コロボックル物語(1) だれも知らない小さな国 (児童文学創作シリーズ)

著者 :
  • 講談社
4.17
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本棚登録 : 792
感想 : 139
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061190757

作品紹介・あらすじ

小学校3年生のときだった。もちの木をさがしにいったぼくは、こんもりした小山や杉林にかこまれた、三角形の平地をみつけた。小さないずみがわき、まっかなつばきの花のさく、どこかふしぎな感じのする場所だった。──そして、とうとうぼくは見た。小川に流れていく赤いくつの中で、虫のようなものが動いているのを。小指ほどしかない小さな人たちが、手をふっているのを!

感想・レビュー・書評

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  • いいなあ・・コロボックル。
    世の中には、目に見えなくても、たくさんの不思議、たくさんの神様がいるんだ・・・そう、素直に思える一冊です。
    小学校の時、読んでから、続編が出るたびに、買いました。

    コロボックルを守る「せいたかさん」と、「おちび先生」が結婚する三巻は、特に大好きです。

    この世界は、畏敬すべきものがたくさんある。

    そう、子供心に思いました。

  • もちの木を探して迷い込んだ、小さな泉のある小山。
    三角平地。
    この、素敵な場所を、仲間に伝えることなくひとり好きな本を抱えて過ごすことにしたぼく。(まずはここに共感)
    トマトのおばあさんから聞いた、この小山に伝わる古いはなし…
    ある日出会った小さな女の子、片っぽうのくつ。
    初めての こぼしさまとの出会い。

    このあとぼくは引っ越してしまい、次第にこの小山のことを忘れてゆく。
    そして戦争が始まる。僕は中学生になり、工場で働かされ、父親は海に沈んだ。

    _毎日が苦しいことばかりなのに、同時に底抜けに楽しかった。_

    子ども時代の戦争体験をこんな風に描いてしまう…でもこれって今の時代の報道だけで戦争を知る私たちとどこか通ずるというか、子どもらしくて、正直な描写に驚きました。

    戦後、焼け野原の中で、この小山を思い出す感覚もなんだか素敵だった。そうしてお話しがぐっと進んでゆきます。

    こぼしさまを世間から守る事を考えはじめるぼくと、ぼくを試す小人たち。
    小人といえば、コオロギのような動きの描写があり、小屋に何百という小人たちが集まった時は、私はぞっとしましたww
    あっという間に主人公が大人になっている所も新鮮。そしてこの後あの小さな女の子と再会するのですが、
    ぼくはなかなかその事に気づかなくて、読者はイライラしちゃうんですよね。
    でも、この後すべてはいい感じに回収されてゆく…。

    幼稚園の先生になった女の子、おチビさんとの過ごし方が良かったですね。
    ぼく、セイタカさんは、女の子の扱いがとても紳士的なのです。この昭和のど真ん中に、こんな素敵な男の子を描いているってすごいよね、という話しにもなりました。
    当時としては進歩的だったのでは?
    そして今となってはおかげで長く愛される物語になっているのかなと感じました。

    この、あっという間に主人公が成長している感じがYA文学として通じそうだなと思わせました。

    小山の地主だった峰のおやじさんや、男勝りな幼稚園の園長先生など、魅力的な脇の人物も良かった。

  • 有川さんがコロボックルシリーズを引き継いだ。
    と、言うことで!
    これは絶対に読まねばと元祖コロボックルを読み始めてみた。
    結構色々な作家さんがこのコロボックルシリーズには影響を受けたようなことをインタビューなどで読んだことがあったような気がして、前々から気になっていたけど読んでみて思ったことは・・・・
    なんでもっと早く読んでいなかったんだと激しく後悔。
    こりゃー面白い!!!
    ファンタジー好きな自分がなぜ読んでいなかったのかと自分を殴り飛ばしたくなったほど。

    正直昔の物語だから読みにくいかなと懸念していたのだけど・・・・あーすいません・・・。
    全然そんなこと一切なくむしろ最高に面白かったです。
    コロボックル可愛い!
    この続きもすぐに読みたい。

