1973年のピンボール

著者 :
  • 講談社
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061168626

感想・レビュー・書評

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  • もう何度読んだことだろう。

    それでも何だかやっぱりいい。
    ストーリーとか、ではなくこの文体やリズム、空気感とかが好きだ。

    中でもピンボールの(彼女)との親密さが、温かくもあり、切なくもあり、悲しくもあり。

  • 村上春樹の初期三部作の一つ。
    学生運動バリバリでもなく、シラケまっしぐらでもない、自分のアイデンティティを模索していく70年代の若者像というやつなんだろうか。
    あっさり読めるけど、読んだあとに何かモヤッとする。不思議な本。

  • 「好きな作家は?」と聞かれたら、
    村上春樹の名前を必ず挙げる私だけど・・・。
    何かの本に「好きな作家というなら、全ての著書に目を通してから言え」みたなこと、書いてあったっけ。
    そういえば、私は村上春樹の初期の作品に全然目を通していないな、と思い至って、手に取ってみたのが、この本。

    何の予備知識もなく読み始めたけど・・・
    うーーん、難しかった!!
    「難しい」って、どの村上作品もたやすく読み解けるってことはないかもしれないけど、
    何て言うのかな、
    字面をつらつらっと読んでいっても、むくむく立ち上がってくるものがない、
    よーく咀嚼しながら読まないと内容が入ってこない、という感じ。
    初期の作品だから特にそう感じるのかな、と思った。

    作品の冒頭に「直子」の文字が出てきてビックリ!
    これは『ノルウェイの森』と世界観を共有しているのかな?と思い、『ノルウェイ~』のあらすじも頭の中で手繰り寄せがら読んだ。
    とすると、これは主人公の再生の物語なのか??

    とにかく、ぱっと読んですとんと落ちてくる話ではないということだけはよーく分かったので、
    この作品について持論を展開できるようになるには、何度も読み返さないと無理だなー。

    難解と言われる村上作品だけど、近年の作品群の方が格段に読みやすい(私にしてみれば、だけど)。
    村上さんの作家としての成熟と読者への思いやりによるのかしら・・・。

  • 井戸、象、影、ピンク、ラバーソウルetc.

    村上さんの他の本にも出てくる言葉にドキドキした。

    僕は、まったく一人前とは言えないが一応これでも男なので、村上さんの言葉にただうっとりしているわけにもいかない。なんとか、その哲学の一辺でも身に付かないものかと、ついつい足掻いてしまう。

    でも、まあ以前よりは心をザワつかせずに読めるようになったのは、最近すこしは身の程を弁えられるようになったからだろうな。

    羊をめぐる冒険が楽しみだ。


    Mahalo

  • なんとも言えない淋しさが残る。
    「ねえ、誰かが言ったよ。ゆっくり歩け、そしてたっぷり水を飲めってね」(p163)のところでなぜだかいつも泣きそうになる。

  • 子供の頃、
    友だちの住んでいたマンションの1階に
    アーケードゲームのメンテ会社があって。

    ピンボールマシーンでよく遊ばさせもらいました。

    この小説を読んだとき、
    どうしても、そのイメージと重なって、
    ピンボールの不気味な存在感がリアルだな、と感心しました。

    高校生だったボクにとっての、
    村上春樹さんは「僕と鼠の3部作」がすべてでした。

    本作は、その2作目。

  • 寂しいときに読みたくなる。

  • 前作『風の歌を聴け』の続編。
    物語は1973年の9月に始まり
    「僕」と「鼠」の会話がパラレルに進行します。
    3フリッパーのスペースシップという
    ピンボールマシンとの親密な関係。
    学園紛争の時代背景。
    ガールフレンドとの学園生活。

    大切な何かを探し求める「僕」
    大切なものは見つかるのか?

    随所に仕掛けがありそうな村上ワールド。
    若い感性で描くこの3部作は必見です。

    過去に読了。

  • なぜ今また読んでいるのだろう・・・と思いながら読みました

  • よしだたくろうの『ペニーレインでバーボンを』を歌いましょう。夢と希望のハタチには、ちょっと怖い小説。
    久しぶりに読んだ・・・

  • 風の歌を聴けの続編。
    奇妙な生活が多いです。やっぱり、ビールがおいしそうですね。笑
    ジェイズバーがなくなるのが寂しい。

  • 初期三部作のセット・アッパー的作品。
    70年代が来ることを想定出来なかった僕が、やはり時代にコネクト出来ない予定調和が描かれている。
    柱時計の振り子は行ったり来たりの往復運動を繰り返すだけだが、時計の針は確実に時を刻む。
    時も場所も得ない僕が羊を巡る冒険に出ざるを得ない状況を暗示している。

  •  何故だか村上春樹再読ブームが私の中に到来!
     大学生の頃以来、実ははじめての再読。 懐かしい。
     思っている以上に懐かしく感じた。

  • 「風の歌を聴け」の続編。突然この本から読むより、「風の歌を聴け」の後で読むと◎私は幼い頃に某スーパーのゲームセンターでピンボールで遊んでいたので少し懐かしかったです。

  • 第2弾。

  • 双子との不思議な生活がとても印象的。「風の歌を聴け」よりもその後の村上作品の特徴が出てきたと勝手に感じている。倉庫でのピンボールたちとの対面の描写は、鮮やかにイメージに残っている。?

  • 読むのは2度目だったので、今回は物語全体の雰囲気に浸らず、少し主人公の動向に注意を払ってみたのだが、そうすると『風の歌を聴け』の2番煎じではなく続編であるということが理解できた。主人公の変化という点で。

著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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