ウォーク・ドント・ラン

  • 講談社
3.55
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061169005

感想・レビュー・書評

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  • 龍さんの「MISSING」を読んでいたら、この本のことが思い出されて、図書館で借りる。1981年初版なのでもう40年も前だ。

    まだまだ新進気鋭の作家の頃の二人の対話集。
    龍さんが「コインロッカー・ベイビーズ」を出した頃で、春樹さんは「羊をめぐる冒険」を書こうとしている頃だと思う。
    刺激を受け合ってる感じが伝わる。話があまり噛み合っていない部分あるけど(笑)お互いを理解しようと一生懸命対談していて、微笑ましい。

    「職業作家」というと春樹さんのイメージだけど、春樹さんはこの頃はまだジャズ喫茶をやっていて、龍さんの方が一足先に売れて専業になっている。

    あと、二人とも猫を飼っていて、猫の話が盛り上がっている(笑)

  • 若かりし龍さんと春樹さんの対談。
    若いってのもあって、どちらもいまじゃ言わないようなエッジの効いたことを言っているような気がする。
    そう、横文字多くて何言ってるかのかわからないというのが本音であって……(自分だけかもしれないけどさ

    どちらも自由な気風を持ってはいるけど、根っこは全然違う2人。僕は読んだ人みんなに認められなくてもいい、かたやみんなに認められたい。

    龍さんのおうちは猫めっちゃ飼ってたんですね。あとうつ病にもなってたとは知らんかった。
    限りなく透明に近いブルーはかなりお金が入ったんですね……羨ましい。

  • 龍さんと春樹さんがこんな親しげに色んな対談をしていたなんて…!
    週末に村上春樹ライブラリーにて初めてこの本の存在を知った。
    春樹氏と龍氏がこんなに色んな話をしてる事が意外だったし、80年前後、春樹氏がそろそろ子作りを考えているという件も初耳で新鮮。40年前の対談だが、お二人の特徴が既に出ている。

  • 村上RADIOを毎月愛聴しているせいか、村上春樹のモノマネができるようになった(と勝手に思っている)。似ているかどうかは不明。

    この本、ずーっと読みたいと思っていたのだけど、絶版で、読むことができなかった。市場にはわりと出回ってはいるけど、高値で。

    ところが最近、私の生活圏ではないけど、私も利用できる図書館が所蔵していることを発見し、この間ちょうど近くまで行ったので、そのためだけに図書カードを作って借りてきた。
    ああ、日本の図書館は本当に素晴らしい。
    もうこれだけで、税金ちゃんと納めよう! 法を順守するいい市民になりますっ!っとか思います。

    そして、めちゃくちゃおもしろかったーっ!
    おもしろいだろうとは思ってたけど、期待を大きく上回った。

    村上龍さんと春樹さんの対談集。
    出版年は1981年。
    つまり、「世界の終わり」も、「羊をめぐる冒険」もまだ出ていない。
    ちょうど「コインロッカー・ベイビーズ」が出たところ、の様子。
    二人とも、まだデビューして数年、とても若くてものすごく無防備。特に、村上春樹さんは今では考えられないような不用意な発言がばんばん見られる。

    これが絶版なのは、きっと二人の意向なんだろうと思った。
    ファンとしては、こんなにおもしろい本はないと思うのだけど、ご本人としては(特に村上春樹さんの方は)焼き捨てたいのではないかしら、と勝手に想像。

    私が思うに、この本の一番の読みどころは、「コインロッカーベイビーズ」を読んで、村上春樹さんが自分のスタイルについて、今後の作家としての在り方について、ぐらっと揺れた様子が全体に見てとれるところ。
    自分のやり方を変えるつもりはなくても、自分の書いていることが読者に伝わるのかというあたりに、まだ完全に確信が持てないでいる村上春樹氏の様子を見るのは衝撃だった。

    この、揺れている若い作家のその後の大成功を知っている、という感覚は、なんとも不思議な感動があった。
    神の視点をいっとき借りることができたような厳かな気持ち、というとちょっと大げさだけど、人知を超えたパワーで、ほんの少しだけ、時をさかのぼらせてもらったような感覚。
    この人は、こうして模索しながら、少しずつ少しずつ誠実に仕事をしていって、やがて大きく飛躍していくんだなぁ、と、心打たれた。
    とにかく不思議体験をした、という読後感です。

    確かに、コインロッカーベイビーズはパワフルな本だったなぁ、と思い出す。私も昔イッキ読みした。
    友達に「えーっ、まだ読んでないの!? 読まなくちゃ!」と言われて貸してもらったんだと思う。
    村上春樹さんが感じた衝撃ほどじゃないだろうと思うけど、読み終わった後、ぼーっとした。

    ところで、対談での二人のやりとりを読んで驚いたのだけど、二人を比べると、村上龍さんの方が全然大人というか、合わせてあげているというか、村上春樹さんがちょっと子供っぽいというか青いというか・・・逆かと思ってたからびっくりした。

    そして、村上龍さんは村上春樹氏の作品の真価をかなり正確に把握しているなぁ、と思った。ちょっと感動した。
    村上春樹さんが自分の作風のことをパワーがないと何度か繰り返して言った時の村上龍氏の言葉「幸福だっていう象徴のティッシュペーパーがさ、舞い上がっていくところ想像したっていうの、そういうのもやっぱり小説のパワーだと思うよ」には、「そう!それ!そこ!それ!」と私は口ぱくぱくさせて完全同意した。
    こんな風に彼の特徴をとっさに端的に説明できるなんて、すごいなぁ、村上龍。と思った。

