知的生活の方法 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1543
レビュー : 179
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061158368

作品紹介・あらすじ

知的生活とは、頭の回転を活発にし、オリジナルな発想を楽しむ生活である。日常生活のさわがしさのなかで、自分の時間をつくり、データを整理し、それをオリジナルな発想に結びつけてゆくには、どんな方法が可能か? 読書の技術、カードの使い方、書斎の整え方、散歩の効用、通勤時間の利用法、ワインの飲み方、そして結婚生活……。本書には、さまざまなヒントとアイデアが、著書自身の体験を通して、ふんだんに示されている。


累計部数118万部超!! 講談社現代新書史上最大のベストセラー!!

「この本で私が意図したことは、本を読んだり物を書いたりする時間が生活の中に
大きな比重を占める人たちに、いくらかでも参考になることをのべることであった。
私は読書論とか学者の伝記を読むのが好きである。そして『なるほど』と思われたことは
自分でも工夫してみた。真似してよかったものもあるし、真似しきれなかったものもある。
(中略)そんなことを体験に即してのべてみたいと思った。(中略)
知的性格についての本が、現代の読者のためにも必要なのではないか、と思ったのは、
二十数年前に読んだハマトンの『知的生活』を数年前によみかえし、去年と今年また読みかえして非常な啓発を受けたからである。
上智大学の若い同僚たちや、大学院の学生たちにもすすめたところ、この人たちも非常な感銘を受けたようであった。
確かに知的生活に対する具体的なアドヴァイスが現代でも求められているのである」 はじめにより

日常生活の中で、頭の回転を活発にし、オリジナルな発想を楽しむ。それが「知的生活」
改めて2010年代に生きる私たちに本当にたいせつな生活スタイルです。


時間に追われる現代人が、頭を活性化し、ユニークな発想を生み出すにはどうすればよいのか? 
パソコン・スマホが普及するはるか以前、1976年に発行された本書ですが、そこには依然として「使える」ヒントが満載です。
多忙な日々でいかに自分の時間を作り、データを入手・整理し、それをオリジナルな発想にまで高めて行くのか──。
むしろ本書が提示するさまざまなヒントは、情報氾濫の時代である現代にこそ、ますます有効なものになっています。
ビジネスにも、またプライヴェートの充実のためにも必読の、現代人のための永遠のロングセラーです。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。人生の楽しみは読書ができる環境があれば充分だと思う。

  • この本は1976年に発売されている。
    私は、1982年頃の大学生の時に読んだと思う。
    で、将来は、自分も知的生活に入るということを、本気度はともかく、一つの目標にしたものだ。

    で、時は流れて38年後の今、理想とは随分と違うようで、本に囲まれた生活になどなっていない。
    本はほぼ図書館から借りて読み、時々買った本はブックオフに持っていく。

    しかし、ブクログがあり、きちんと登録すれば、読んだ本はすぐに出てくるので、38年前には想像もできないような便利なツールが今はある。
    感謝、感謝、大感謝!

    まあ、今後も出来るだけ、読書は続けていきたいものである。

  • お金がなくても本を買おう、時間がなくてもやりくりして本を読もう。そういう基本的スタンスは、この本に影響されて身についたものだと思います。今の自分をかたちづくっている、自分にとって意味のある本のひとつです。(1997年頃読了)
    【以下2018年5月26日追記】
    ふと、本棚から取り出してペラペラめくってみました。ああ、なつかしい。
    この本でカードシステムということを知って、大学時代、必死にカードを作ったものです。ただ、途中からカードを作ることが目的化してしまい、結局研究はものになりませんでした。なんのためにカードを使って研究するのか、考えが浅はかでした。
    そのことに対する自戒として一文引用します。「いいことをしている気になっているのだから、時間を浪費しているという反省がない」(162ページ)。
    これは、今の自分にも当てはまります。仕事でも日々の読書でも、一見役に立ちそうに見えて、実は時間の浪費に過ぎないことに注力することはよくあることで、すこし視点をずらして冷静に考えたら気づけるはずなんですが、有益なことを一生懸命しているという気分になってたら、なかなか気づけないんですよね。
    逆に、時間の浪費に見えるけど、実は有益だということもあります。たとえば、哲学の原典を通読すること(ま、最近私は翻訳で読んでますが…)。哲学事典や解説書で十分なように感じられますし、なんなら、ネットの要約などを見たら内容はモノの数分で把握できてしまいます。なのに、数週間、下手すれば1か月以上も時間をかけて小難しい文章を読む。これは本当に価値があることなんです。このことをどう表現したら他人に伝えられるかよくわからないのですが。
    今回、久々にぺらぺらめくってみて、知的生活を充実させるにあたっての時間の使い方がいろいろ気になりました。


