統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門 (ブルーバックス)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061177208

作品紹介・あらすじ

世の中には統計が氾濫している。「平均」とか「相関関係」とか言って数字やグラフを示されると、怪しい話も信じたくなる。しかし、統計数字やグラフは、必ずしも示されている通りのものではない。目に見える以上の意味がある場合もあるし、見かけより内容がないかもしれないのだ。統計が読み書きの能力と同じぐらい必要になっている現在、「統計でだまされない」ためには、まず「統計でだます方法」を知ることが必要だ!


だまされないためには、だます方法を知ることだ!
かの有名な英国の政治家ディズレーリは言った――ウソには3種類ある。ウソ、みえすいたウソ、そして統計だ――と。確かに私たちが見たり聞いたり読んだりするものに統計が氾濫しているし、「平均」とか「相関関係」とか「トレンド」とか言って数字を見せられ、グラフを示されると、怪しい話も信じたくなる。しかし、統計数字やグラフは、必ずしも示されている通りのものではない。目に見える以上の意味がある場合もあるし、見かけより内容がないかもしれないのである。私たちにとって、統計が読み書きの能力と同じぐらい必要になっている現在、「統計でだまされない」ためには、まず「統計でだます方法」を本書によって知ることが必要なのである!

感想・レビュー・書評

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  • 「だまされないためには、だます方法を知ることだ」
    というのが本書の主旨。

    広告の多くが統計を利用して消費者を多かれ少なかれだますことは言うまでもない。
    が、最近、医学関連の統計データを見ていると、だますつもりもないのにそのデータを曲解して提示してあったりする。あるいは見る人の誤解を招き、また不安を煽り立てかねないデータもある。
    はたまたいやでも目に入ってくるネットニュースの、政治関連のかなりあやしいデータ(S.K.新聞とか、○HKとか書いてあるとまず当然疑ってかかる)。

    本書もいうように、たとえデータの捏造はしていなくても、メディアなどが報じるさいに解釈がゆがめられ、受け手に届く頃にはかなり極端な情報になっているということも多々ある。

    まあ、そのつどデータを慎重に読めばいいのだけれど、ぼんやりしていると鵜呑みにしてしまいそうになることもある。
    だから、データを見るときに、ざっとどのような点をチェックすればいいのか知りたいとかねがね思っていた。

    ので、本書に出会えてよかった。これは役立つ。
    明らかに悪意のある誇大広告から、おまぬけなデータの過剰解釈までが具体的に紹介されている。

    チェック項目はそう難しくもなさそうだ。例えば平均値。これもだましやすいポイント。それが算術平均であるのか、中央値であるのか、はたまた最頻値であるのか。それがわからないかぎりその平均値には意味がないといってよい。

    (また百分率の扱いかたにも要注意。これはちょっとまぎらわしいだけに、だましの常套手段)

    それからデータの母数がどれだけか、というチェックも不可欠。じっさい、10にも満たない母数でモノを言ってるデータが本書でいくつも紹介されている。おそろしい。

    さらにはグラフをキャッチーに見せるわりと単純な手法もだましの手口。例えば柱状グラフの真ん中をカットするとか。さして変化のない線グラフを拡大して劇的に見せたりとか。

    意外な落とし穴は、ある過去のデータと比較した情報で、時を経て当時と言葉の定義が変わってしまったりしている場合に、異常に極端なデータが出たりする。

    とまあいろいろあげたけれど、ともかく誰が何のためにそのデータを提示しているか、というのを見極めることが肝心、とのこと。金儲けのためか。はたまた票を集めるためか。などなど。

    統計なんてほんと使いようで、少ない分母で、ある試行をだます側に都合のよいデータが出るまで繰り返し、残りのデータは捨ててしまえば、ある意味「ウソはつかずに」どんなことでも言える、ということが本書を読んでよくよくわかった。

  • 世の中、様々な統計から得られた様々な分析・意見・見解があります。
    特に最近、その手の書籍が流行っているようにも思います。

    本書を読むと、改めて注意しなければならないなぁと実感させられます。
    サンプルは十分か?
    「平均」と言われるだけで何かしらの事象を代表・説明しつくされていると誤解していないか?
    統計が示す平均や標準に縛られすぎていないか?
    グラフ表示による視覚的な仕掛けに騙されていないか?
    示される因果関係を鵜呑みにしていないか?
    などなど。

