コロボックル物語(4) ふしぎな目をした男の子 (児童文学創作シリーズ)

  • 講談社
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本棚登録 : 193
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061190788

作品紹介・あらすじ

コロボックルが本気で走れば、人間の目になんか見えるはずがない。ところが、ふしぎな目をした男の子タケルには、そのすがたが見えるのだ。へそまがりの、がんこもののじいさまコロボックルは、タケルにみつけられ、2人のあいだにきみょうな友情がめばえてくる。コロボックルと友だちになった人間の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 【図書館本】ちょっと失速したかな、という感じはあるけれど、十分楽しめた。もうすでにコロボックルたち誰が誰だか……という状態だけど、毎回スポット当たるのは別の子たちなので、そういう面でも安心して読める。
    今回はセイタカさん全然出てこなかったし、時間の経過も大きかったので新鮮に感じた。
    タケルとツムが新たに友情を築いていくのが楽しみ。

  • せいたかさんや、ママ先生やおチャメさん、風の子がほとんど出てこなくてそれが寂しかった(´Д`)
    池が昔のように綺麗になるというのは話としてはいいんだけど、現実に起きている環境破壊の悲しさから目をそむけることにならないか。また、ヒロシの水槽もちょっと存在感が薄くなってしまう。この話はハッピーエンドでない方が良かったように思う。

  • 結構好き

  • コロボックル物語、第4巻。

    おかんの本。

    コロボックルが人間の友達をもっと作ろうとする話。
    コロボックルが選んだ人間だけが友達になることができる。

    つむじいとタケルの話。
    それからコロボックルの祖先が作った小さくて綺麗な泉の話。

    こういう秘密基地みたいな小さな泉や、コロボックルと友達になれることに憧れた幼少時を思い出した。
    昭和の頃の日本を思い描く。

  • ※持っているのは講談社文庫:S57.5.15(第14刷)

  • 素早いコロボックルが見える男の子とツムジイの話。

  • この話の記憶が無い。
    幼少時、この巻は読んでいないのだろうか。
    それとも、覚えていないだけなのか。
    それはちょっと考えにくいが。

    兎に角、先の展開がわからず普通に楽しんで読んだ。
    コロボックルと友達になるには、選んでもらわなければならない。
    そのためには、出会わなければならない。
    この設定が面白いなと思う。
    何故読者がコロボックルに会えないのかを簡潔に説明し
    物語を語りやすくしている。


    水槽の話は非常に良かったと思う。
    短いながらも深く真実を伝えていた。
    こういう、近所のおにいさん
    公園などに行けば必ず会える年長者
    というのが、子供の頃とても大切だったと思う。

    池の話も良かったが、その後ごみを捨てようとする人が
    蜂に刺されてしまうというのも
    どこかほっこりするエピソードだった。

  • コロボックルシリーズの第四巻です。
    この巻の中心となるコロボックルは、つむじまがりの学者、ツムジイ。
    ほんとはウメノヒコという名前なのですが、がんこでへそまがりな性格から(笑)つむじまがりの、ツムジなんてあだ名がついたんですね。
    白ひげの立派なこのコロボックルは、ちょっと変わり者ですが頭がよく、ふしぎな予知能力を持つ、コロボックルの考古学者みたいなものです。
    ほかのコロボックルたちと少し離れて、野原に転がったどびんの家に住んでいるツムジイさん。
    実はツムジイは第一巻で登場した、当時のコロボックル世話役のモチノヒコの友達だったのですが、モチノヒコ世話役が役をヒイラギノヒコに譲った後、どんどん変わっていくコロボックルの世界やおきてを、つむじまがりのツムジイは苦々しい思いで見てきました。
    やがて、せいたかさんや第二巻で登場したおチャ公などの人間との交流を経て、コロボックルは世話役に届け出れば、小山を出て人間の町に行ってもよい、もし気に入れば住んでもよい、という新しいおきてが作られました。
    このおきては、決して小山を出ようとしなかった時代を過ごしてきたツムジイにとって、目玉が飛び出そうなほど驚くものでした。
    いったい今の若者はどうなっているんだ、とツムジイは世話役のヒイラギノヒコにつめよりますが、まったく今のおきてを変える気はないという若者たちに、ツムジイはついにこの小山を出ていってしまうのです。
    ここがツムジイのつむじまがりなところ、とも書いてありますが(笑)ほんとにツムジイらしい。
    苦手な人間の世界に飛び出していったツムジイは、公園に生えたうめの木に、新しい住まいをかまえることにします。
    公園には日々たくさんの人間がやってきて、子供たちがかけまわってゆく。
    そうして徐々に人間たちにも慣れていったツムジイは、ある日ふと思いつきます。
    どれ、これはひとつ、子供たちをからかってやろうか。
    コロボックルの動きは人間の目につかないほど早いですから、子供たちのそばを通ったり肩にのったり、それでもツムジイは誰にも見つかりません。
    しかし、あるときツムジイが男の子の足の間をひゅーっと通りぬけると、その男の子は確かにツムジイを目で追いかけ、ころんとでんぐりがえってしまったのです。
    ほんの赤ん坊の男の子でしたが、ツムジイが仰天してもう一度走り回ってみても、やっぱり男の子の目は確かにツムジイを追っかけていて。
    男の子はすばしっこいコロボックルを見るけとのできる、ふしぎな目をした男の子だったのです。

    と、この巻のはじまりはこんな感じ。
    この巻も面白かったよー! つむじまがりのツムジイ、とっても愛着のわくコロボックルです。
    この巻のお話はふしぎな目を持つ男の子、タケルと、つむじまがりのツムジイさんだけのお話だけには留まらないので、もっともっと先を読みたい! ってのめり込んじゃいますよ。
    コロボックルシリーズはほんとに面白い。どれを読んでもやさしい気持ちになれるよ〜。

  • 080503(m 不明)

  • っだーかわいい。かわいすぎる!そしていいお話!
    今までのに比べるとインパクトにかけるかもしれないと思いつつ(だってせいたかさんとか出てこないし)じんわりとくる話ですよね。
    相変わらず面白いなチクショー!
    気付けばこのシリィズの舞台も京極堂シリィズとかぶってるね。今更気付く。
    なんともいえない、時代の狭間と言うか…そういう物悲しさというか…空気?は確かに共通している気がする。
    確かに生きていたんだなぁ。それが急速に失われつつある、なんとも…うーん。
    でも、いつでもどこでも幸せはあるんだな!と感じて嬉しかったです。

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著者プロフィール

1928年、神奈川県横須賀市に生まれる。1959年、『だれも知らない小さな国』を出版し、毎日出版文化賞、国際アンデルセン賞国内賞他を受賞。コロボックルシリーズをはじめ、『かえるのアパート』、『おばあさんのひこうき』などの名作を次々に発表。日本の児童文学の代表的作家の一人。

「2009年 『もうひとつのコロボックル物語 ヒノキノヒコのかくれ家 人形のすきな男の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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