俳句のたのしさ (講談社現代新書 440)

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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061158405

感想・レビュー・書評

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  • 金子兜太の本が並んでゐた辺りを見回してたらこの一冊も並んでゐた。ハウツー本はどうしても苦手で、俳句はかう書くものだ季語はかうだといつた書き方しかないやうなら、途端に嫌悪したことだらう。歳時記にあるから季語なのだといふのは俳句からかけ離れてゐるのでは。そんなことを考へて居た。この一冊もさういつたものだつたらきつと本棚にそのまま戻したに違ひない。
    読んでゐたら、俳句の中に流れる感動、時間の流れをいかに捉へるか、発見の喜びにあふれてゐるのかといふことを強く教えられた。何を見つけ、そこに何を見たのか。そこに流れる時間の存在。一瞬の跡には崩れてなくなつてしまうであらうものをことばといふ動かぬものにとどめる。
    季語とは確かに使用された例の集積からなる辞書的なものかもしれないが、それ以上に、時間の流れと確固たる停止との微妙な間で揺れ動くことばだ。そのことを季節感としてみつけたひとの感動の塊であつたのだ。
    それも、ただことばを並べたのではいけない。俳句において心の動きは、音として口に出されることで伝はる。書いてみるといふのもあるだらう。いづれにしても、何らかのリズムがなければ心の動きは伝はらない。口にだし、あるひは実際に書いてみて、味はふことなければ限られた最小限の表現の中で心の動きを起こすことはできない。その時初めて字余りやことばの運びといふことが生まれてくる。
    山口誓子のお弟子さんであるから、山口誓子の句が多いのはやむを得ないが、それでも豊富な例により、俳句の閉じこめた表現を味はひ直すことができる。
    かうした表現の中にあるものを知つてから、もう一度自分の書いたものを眺めると、無駄の多い、感動のない句であるかがわかる。

  • 俳句の要素をわかりやすく並べて構成している。筆者の説明が面白いかというと、そうではないが、視点は筋が通っている。
    俳句はカメラのようなもの、と自分が考えていたことも書いてあり共感。

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著者プロフィール

昭和5年10月5日、山形県生まれ。山口誓子・秋元不死男に師事。同53年「狩」創刊、主宰。
毎日俳壇・NHK全国俳句大会などの俳句選者。公益社団法人俳人協会会長、公益社団法人日本文藝家協会常務理事、日本現代詩歌文学館振興会常任理事、国際俳句交流協会顧問。
句集『誕生』(俳人協会賞)・『平遠』(芸術選奨文部大臣新人賞)・『十三星』『翼灯集』(毎日芸術賞)・『十五峯』(蛇笏賞・詩歌文学館賞)のほか、評論集、随筆集、入門書など著書多数。

「2017年 『鷹羽狩行俳句集成』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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