  • 有川浩さんが続編を書くと聞き、初めて読みました。子供の頃に出会っていたら、もっと楽しく読めたと思います。

  • 小学生の頃、兄が読んでいて借りて読んだところ、とてもおもしろく不思議で夢中になって読みました。とても懐かしいです。最近になって再読しましたが、時代が変われど名作は変わらず、です。

  • 初めて読んだのは小学生の時で、近所の図書館に佐藤さとるファンタジー全集が入ったのをきっかけに再読。

    コロボックルシリーズの第1作で、せいたかさんとコロボックルの出会い、せいたかさんとおちび先生の出会いなどが描かれています。児童文学とはいえ、大人になってから読んでも妙にリアリティーがあるお話だなと思いました。

  • これもまた、日本の児童文学では珍しく私がはまったシリーズ。ファンタジーに分類されるのかもしれないが、凝ったディティールには地に足の着いたリアリティーがあり、文体にも「どうせ子どもの読み物だから」という甘さは感じられない。「作り話をいかにも本当のように書」いているのか、「本当のことを作り事のように書」いているのか、判然としないところもツボ。

  • コロボックルに姿を現してもらえたセイタカさんがうらやましかった。
    小さな国の設定がかなりリアル。コロボックルはホントに存在すると思ってしまうほどでした。
    小学校のころ大好きだったシリーズ。

  • ある、男の子が小さな人(小人)を見つけて友達になってい行く話しです。夢を広げてくれる物語でした。読んでいない方は是非読んでください。

  • ◆きっかけ
    ブクログ 2016/9/28

    ◆感想
    2018/8月に購入して、当時3&0歳だった子どもらが大きくなったら一緒に読みたいなとあたためておいた。娘氏年中になり、そろそろ良いかなと、解禁。主人公が大人の男性だから、飽きてしまうかな…?まだ難しいかな?早いかな?と思いながらも私が読みたくて我慢できなかった...。

    2021/1/4〜2/6、ベッドの中で少しずつ読み聞かせ。杞憂だった。娘2晩目から「小人読んで!」と持ってくるようになった。2歳息子はお気に召さないらしく、うたえほんの子守唄をせがむ。子守唄歌ってから、小人…の流れになった。読了後、2/7〜2周目突入。2周目の方が、話が入ってくる。それは娘も同じよう。

    フキが物語の中によく出てくるので、スーパーで生のフキが売っていたのでフキご飯にした。娘氏食べるも、茎の部分だけだし、コロボックルのフキとは結びつかなかった様子。そうだよね、今度葉っぱのフキも探そうね。

    p183「いつのまにか、すきとおった美しい空を、赤とんぼがとぶようになった。」等、易しい言葉、かつ美しい情景描写が多く、読むにつれて頭の中に美しく楽しい小山の情景が作り上げられていった。表紙の色も美しく、読むと爽やかな気持ちになる一冊。身近にあるかも?と思わせる、異世界過ぎない異世界のお話。息子が大きくなったらまた読みたいし、その時にまた娘がこの物語と再会してどんな気持ちを抱くのかも、楽しみ。2021/2/15

    p37「木のうつろ」・・・私「うつろ?」娘「うつろって何?」私「何やろね、ここにこぼしさまが住んでるかもって想像しているんやよね。ググろう」「からっぽのことやと」木のうつろを画像検索。「こんなん見たことある?」娘「???」今度見つけたら見てみようね。...スマホ便利だなあ。

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著者プロフィール

1928年、神奈川県横須賀市に生まれる。1959年、『だれも知らない小さな国』を出版し、毎日出版文化賞、国際アンデルセン賞国内賞他を受賞。コロボックルシリーズをはじめ、『かえるのアパート』、『おばあさんのひこうき』などの名作を次々に発表。日本の児童文学の代表的作家の一人。

「2009年 『もうひとつのコロボックル物語 ヒノキノヒコのかくれ家 人形のすきな男の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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