- Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061163676
作品紹介・あらすじ
群像新人文学賞受賞
1970年夏、あの日の風は、ものうく、ほろ苦く通りすぎていった。僕たちの夢は、もう戻りはしない──。青春の生のかけらを、乾いた都会的な感覚で捉えた、新鋭、爽やかなデビュー!
この新人の作品は、近来の収穫である。これまでわが国の若者の文学では、「20歳(とか、17歳)の周囲」というような作品がたびたび書かれてきたが、そのようなものとして読んでみれば、出色である。乾いた軽快な感じの底に、内面に向ける眼があり、主人公はそういう眼をすぐに外にむけてノンシャランな態度を取ってみせる。そこのところを厭味にならずに伝えているのは、したたかな芸である。しかし、ただ芸だけではなく、そこには作者の芯のある人間性も加わってきているようにおもえる。そこを私は評価する。──吉行淳之介
感想・レビュー・書評
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村上春樹のデビュー作ですが、最初から春樹の世界観が出来上がっていて、とてもオシャレで、とてもポップでした。最初のページから春樹のオシャレな表現に呑まれました。
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出来事の情景が事細かく書かれていて、シーンを想像するのに疲れるくらいだった。
変わった登場人物たちに、終始どこかひっかかりながらも惹きつけられ、不思議な気持ちにさせられた。
ラジオを聞いた後に同級生の所在を探すシーンで、
『最後の一人は何故だかはわからないが僕に向かって、お前となんかは口も聞きたくない、と言って電話を切った。』
というところが、すごく人となりを表している感じがして面白くて好きだった。 -
完全に理解しきることは難しいけど、ほわっと涙腺が刺激されるような感覚になった。
思っていることの半分しか喋らないようにしたら、数年後、本当に思っていることの半分しか喋らない人間になっていた、という一文がよかった。
8月に読むのがちょうどいい。 -
鼠との物語はここから始まったのか。
わたしは何も知らず、羊をめぐる冒険から読み始めていた。 -
村上春樹デビュー作。僕と鼠と過ぎ去る夏。
世界観と僕や鼠の言葉が好きです。
夏の淀んだ空気や草の匂い、捉えることはできないけれどそこにある。この物語も気持ちや言葉で捉えることはできないけれど確かにある。
次は長編を読みたいです。 -
全体を通しての理解には苦しんだが、ところどころに言葉の重さや村上春樹らしさが垣間見ることができた。
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すごくテンポよく読めちゃったんだけど考察とか読んでたらなんだかすごい作品を読んだ気がしてきた
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スローペース/疾走感、熱気/清涼感、本来対立する概念が同時にある感じ。
文章は、軽やかで読みやすい。
爽やかな読後感。 -
高校生の時に国語の先生に勧められて読みました。
再読。世界観がやっぱりなんていうか好きか嫌いか分かれるのかな。 -
ビールとピーナッツとつまらない夏が揃った時に読んで欲しい