モモちゃんとアカネちゃんの本(1)ちいさいモモちゃん (児童文学創作シリーズ)

著者 :
  • 講談社
4.07
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感想 : 144
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  • Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061192317

作品紹介・あらすじ

元気でかわいくて、おしゃまな女の子モモちゃんには、子ねこのプーやコウちゃんという友だちがいます。モモちゃんは、夢の中でライオンと遊んだり、電車に乗って空を飛んだり、水ぼうそうになったりして、ママを心配させたりします。誕生から3歳になるまでのモモちゃんの日常生活を軽妙にスケッチした成長童話の名作シリーズ第1作。

感想・レビュー・書評

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  •  モモちゃんがうまれたのは、なつでした。
    青いそらに、お日さまがぴかぴかひかって、あんパンみたいなくもが、いっぱいとんでいました。
    おへやの中では、はとどけいが、ポッポー、ポッポーって二つ、ねむそうになきました。
     そのときですよ、モモちゃんがうまれたのは。おぎゃあ、おぎゃあってないてね。


    赤ちゃんのモモちゃんが、3歳になるまでのすくすくと育つ様子が、優しい語り口で語られます。
    モモちゃんの成長は、ママやパパ、クロネコのプー、にんじんさんやじゃがいもさん、もぐらさんやうさぎさん、そして「あかちゃんのいえ」の先生たちやお友達たちが見守っています。
    モモちゃんはクロネコのプーとけっこんしきごっこをしたり、お友達のコウちゃんとカバさんの散髪をしたり、嫌いって言っちゃったから泣きながら逃げ出してしまったにんじんさんを追いかけたりします。
    そしてママは、大きくなるモモちゃんのためにパンツを30枚作ったり、ももちゃんを「あかちゃんのいえ」に預けて毎日働いて、帰ってきたらぎゅっとモモちゃんを抱きしめます。

    なんとまっすぐな成長とそれを見守る眼差しのおおらかさ。
    人間がのびのびすくすく育つというそのものがお話に現れています。
     モモちゃんはもうあかちゃんじゃないもん、もうおおきいんだもん!
    風にも負けずに走り出すモモちゃんの、小さいけれど力強い姿が胸に響きます。

    • りまのさん
      淳水堂さん
      懐かしい! 大好きな本でした!
      本が読めるようになって、最初に覚えている、好きになった本です。また読みたくなりました!
      淳水堂さん
      懐かしい! 大好きな本でした!
      本が読めるようになって、最初に覚えている、好きになった本です。また読みたくなりました!
      2021/06/15
    • 淳水堂さん
      りまのさん コメントありがとうございます!
      私は子供の頃はこの一巻目だけ読んでいたのですが、今回は全巻読んで行っています。
      小さい子がす...
      りまのさん コメントありがとうございます!
      私は子供の頃はこの一巻目だけ読んでいたのですが、今回は全巻読んで行っています。
      小さい子がすくすく育ちそれを見守る周りのみんなの目、かなしいおわかれ、この世と違うところへの繋がり、松谷みよ子さんすごいなーー、と思いながら読んでいます。
      大人の今だからか、ママさんの気持ちが、哀しいこと、嬉しいこと、大人だからやらなゃいけないことなど、こんなに書かれていたんだなあって思います。

      りまのさんもお時間できましたらぜひ!
      2021/06/15
  •  母が買ってくれました。どの話も大好きで、今でも時々思い出します。
     黒猫のプーと金魚水。金魚水、って言葉、今読み返してもすごいパワーワード。子供心にも、素敵な表現だなって思いました。
     雨こんこん、の歌は今でも雨の時に心の中で歌っちゃう時があります。
     美味しい物が好きなくまさん、にはとても影響を受けました。自分の中で、小説に出て来るくまさんのイメージがこのくまさんで定着してしまうくらい。

  • Twitterで「モモちゃんとアカネちゃん」を
    紹介していただき、
    図書館にさがしにいったところ
    シリーズ物と知り、
    1作目から読もうと手にとりました。

    人形の表紙が
    むかーしの教育テレビ人形劇を思いださせ、
    なつかしく、かわいらしかったです。

    中身の9割が、
    ページのどこかしらに挿し絵があります。

    また、
    人形のモモちゃんのカラー挿し絵も
    ほどよく差しこまれていて、
    読むのが楽しみになります。

    小1の娘にちょうど良さそうだったので
    すすめてみたところ、わたしより先に
    ひとりで読み終わっていました。

    「おもしろかった!」そうで、
    すぐに2作目も読みはじめていました。

    「ちいさいモモちゃん」は
    主人公のモモちゃんが
    赤ちゃん~3歳までのお話です。

    猫や野菜がしゃべったり
    不思議なこともありますが、

    モモちゃんがだんだん
    大きくなっていく様子を読むうちに
    「わたしもこんな風に
    大きくなったのかしら」と、

    自分が覚えていないころのことを
    想像しながら、
    娘は読んでいたのかなと思います。

    ぶ厚く思えますが、中身は
    10ページ前後の短編が15編収録されている
    短編集でもあるので、
    1日1編ずつ読み聞かせることもできます。

    小学低学年に特にオススメな
    お話です。

  • とても可愛いモモちゃん
    昔読んだことあるけど、すっかり忘れていました。
    松谷みよ子さんの本ということと、図書館の司書のお姉さんが、子供の頃読んで怖かったというので、興味が出て読んでみました。
    面白かったですが、今の私には、ピントが合いませんでしたが、たくさんシリーズがあるので、読んでみたい気もします。