    しっかりと自らの目と頭で考える習慣を身につけたいものです。

  • 統計学について書かれた本は多いですが、この本は「統計や数字がどのようにウソをつき、平凡な事柄を大きく見せるか」がテーマです。

    例えば、あるイベントの参加者が2018年は10人、2019年は15人だったとします。

    「イベント参加者が前年比で5人増えた」
    「イベント参加者が10人→15人になった」
    「イベント参加者は前年比150%」
    「イベント参加者は前年比で50%増」
    「イベント参加者は前年比の1.5倍」

    上5つの文章は全て同じ事実を言っていますが、文章を見るとずいぶん印象が違うと思います。
    世の中に溢れる数字や統計を上手に使えば、見た目を簡単に騙すことができると感じました。

  • 少し読みにくい本だった。語られていることは今も通じることなのだと思うけれど、やはりアメリカの人の本だからか、例がなじみにくいものがあった。また何度か「キンゼイレポート」というものが出てくる。書かれた当時、大変話題になった、レポートだったようだが、前置きもなく、その中身を詳しく説明することもなく、あの有名なキンゼイレポート、のように書かれていて、戸惑ってしまった。Wikipediaで調べてようやく分かったけれど、読みにくさを感じた。

  •  ずっと昔に読んだんだけど,なぜか,今頃,上位の売り上げらしい。不思議。
     というわけで,以前の感想を転載しておくことにする。なんと,1998年の時にサークルに提出したもの。

    「グラフ化するときには,よほど注意をしないとウソの情報・極端な情報を伝えてしまうことがある」-ということは,仮説実験授業研究会の仲間でもよく話題になってきました。
     そこで,自分なりの方法で「グラフを書き直す」ということは,いろいろな情報を読みとったり,未来を予想したりするときには大切です。実際,自分らで書き直した独特のグラフが,『たのしい授業』紙上でも毎月紹介されていますよね。わかりやすいグラフが書かれていて,いつも感心します。
     さて,今回,ご紹介する本は『統計でウソをつく方-数式を使わない統計学入門』(講談社ブルーバックス)という本です。この本は,題名にもあるように「ウソをつく方法」を教えながら,「一方的な統計結果にだまされない方法」を学ぶように論が進められています。
    「だまされないために勉強するのだ」というのがボクの持論(板倉さんからの受け売り)ですが,この本は,まさにそれにうってつけの本なのです。
     ここでは,永六輔「無名人語録」風に,本のエキスを紹介しようと思います。 
     
