アメリカ人―その文化と人間形成 (講談社現代新書 115)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061155152

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  • アメリカ人の国民性を考察した本です。M・ミードやD・リースマンといった古典的な論者の議論を参照し、アメリカのよき伝統とされているような精神のあり方を分析しています。ただし、1967年に刊行された本なので、時代遅れになってしまった箇所も多いかもしれません。

    アメリカへやってきた移民たちは、自分たちの生まれた国の社会・文化的な伝統を捨てて新大陸へ渡り、アメリカ人に「なった」。そのため、彼らは自分がアメリカ人「である」という意識を持っていない。このように著者は述べて、彼らは「ほんとうのアメリカ人」という幻影を求めて、みずからを「ほんとうのアメリカ人」に近づけるための模索を続けていくと論じています。

    また彼らは、子どもを育てるに当たって、自分が担っている文化的伝統を子どもたちに教えるのではないと述べられます。むしろ子どもたちを、自分が求めている「ほんとうのアメリカ人」に育てることが、彼らの目標です。ここに、過去の文化的伝統ではなく未来を志向するアメリカ人の国民性の基礎があるとされています。子どもたちも、親が担っている過去の伝統文化を学ぶのではなく、子どもたちの間で「ほんとうのアメリカ人」を求めて相互に学び合うのだとされています。

    巻末には「「国民性」の研究」と題された付論があり、文化人類学やフロイトの精神分析学の立場からの国民性の研究が登場してきたという状況について論じられています。

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著者プロフィール

加藤秀俊(かとう・ひでとし) 1930年東京生まれ。社会学博士。一橋大学(旧制)卒業。京都大学人文科学研究所助手、同教育学部助教授、学習院大学教授、放送大学教授、国立メディア開発センター所長、日本育英会会長などを歴任。現在、中部大学学術顧問、世界科学芸術アカデミー会員。 著書に、『加藤秀俊著作集』全12巻、『メディアの発生』『メディアの展開』(中央公論新社)など多数。

「2016年 『加藤秀俊社会学選集 下巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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