論語本でも引用されている貝塚氏の本。1964年初版。内容は入門書に最適。書体が古めかしいのもいい。

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著者プロフィール

2022年4月現在
武蔵野大学教育学部・同大学院教授

「2023年 『総合的な学習の時間の新展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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