  • 渡部昇一さんの考え方が好きで憧れを持って読んでみた。知的生活を行うための態度として特徴的と感じたのは「分からないことを恐れないこと」と「静かなる持続」の2点だった。

    簡単に言えば、僕らは「勉強」をする時にその成果に対してせっかちになりすぎているのかもしれないな。と本書を読んでいて気付かされた。
    結果は後からついてくると信じて、知に大きく投資する勇気を持とう。

  •  本書はいわゆるHow to本といったたぐいのものではありません。どちらかというと、知的生活のための姿勢や考え方を説いた書というべきでしょうか。
     とにかく著者の妥協を許さない姿勢に圧倒されます。読み進めるたびに「ああ、自分は己に甘かったなぁ・・・」と反省することしきりであったとともに、勉学に対するモチベーションが一段と高まりました。

     「1.自分をごまかさない精神」では、わかったふりをせず、わかるまで突き詰めることの重要性を説いています。
     「2.古典をつくる」では、繰り返し読むこと。それを通して本物を見極める眼力が身に付き、手元にも本物だけが残っていくことが述べられます。
     「3.本を買う意味」では、身銭を削って本を買うこと、どんなに貧乏であっても本を買い、読み続けることの大切さを、実体験などを引用して説明してくれます。
     「4.知的空間と情報整理」は、本書には珍しい情報整理のHow to説明です。カードシステムを用いた情報整理法にとどまらず、知的生活を送るための家の間取りを、設計図(間取り図)までつけて説明しています。
     「5.知的生活と時間」、「6.知的生活の形而下学」では、日々の生活上の工夫や人との交歓や食について説明しています。知的生活を送るうえで好ましい食材・料理を取り上げる中で、カントの食べた献立なども紹介されておりユニーク。

     印象深いのは「1.自分をごまかさない精神」において、「本当にわかる」ことの体験談を述べている下りです。

    「・・・しかし一生を外国語にかけた男として、そのような状態には決して満足したわけではなかった。私の頭からは少年のころに、あのようにぞくぞくする気持ちで読んだ『三国志』や少年講談や捕物帳のことが去らなかった。
    ・・・「私の英語は本物ではない」という不全感は常に去らなかった。
    ・・・どうしてもその不全感に耐えかね、断固とした手段をとることにした。つまり留学のし直しである。」

     留学することの是非はさておき、その徹底ぶりはやはりすごい。

     そして、留学先で外語小説を本当に「わかった」時の描写、

    「(『マジョリー・モーニングスター』を読み始めたところ)引き入れられるように面白い。そして終わりに近づいてきたら、がくがくと身震いがしてきて、読み続けることができなくなった。
    ・・・私は心を落ち着けるために風呂に入った。そして残りの4ページ半を読んで、この記念すべき小説を読了した。これは私にとってまさに記念すべき夜であった。
    ・・・それを子供のころに少年講談や『三国志』を読んだ時のような興奮で読み終えることができたのだ。ついに英語についての私の不全感は吹き飛んだのだ。私は踊り狂いたいような気になった。」

     これが「わかる」ということなのだ!といわんばかりの描写です。自分がこのような興奮をもって読了した経験が果たしてどれだけあったことか・・・。
     このような興奮をもたらす作品に出会うまで、著者は本を読み漁ります。それほど熱意を持って臨まねば本物には出会えないが、出会うことができたならば、これに勝る幸はないことを教えてくれるエピソードです。

  • ちょっと古めだが、学者や知的探求者を目指す人々に対するアドバイスをまとめた本。携帯もインターネットも存在しない年代の本なので、(おそらく)我々が最も時間を奪われるであろう、インターネット関連の話が語られていないのは誠に残念だが、基本的な思想は今現在まで通用するものだと思う。
     特に、知的探求者たるもの本を絶えず買うべきという姿勢は感銘を受けた。また、本棚に並べられている本は絶えず新陳代謝されるべきで、そうでなければ知的成長は見られない、という主張には、個人的に新しく感じるものがあった。もちろん、本を読んでいない人がいくら本を集めても無駄だとは思うが、その人の本棚を見れば、その人の思考や人格もなんとなく透けて見える時があるので、その主張は面白い。
     