    ■ サンプリングをしたときに,それが元のデータ(全体)のサンプルとして偏りがないかを確認しなければ,そのサンプリングによるデータは,意味がない。
    ■ アンケートをした場合,回答者が本当のことを言うとは限らない。たとえば,「主に読んでいる本」を調査しようと思ったら,「何を読んでいますか」と質問などするより「訪問して,古雑誌を買いたい」と言った方が,ずっと多くのことがわかるということ。ただし,これでも本当のことはわからない。これでわかるのは,読んでいる本ではなく買った本であるからだ。ナルホド。
    ■ サンプリング調査の結果が,もとになるサンプリングより正しくないことも事実なのであるが,データが何回も統計的操作で濾過され,小数点のついた平均値に姿を変える頃には,その結果はもとのデータとは似ても似つかないような確信の臭気を身につけ始めるのである。
    ■ サンプルの基礎は「ランダム」という性質がなければならない。つまり,サンプルは「母集団」からまったく偶然に選ばなければならない。ランダム・サンプルであるかどうかの判定は次のようになされる。「母集団の中のすべての人あるいはものは,等しくサンプルに選ばれるチャンスがあるか?」
    ■ よっぽどのお人好しか楽天家でもないかぎり,経験から考えても,ある社のねり歯磨きが他社のより断然よいことなどありっこないのである。
    ■ その最高の切り札は不十分な-時計的に不十分なサンプルである。つまりこれがA会社の目的には都合がよいのだ。小さい活字を読めばわかるが,この場合のテスト・グループはたった12人からなっていたのである。
    ■ 遅かれ早かれ,偶然のおかげで,大見出しや大がかりなキャンペーンをする値打ちのあるほどよい結果が出てくるに違いない。こんな結果は,A社のを使おうが,ふくらし粉を使おうが,今までのと同じ歯磨き粉を使っていようが起こってくるだろう。
    ■ さて,少人数のグループを使うことが意味があるのはこうだからだ。つまり,大きなグループを使ったのでは,偶然による差がどうしても小さくなってしまうし,それでは,大見出しが使えるような結果はえられないからである。
    ■ 試行回数が十分に多い場合に限って,平均の法則は説明や予測の役に立つのだ。
    ■ 何も知らないことの方が,不正確なことを知っているより健全である場合が多いのであって,少しばかり勉強するというのは,かえって危険なことなのかもしれない。
    ■ 常識というものは,もっともらしく正確で,厳然としている3.6などという数字の前では,どうも弱いのであって,この場合は,調査から誰にもわかるようなこと,すなわち,多くの家庭は小家族で,大家族はほんのわずかであるという事実も常識にはかなわなかったのである。
    ■ 誤りが起こるのは,結果が研究者から煽動的あるいは情報不足の記者を通して読者に届くまでの情報の濾過過程にある。そして読者というものは,その過程で姿を消してしまった数字には気がつかないのである。誤解の多くは,「標準」や平均に分布幅についての注があれば避けることができる。
    ■ プラス・マイナスの誤差ということは,いつも心にとめておかなければならないことで,誤差が書いてないときでも,あるいは書いてなければなおさらのこと,注意しなければいけない。ときには,数学的には実在し,しかも証明できても,現実には意味がないほど小さい差をめぐって,大騒ぎされることがある。-要するに「目くそ鼻くそを笑う」である。
    ■ グラフの目盛りを拡大してみせるものに対して曰く-これは「国民所得10%の増加」というのを「…10%の飛躍的伸び」とする編集方法と同じようなものである。しかし,それより断然効果的である。なぜならグラフには形容詞や副詞がないので,客観性という幻影がこわされることがないからである。ここには誰からも,突っつかれるようなものは何もないのである。
    ■ 米海軍の死亡率はニューヨーク市民より低いということについて曰く-この2つの死亡率はそもそも,比較できるようなものではないのである。というのは,海軍は大部分が太鼓判つの健康な青年たちから成っているのに,ニューヨーク市民の中には,赤ん坊もいれば,年寄りや病人もいるのであって,どこにいようと当然死亡率は高いのである。
    ■ 使用前使用後の写真について曰く-きれいになったのはむしろ写真家の腕による。
    ■ 50%の賃金引き下げを相殺するためには,100%の賃上げを獲得しなければならないのである。
    ■ 実際は,もしこの本を出版する費用の項目がどれも,それぞれ10%前後上昇しているとしたら,その総費用もまた,同じ率だけ上がっているのでなければおかしい。(中略)これは,ウサギの肉ダンゴをどうしてこんなに安く売れるんですかとたずねられた例の商人の話によく似ている。その商人の答えは,「そうですねえ。馬肉もいれているんですよ。しかし,五分五分に混ぜているんです。つまり,馬1頭に,ウサギ1匹です。」
    ■ 1952年に,カリフォルニアのセントラル・バレーで報告された脳炎患者は,最悪といわれたその前年の3倍にも達した。びっくりした住民たちは,子供を別の土地に疎開させた。ところが,実際に患者を数えてみると,その嗜眠性脳炎による死亡はたいしてふえていなかったのであった。そして,ことのおこりというのはこうだったのである。長年の懸案と取り組むために,州と連邦保険局の役人たちが大勢動員された。その努力の結果,以前なら見過ごされ,おそらくその病気と認められないような軽い症状のものまでたくさん記録されたのである。
    ■ つまり現在までのトレンドは事実であるかもしれないが,将来にわたるトレンドは推測以外の何物でもないのである。そして,そこには「他のすべてのことは変わっていず」,また「現在までのトレンドが継続する」ということが暗黙のうちに認められているのである。しかるに,他のすべてのことはというのは,とかく変わりがちであるし,また,それでなければ人生は退屈至極なものとなってしまうであろう。
     ▼
     いかがですか。おもしろそうな本でしょ。初版が1968年で,ボクのは1998年で,なんと60刷です。今まで,この本がボクのアンテナに引っかからなかったことがすごく不思議です。だって,ブルーバックスも40冊以上も持っていますからねえ。
     
