聖書の読み方 (講談社現代新書)

  • 講談社 (1971年1月1日発売)
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本 ・本 (181ページ) / ISBN・EAN: 9784061156661

感想・レビュー・書評

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  • イエスがわかりやすいたとえ話をされた、と書いてる本は多々あるが、イエスのことをそのようにわかりやすいたとえをもって話そうとする人は少ない。というか初めて見た。イエスは連帯保証人である。新約聖書と旧約聖書の関係はお札とすかし模様との関係に似ている、等々。

    しかし、だからといってこの本が容易なわけではなく、むしろ、難解ですらある。それはこの本が非キリスト教徒にとって一番理解しがたい「信仰」について書かれたものだから。

    たとえば奇跡。起こったとされる不可思議な現象を理解することは信仰とは言えない。たとえば処女(パルテノス)ではなくローマ兵(パンテラ)の子であるとか、明日科学的な新発見があって処女受胎は余裕でありうるとなったとか、そういうんじゃ駄目。
    そういった理解の範囲内ではなく、あくまで不可能的な不可思議な現象をそのまま、字義通りに起こったとして受け入れなければならない。え?なんでそんなことしなくちゃなんねーの?っつったら、奇跡の本質的な意味を受け入れるためらしい。わからん。

    『処女降誕は「異象」としてではなく、あくまで奇跡として受けとられねばならない。奇跡は「見る」ことのできる現象ではなく、現象の背後にある本質である。信仰とは、奇跡の本質的な意味を受けいれることである。それでは、信仰が受けいれるイエス・キリストの本質的な意味はどのようなことであろうか。それは、私たち人間に対するイエス・キリストの愛にほかならない」

    魂のステージというか、一歩進めた、全人格的な理解として、そういった信仰という態度が必要なのかなーって気がしないでもないけど、どっちかってーと、黒か白か、1か0かで言うならば、わからん。うん、わからん。そういった意味でこの本は難解である。わかりやすく書こうとする気持ちは伝わってくる。伝わってはくるのだが、信仰という態度が、あまりにも常識的な態度から、かけ離れているがために理解することが難しい。
    時間を経てからまた読みたい。

  • [ 内容 ]
    聖書を意味する「バイブル」は、かつて「本」を意味する言葉であった。
    人間と世界の根源に迫る聖書こそが、もっとも読まれるべき「本」だからであろう。
    本書は、その聖書の中にかくされた深い意味を発見するための「カギ」明らかにする。
    処女懐胎、キリストの復活、律法と福音のせめぎあい……。
    それらの真の意味を知ったとき、読者は、聖書の魅力を再認識するにちがいない。

    [ 目次 ]


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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 出版社/著者からの内容紹介
    聖書を意味する「バイブル」は、かつて「本」を意味する言葉であった。人間と世界の根源に迫る聖書こそが、もっとも読まれるべき「本」だからであろう。本書は、その聖書の中にかくされた深い意味を発見するための「カギ」明らかにする。処女懐胎、キリストの復活、律法と福音のせめぎあい……。それらの真の意味を知ったとき、読者は、聖書の魅力を再認識するにちがいない。

    イエス・キリストが救いぬしであるということは、罪びとの現状を変革するという結果を伴うような道において、罪びとと連帯するということである。キリストは、罪びとの責任を負って十字架の刑罰をうけ、罪びとをその刑罰から救い出す。それは完全な救いであって、人間のがわでのいかなる条件をも要求しない。無条件の救いである。しかし、そのキリストは本来的に罪びとであるのではなく、罪から超越した聖なる存在であるままで、罪びとと連帯するのである。罪を背負ったすべての人間とキリストとの関係は、超越と連帯の関係である。キリストが、処女マリアから生まれたとする処女降誕の中には、キリストと人間のこの関係を示すメッセージがかくされている。――本書より

    『聖書の読み方』によせて――京都大学名誉教授 武藤一雄
    聖書とは人類にとって、いかなる書物であるか?本書は、日本人の心の奥底に透徹するような「聖書の読み方」を、きわめて根源的、具体的な形で提示することによって、聖書が、人類にとって比類なく高く、深く、かつ普遍的な書物であることを明らかにする。「北森神学」の新しい展開がここにある。日ごろ、聖書に親しんでいる人々はもちろん、聖書を読んだことのない人々にぜひ一読をおすすめする。

    著者紹介
    1916年熊本県に生まれる。京都大学文学部卒業後、日本キリスト教神学専門学校助教授を経て、現在東京神学大学名誉教授。キリスト教の研究著作に幅広い活躍を続け、主要著書に、『神の痛みの神学』――英訳THEOLOGY OF THE PAIN OF GOD, JOHN KNOX PRESS.ドイツ語訳THEOLOGIE DES SCHMERZES GOTTES. VANDENHOECK u.RUPRECHT.――がある。

    目次
    まえがき
    Ⅰ―聖書をどう読むか
     1 新幹線から各駅停車へ
     2 すかし模様としてのメッセージ
     3 奇跡と異象
    Ⅱ―聖書そのものへ
     ケイス・スタディ
     1 詩篇第一〇五篇―破壊をとうしての守護
     2 詩篇第一〇七篇―深い所で  
     3 詩篇第七八篇―「狂った弓」としての原罪 
     4 詩篇第一〇六篇―破れ口に立つ 
     5 創世記
     6 士師記
     7 イザヤ書
     8 ヨハネによる福音書
     9 マタイによる福音書
     10 コリント人への第一の手紙
     11 ガラテヤ人への手紙
     12 ヘブル人への手紙
     13 ヨハネの第一の手紙
     終りに―仏の「悲」と神の「痛み」

  • 律法と福音、処女降誕、キリストの復活……。これらの真の意味は何か。初心者にもわかりやすく解説。

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