- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061157989
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読書録「ノアの大洪水」4
著者 金子史郎
出版 講談社
P198より引用
“大洪水というものは、古老の語り伝えるよ
うに、何十年かに一度はおこるもの、という
ことも忘れられている。”
目次から抜粋引用
“「ノアの大洪水」とその時代
「ノアの大洪水」はあったのか
ヨーロッパをおおった氷河
水没した大地と島々
せまりくる「ノアの大洪水」”
理学博士である著者による、世界中の伝説
に見られる大洪水について著した一冊。
シュメールの粘土板に書かれた記録につい
てから現代の洪水への警鐘まで、歴史や地質
学的な研究を元に書かれています。
上記の引用は、現代の人びとが作り出して
いる洪水の原因について書かれた項での一文。
災害に備えて治水工事をするだけではなく、
生き方についての見直しも考えなければなら
ないのかもしれませんね。
自分たちの子どもや孫の事を考えるのなら、
今を気楽に過ごすということを諦める、とい
う選択肢も頭の隅において置かなければいけ
ないのではないでしょうか。実際に出来るか
どうかは別として。難しいことかもしれませ
んが。
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世界の洪水伝説をもとに、陸地と水際のせめぎ合いの構図を、地質学敵に解き明かす。表題のノアの大洪水は、最初と最後に登場するのみで、宗教的な解釈はほぼ皆無だか、この有名な大洪水に相似する伝説は、世界各地に伝わるようで、どれも選ばれ生き延びた者が、世界再生の礎になる。洪水というと、豪雨と河川の氾濫を思い浮かべるが、必ずしもそうではなく、氷河解氷や海面上昇が、伝説化されたものもあるという(本書では触れていないが、津波の場合もあったであろう)。1975年の本なので、地質学や地球上物理学の話題が、ちょっと陳腐化しており、プレートテクトニクスが出てこない事に違和感を覚えた。
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気象学、地形学からみた世界の大洪水と古代都市(集落)。