風の歌を聴け

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  • 講談社
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レビュー : 127
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061163676

感想・レビュー・書評

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  • 私の村上デビュー本。近々再読予定。

  • 大学の夏休みで故郷の街に帰省している「僕」は、ジェイズ・バーの洗面所の床に転がっていた女性を彼女の自宅まで運ぶ。彼女は僕を警戒していたようだったけど、だんだんと距離が縮まる。彼女はレコード屋の店員で左手が4本指だった。小さいころの事故で小指がない。

    飲み友達の鼠は何かに苛立ち、迷い、焦っているようだ。
    「僕」は過去にとらわれている。少年時代のことや初めて女の子と初めてデートした時のこと。今までに寝た三人の女性。三人目の女性が自殺したこと。
    4本指の女性は旅行に行くと嘘をついて妊娠した子どもを堕ろしていた。

    大学の授業が始まるから「僕」は東京に戻る。
    鼠は街で小説を書く。4本指の女性とはそれきり会うことはなかった。
    レコードが「僕」と鼠、4本指の女性を繋いでいたのかもしれない。

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    この本を初めて読んだのは高校三年の冬。
    大学に進学できると思っていなかった自分はろくでもない態度で授業を受け続け、ろくでもない成績を残していた。高校三年の秋ごろに自分の意思とは関係のないところで進学できることに決まったが、本当にろくでもない成績だったので、部活の実績を利用して推薦で進学することになった。
    推薦とはいってもセンター試験は受けなければいけない、とかよくわからない事情でとりあえずセンター試験を受けることになったが、ろくでもない結果になることは目に見えていた。
    だから試験の始まる前、試験と試験のあいだの時間なんかずっとに『風の歌を聴け』を読んでいた。そういうのがかっこいいと思い込む時期が誰にでもある。
    だが、その時期を過ぎてしまえば当時の感情はもう捉えられない。なんでセンター試験会場にわざわざ村上春樹の文庫本を持っていたのか自分でも理解できない。

    あれから10年以上経って、いわゆる鼠三部作と呼ばれる、三作品を読み直してみた。
    当たり前のようにビールをたくさん飲んで、時には飲酒運転すらする「僕」や鼠。そして何人かのガールフレンドたち。
    いつでも「僕」は現在ではなく過去を見ているようだったし、鼠は自分の親が金持ちであることに後ろめたさのような感情と形にできない自立心みたいな思いで苦しんでいた。

    十代後半から三十歳までの期間のことを「僕」は何度も思い出す。鼠やジェイ、女の子たちのこと。
    ずっと失われた過去にこだわって生きていく「僕」は何のために生きているんだろう。よくわからないけど、死んでしまった友人、ガールフレンドのために生きているような気がする。

    自分も三十代に入り、知り合いが亡くなるということを何度か経験してきた。死んでしまったり、もう二度と会えなくなってしまったりして、誰かを失うということにいつまでも敏感でいたい。そういった痛みをいつまでも忘れないでいたい。
    生きることは失ったものや時間、大切な人を思い出し続けるということだと思う。

  • 何が言いたいのか、さっぱりわからなかった。モヤモヤが残っただけで何も感じなかった。村上春樹難しい。

  • 再読。レシートが挟んであった。初めて読んだのは1999年。どんな気持ちで読んだか全然覚えてない。

  • 2016・2・11読了。

  • 『職業としての小説家』の中に、このデビュー作ができあがるまでの格闘が描かれていてたので、興味深く再読した。

    一から書き直したというこの文体を「開発」したところから、村上春樹という作家は始まっているんだなぁ。

  • 2015/08/06 読了

  • 初めて村上春樹の作品読んだ。読まず嫌い良くない。わかるようでわからなかったけど、ふわっと掴めるものはあった。言葉が自然と入ってくる感じ。時間かけずにすぐ読めたし、なかなか面白かった。

  • ダンスダンスダンスから遡ってここまで来る。

    当時を斜に構えたスカした洋書のように描いてるけど
    逆にこの時代だからこそのアナログ感が良かった。

    僕と鼠のはじまり。

  •  象について何かが書けたとしても、象使いについては何も書けないかもしれない。おかげで他人から何度となく手痛い打撃を受け、欺かれ、誤解されてきた僕はじっと口を閉ざし、何も語らなかった。生きることは困難なのに、それを意味づけることは少し気を利かせさえすればあまりにも簡単だったので、一週間ばかり口もきけないほど驚いた。今、僕は語ろうと思う。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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