     一読しておくには、面白い本である。ただし古い。

  • 知的たることについて、心情の在り方からかなり具体的な生活方法まで、書かれている。

    「男も女も、十全なる知的活動を維持するには、結婚しても軽々に子供をつくるべきではない」「「わからない」に耐える」「「ほんとうにわかることを重んずる」という、本来はけっこうな心構えは、時には、「わかることを怖れる」というノイローゼ的な段階に至りやすいものである」「一つのセンスにコミットする」「知的な努力を(いったん)やめて、しばらく無努力の状態にもどることである。長期にわたって知的生活を送ることに成功した人は、本能的に健全な退行、つまりコウスティングをしている」「もし、論文を読み論文を書く人で、しかも都会に住んでいる人で、かつ低血圧型の人ならば、夜型の方が良い」「時は金なりではなく、金は時なり」「夫婦の専門が同じであれば、夫より妻がすぐれていることがはっきりする場合は、危険が生ずる」

    時代も古いし、説教臭いところも多々あってなかなか受け入れがたいように思われるが、それでもなお読ませるのは、筆者の体験に基づく、身の丈にあった話のみを語っているからだろう。試しにいっちょ実践してみるか、と読者に素朴に思わせる。

    ところで、この本は神保町で200円で購入したものであるが、昔の知識人による名言が書かれれた古いしおりが、たまたま挟まっていた。「ある書物が楽しくよめる条件として、その書物は、あなたに対してなんらかの直接的意味をもっていなければならない」。イギリスの作家サモセット・モームによる言葉である。この本によく似合う一言であった。

  • 読んでると明らかに時代が古いのに今に繋がってて面白い。
    著者が英語の小説が面白いと読めるようになるまでの過程とか、すごいなと思った。
    食費を削って本を買う、学生あるある。
    本に関して買うことよりも収納場所に悩むのはいつの時代も変わらないんだなとか。
    まあ私は買ってしまって後で困るタイプのお馬鹿さんだったけど。
    田舎に送りすぎて床が抜けるところまでがワンセットですよね。
    あと、卒論書く時に教授に京大式カード作らされたけど元ネタはこれか! って発見が。
    教授、当時この本教えてくれてれば読んだのにと思ったり思わなかったり。
    あと理想の家の本棚に関しての延々とした語りとか、夜型朝型に関してだとか食事に結婚などなど知的生活を送る上で重要そうな事柄に関してもその当時の時代背景に合わせて色々かいてある。
    この本好きだわ。

  • この本は、梅田望夫さんの「Web時代を行く」という本で取り上げられていて、気になったので読んでみた。

    本当に面白いと思えるものを見つけること、そして見つけたものに対して継続的に活動や努力をし続けることが知的生活の根本的な考え方かなと。
    好きなことを見つけたら、余暇のほとんどの時間をそのことに費やしても苦にならないし、モチベーションも維持できるというものだろう。

    知的生活には、絶えず本を買い続けることや、知的正直(わからないのに、わかったふりをしない)であることの重要性が書かれている。

    後半は、ワイン、散歩、クーラー等の効用が書かれていて、さらっと面白い。
    また、知的生活には、家族との付き合いや結婚にも慎重であるべきというような記述や、本の置き場所が重要だから書斎や書庫、部屋が載った家の設計図まで載ってて、どこまで!?という感じもするが、そこは著者の情熱なのかなと。
    なかなかよい本でした。

  • 知的な喜びの源泉は、自己に忠実であって、不全感をごまかさないことを感じてのみ与えられる。分からないものをわかったふりをするはせずに、面白くないものを面白いというふりをしない。

    面白くない本を無理して読んでも、読後に何にも残らないのは確か。知的向上を図るためには、自己に忠実であるべき。



    自分の古典を見つけるというのも、新たな知的発見が可能となる。早速、2-3年前に読んだ本の読み返しを行おうと思う。

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著者プロフィール



「2006年 『人生後半に読むべき本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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