    ● 気をつけたいこと
     ボクは,原発に関する本もよく読みます。賛成派の本(ほとんどが学校に来る無料の資料)の中にも,反対派の本の中にも様々な統計資料やグラフが提示されています。そのグラフや統計の資料の一つ一つは,ウソなどついていないかも知れません。しかし,要注意です。ボクは賛成派にも反対派にもだまされたくはありません。自分たちの陣営にとって都合のいいような「解釈」やグラフの拡大。あるいは,意識したすり替えなどをしているとも限りません。
     今は情報化時代と言われています。なるほどインターネットでも,簡単にいろいろな情報が手に入ります(しかし,これらネット上の情報は,30年前にダレル・ハフが書いたような「ウソ」に(情報発信者にとって,意識的にしろ無意識的にしろ)満ちていることを忘れてはなりません。情報を自分で選ぶ時代だからこそ,なおさら,それにだまされないことが大切になります。このあたりの教育・授業も大切だなあと思います。『社会を見直すメガネ』(国土社)に示されている「量率グラフ」が,まずはその手始めかな?

  • とんでもなく数学が苦手なので、とりあえず何か本を、と手に取る。
    最初は基本的な話だったので理解できたが、最後の方はやはり難しい。
    でもここで諦めずにもうちょっと勉強してみよう。
    ところでこの本は統計に騙されないようにするにはどのように考えればよいか、という本だが、どう料理すればこの数字から自分たちが持っていきたい結論に持っていけるか、を考えて数字をつくるのもまた面白いよなあ、と真逆のことを考えながら読んでいた。


  • 「科学をあなたのポケットに」でお馴染みの講談社ブルーバックスの本。

    本書は古い、原著が1954年に出版され邦訳版が1968年、手元の本で2016年の94刷、どこの書店でもブルーバックスのコーナーの一番左端にあるような気がする。

    本のタイトル通り統計に関する基本的な考え方、サンプルの偏りや、「平均」に含まれる作為的な意味、定義の変更、図表の表現方法がもたらす印象など。様々な統計を操縦する方法について、そのよくある手法をわかりやすく説明している。

    ただ、例が基本的に古い。第二次世界大戦前後のアメリカの話が主で、それはそれで面白いけども。
    それと、挿入されるグラフや絵に味があってそれも良い。

  •  この手の統計(モドキ)の利用(悪用)のされ方をテーマにした本は数多く世に出されていますが、本書のオリジナルは1954年に出版されたものとのこと。まさに「先駆け」です。
     内容はこれといって新しいものはありませんが、それは本書が先陣を切っていたのですから当たり前で、むしろその後に発行された本が、本書を凌駕していないということですね。
     説明に使われている例示は馴染みのないものも多いのですが、それも「時代」と「場所」の違いであり、“その頃は、こんな時代だったんだ”と新たな気づきにつながるものでもあります。

  •  欲しい情報は簡単に得られても、その情報を正しく読み解く力がなければ、宝の持ち腐れです。高校数学でもデータ分析を学びますが、単なる計算法を知っていることと、正しくデータを読むこととの違いを考えてみましょう。
    (選定年度:2016~)

  • ビジネスでも政治でも、プランや政策の根拠となったり、大いに説得力を持たせることになる統計であるが、その裏側には様々な思惑を絡めることでいかようにも表現できるというもの。サンプルの偏り、幾つかの「平均」、確率の使い方、グラフの表現手法、こじつけ、因果関係、出典、問題のすり替え・・・。現在でも日常的に行われているこれらの「手法」であるが、本書第1版が1968年であることを考えると、人間はいつの時代も変わらないし、この手の手法は廃れないのだなあと思う。

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