うその心理学 (講談社現代新書 36)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061154360

作品紹介・あらすじ

参考になる文献: 222-223p

感想・レビュー・書評

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  • 「うそ」について気になっていた。
    どこがどう、気になるのか、それが自分にもよくわからない。

    <うそと遊びの問題は、本論では詳しく述べませんでしたが、これはわたしのうそを理解する一つの哲学的な態度です。それはこの本の底に流れていると思います。>

    ぼくのアンテナに触れたのは「あとがき」のこの言葉である。「うそと遊び」それについて知りたいような気がする。

    でもそれは、「言葉にできない」ということなのだろう。
    ぼくが極めつけのアホだからか、濁されるような言い方をされると余計に気になる。気になって無闇に突きたがる。でもその態度は、「頂けないよ」ということなのだろう。

    「あとがき」にあった、ベルクソンを読んでみようと思う。それから小説を。

  • ウソに関するテスト

  •  人がうそをつくということはそもそも悪いことなのか、について心理学の立場を中心に考える本。うそにはどのような種類があり、どのような性質や力があるのか、どのような人がどのような場面でうそをつくのか、といった点を、事例を交えながら考察している。
     もう半世紀近く前に書かれた本で、例に関してはものすごく古く感じられるが、考察そのものに関しては特に古さを感じない。もちろん最近の心理学の成果は活かされていないのだろうけれども、防衛機制や性格検査など、心理学を勉強すれば誰でも習うような基本的な事柄も書かれており、勉強になる。実際に主題統覚検査(TAT)の例も付録として載っている。
     「あとがき」の、「ただ、このことだけはここに書いておきましょう。うそを追求して相手にうそをいっていたと告白させることだけはやめましょう。」(p.201)の部分が、唐突であるが印象的だった。結局、どんな人でもうそをつくし、つかされるし、つかなければならないものでもあるので、誰かのうそにも目くじらをたてず、おおらかに構えましょう、という、著者の人間の大きさ、というのを感じてしまうあとがきになっている。うそに関しては考えることは、自分も他人も含めて、人間に関する興味を尽きないものにさせる、奥深いことだと感じだ。(11/02/06)

  • [ 内容 ]
    「うそをつかない人間はいない」といわれる。
    つまり、人間であるためには、意識的にせよ無意識的にせよ、うそをつかなくてはならない場合が少なくないからである。
    しかも現代のような複雑な人間関係の中では、うそが潤滑油の働きさえすることもある。
    詩のような美しいうそもあれば、政治的な狡猾なうそもある。
    ユーモアにあふれる人間の機微をついたうそもある。
    うそという現象を、心理的に解明すればするほど、“人間とは何か”が、わかってくる。
    本書は、うそを悪いものとして考えるのでなく、うそを通して、人間の本質を追究した名著である。

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