    あとがきも二人ともめちゃくちゃ良かった。
    この二つのあとがきは有名ですね。両方ともいろんなところで引用されているような気がするけど、ちゃんと並べて読んだのは初めて。
    どっちもいいなぁ、と思った。
    さすがだ。

  • 1981年発行。村上龍(当時29歳でデビュー5年目)と村上春樹(当時32歳、デビュー2年)の対談本。

    2人ともまだ若々しくて、発言も隙だらけで微笑ましい。今なら絶対言わないような事もバンバン発言していて、2人のファンならかなり楽しめると思います。

    この時の村上春樹が、『ウチもそろそろ子供作ろうかと思ってて…』みたいな発言をしていて驚いた。そんな時期もあったんですね。

    まだ春樹氏はジャズバーを経営しながら本を書いていて頃で、その辺りのエピソードも楽しい。奥さんの話も結構出てきます。一方龍氏は、『限りなく透明に近いブルー』がかなり売れてお金持ちだったらしく、猫を何十匹も飼ってたりして笑えます。

    龍氏が2年くらい鬱病だったとか、超名作『コインロッカー・ベイビーズ』をどんな風に書いたとか、知らなかったエピソードも多くて嬉しかった。

    2人も色々悩みながら頑張ってたんだなと思うと、生きる勇気が湧いてきます。2人の作品がより楽しめるようになる本だと思います。

  • 村上龍がコインロッカーベイビーズを書き終えたばかりで、村上春樹が羊をめぐる冒険を書く前(まだジャズ喫茶を経営していた頃)のタイミングでの、後に日本文学界のトップに君臨し今もなお立ち続ける天才2人の若かりし日の対談。
    超貴重。

  •  村上龍と村上春樹による対談集。
     現在は絶版であり、僕も古本屋で見つけ、プレミア価格で購入した。
     1980年7月29日、11月19日の2日に渡って行われた対談が収録されており、これは村上龍が「コイン・ロッカー・ベイビーズ」を、村上春樹が「1973年のピンボール」を発表した年にあたる。
     村上春樹においては、まだ専属作家ではなく「ピーター・キャット」というジャズ喫茶の経営をしていた時期でもある(「ピーター・キャット」はこの対談の翌年に友人に譲っている)。
     村上龍は28歳、村上春樹は31歳。
     村上龍はこの当時も現在もあまり変化はないように思えるのだが、村上春樹に関しては、現在の彼の姿に比べ随分と荒々しい印象を受ける。
     まだまだ小説稼業に専念する前の、若々しかった時期だから、ということなのだろうか。
     語り口をほぼそのまま文章化したような内容なので、所々、特に村上龍の発言に読み辛い、あるいは何を語っているのか判り辛い箇所がいくつかあった。
     やはり対談が行われている現場の雰囲気や二人の表情、声音、話し方の強弱などがないと、こういう内容はうまく伝わらないのだろう。
     前出の通り、僕はプレミア価格で本書を購入した。
     定価850円に対して、約4倍プラス税(本書出版時は消費税も日本には存在しなかった)で購入している。
     他の方のレビューにも似たようなことが書かれていたが、正直いってプレミアが付いた価格で購入する程の内容ではないと思う。
     自分で購入しておいて、こんなことを書くのもおかしいけど、本当にそう思うのだから仕方がない。
     けっしてつまらない訳ではなく、事実僕なんかは夢中になって読み進め、あっという間に読み終ってしまった。
     それでも、わざわざ高いお金を払って買う程ではないかな、というのが正直なところ。
     だからといって、ファンにしてみれば、どんな内容であれ、読んでみたいという欲求は消し難いものがあるだろうから、やはりプレミア価格で購入してしまう人がいるのも仕方ないことなのだろうなぁ、と自分の姿を顧みながらもしみじみと思ってしまう。
     30年以上前の状況下での対談だし、両者ともに著名な作家になってしまっているし、現在では差別用語とされている言葉も散見される。
     よって、復刻される可能性は限りなくゼロに近いと思われる。

  • 相互のことを語るの様子はとても興味深かった。二人共若い時の話なので、なにか作家として根幹にあるものが垣間見えたと思う。二人共好きなのでまた時折読み返したいなと思う。

  • 長らく村上春樹ファンでいるけど、こんな超貴重な対談集が存在することさえ知らなかった。

    内容はと言えば、まあそんなに面白くは無くて、お互いにまだ若くて少々スカした感がありありなのだけど。それでも、小説家としてのスタンスを確立する直前な段階での対談なので、興味深い点は所々にあった。


    三歳差(春樹が歳上)で、デビューも三年差(龍が先)、お互い長編3作目で野間文芸新人賞と似た点はあるものの、龍はデビュー作で芥川賞、春樹は連続落選し、その後はそれぞれの道を行くといった感じで。


    what happened is all good
    (起こってしまったことはみんなよいことである)


    巻末にあるお互いのことを評した文書はかなり良い。これだけでも読む価値はある。


    2015.11.23

  • 都会的な人というのは小説を書かないような気がする。田舎者の方が本質的にそういうものがないと、小説は欠けないんじゃないか。

    現在の文学が中産階級化しちゃった。昔は家計もよくて、教養おあって、といった層が文学を志していた。ドイツ語や漢文が読めて。それが崩壊された。戦争もなきゃ、革命もない。ゼロ。でも何かを書きたい。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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