日本人の言語表現 (講談社現代新書 410)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061158108

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  • 著者は博覧強記で、本書は、引用が非常に多い。ほぼ、7割が引用といってもいいくらい。謡曲からCMにいたるまで数多く例示して、日本人の言語表現、言語感覚について分類わけしている。言語表現から日本人の性質、文化の特徴を炙り出そうとしているようにも見える。あまりに多くのことが詰め込まれすぎていて、雑学本的で、ごった煮のような印象がのこる。これも、新書の宿命か?

  • ≪内容≫
    「日本語」の著者である金田一春彦が、日本語の表現に焦点を当て、そこから日本人の心性を明らかにしていく。

    ≪感想≫
    万葉集から現代の謡曲・CMまで、豊富な事例の中から日本人の精神性を考察していく一冊。名著「日本語」が日本語のラングについて詳細に記述したものであるとすれば、本書は日本語のパロールの性格を様々な例を用いて考察している。徹頭徹尾とにかく引用が多く、著者の博覧多識っぷりには驚くばかりである。
    初版が昭和50年とわりかし古めの本ではあるが、この30数年で日本人像にどのような変化が起こってきているのかを、この本を参考にして言語表現の面から考えていくというのも面白いかもしれない。たとえば、本書で触れられている「いうな、語るな」や「結末をにごす」といった言語表現は国際社会においては必ずしも歓迎されるものではない。その中でもこういった言語表現が日本特有の美徳として残っていくのか、それとも国際競争力の難として批判され消えていくのか。本書のあとがきで「心血を注いできた言語教育の効果がゼロに近かったことを知り打ちのめされた」と書いてあったが、その変化がよかれ悪かれ、言語表現の中から日本人の特色を探し出すという試みは大事なことのように思う。

  • [ 内容 ]
    日本語は微妙なニュアンスと深い陰影に富んでいる。
    さらに日本人特有の話し方、書き方が、日本語をいっそう複雑で、むずかしいものにしている。
    本書は、古典から現代の歌謡曲、CMまで幅広い材料を豊富にひきながら、ことばの奥底にひそむ心理を明らかにしていく。
    著者ならではの鋭い指摘、軽妙で、エスプリにみちた文章、ことばに対する暖かい眼はものの見方、文化の特質まで射程におさめる。

    [ 目次 ]


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著者プロフィール

大正2年、言語学者金田一京助の長男として東京に生まれる。昭和12年、東京帝国大学国文科を卒業。専攻は国語学。名古屋大学で助教授、東京外国語大学、上智大学で教授を歴任。東京芸術大学、ハワイ大学、在中国日本語研修センター(北京)、NHKアナウンサー養成所などで講師、玉川学園客員教授なども務め、日本ペンクラブ理事なども兼任した。著書に、『日本語』『ことばの歳時記』など多数。なかでも教科書や辞書『現代新国語辞典』他の編纂で多くの人に親しまれた日本語研究の第一人者。平成9年文化功労者に選ばれる。平成16年5月没。

「2016年 『美しい日本語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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