  • 1973年発行。
    ずっと大切に本棚にならべてあります。

    表紙の絵が、写真とは少し違います。。

  • モモちゃんが主人公だからどうしても子ども目線なのだろうけど、それにしても、お父さんの存在感がほとんどゼロ。昔からそんなものなのかしら。お母さんは働いているし。全然変わらないのね。

  • [墨田区図書館]

    公文の教材に出てきたので、探して借りてきた絵本。表紙絵からも古さを感じたし、これはやや大判のハードカバーの分厚く感じる幼年童話なのでどうかなと思っていたのに、、、、?やはりうちの子は可愛らしいファンタジー系の小説が好きなのかな?今思えばほぼ最初に一人読みを始めた「チョコレート島」シリーズにしても、危ぶんでいたのに割とあっさりと読み進めた「エルマーとりゅう」にしても、「つるばら村」シリーズにしても、、、ふむふむ、私が子どもの頃特に好きだったと思われる、ファンタジー系の本だわ。

    そういう意味では、この本はやや地に足のついた小さな「モモちゃん」の日常を描いたショートストーリーなんだけど、ほぼすべてに空想というか、童話的な要素が入ってくるし、何よりやはり、「かわいいもの」が好きなんだな、きっと(笑)「モモちゃん」の一言に最初は惹かれ、その表紙絵のかわいらしさが気になって読み始めたのかも(笑笑)

    今はシリーズ二冊目を読んでいるところ。そちらは青い鳥文庫となっていて、掌サイズのよくある文庫本シリーズで更に一歩大人向け?の作りとなっているのに、借りてきたらやはり自分から読み始めているところ。この路線でもう少し探してみるか(笑)

  •  三歳当時の私の愛読書。母親いわく、「あんたはこれで文字を覚えた」← 300回くらい読まされたらしい……。

     従姉の本棚から見つけて持ち出して、抱え込んで離そうとせず、困った母親が新しいのを買って来たけど、どっちもこのお人形の表紙がよくって大騒ぎになったとか、モモちゃんになりきって行動しているので、なにかさせようと思ったら「じゃりねこちゃんはモモちゃんなんでしょ。歯医者さんにいかない子はモモちゃんにはなれないのよ」で、大抵言うこときいたとか、ほんとにエピソードに事欠かない一冊です。

     逆いえば、飽きっぽい三歳児をそれだけとりこにするだけの魅力がこの本にはあったのだ、と。語りつくされていることではありますが、善だけではなく悪(悪い子)、漠然とした不安(パパとママの喧嘩)などが、子どもの視点できちっと描写されているからこそなのだろうけれど。

     あんまり好きすぎて、作者にクレヨンで書いた催促のファンレターを送ったのは、今でもいい酒の肴となっていますorz (お返事もモモちゃんの絵葉書で来ました)

  • 小さい頃家にあったが人形の絵と野菜がももちゃんが生まれた祝いに食べてと訪問する話やもっと後の話でお父さんが帰るのが遅くて靴だけで帰ってきたりの怖い記憶しかなくて子どもながらにこれは怖い本と避けていた。

    大人になりこのシリーズと花咲山の絵本、ちいちゃんの影帽子が記憶に残ったので今回児童図書で見つけたので再読してみた。

  • 児童書のなかでも多くの人が知っているであろう、有名なシリーズ。名前は知っていたが……なんと読んだことがない!
    小学生のときの私ときたら、かいけつゾロリシリーズだの、忍たま乱太郎シリーズだの、わかったさんこまったさんシリーズだの、怪談レストランシリーズだの(これは作者の松谷みよ子さんが関わっていた!知らなかった!)、思い返してみれば非日常のファンタジーちっくな物語にばかり目を奪われ、手にとったことがなかった、のだった……。あともうふたつ言い訳させてもらうのなら、このシリーズは学校の図書館でもいつも借りられていて、クラスでも可愛い女の子たちがキャッキャしながら借りてたもんで、なんとなあく手に取りづらいまま時は過ぎてしまったのだった……。
    ところが、それから20年以上の時を経て、ようやく手にとったのは、「十歳までに読んだ本」で紹介されていたからである。自分が十歳までに読んだ本でひとつ挙げるならば「きつねのでんわボックス」なのだが(これも非日常感のある物語)、ああ、このモモちゃんて子の本読んだことないなあ、読んでみようかなあと思ったのがきっかけだった。
    面白いなあと思うのが、リズムがよくて、ねこはしゃべるし擬音語がたくさん使ってあって、読んでいて楽しい。読み聞かせてくれる人がいたら、読んでいたかもしれない……。
    まだ1冊しか読んでいないのでこれからどうなっていくのか、楽しみで仕方ない。

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著者プロフィール

1926年、東京生まれ。1944年頃より童話を書きはじめ、1956年、信州へ民話の探訪に入り、『龍の子太郎』(講談社)に結実、国際アンデルセン賞優良賞を受ける。以来、民話に魅せられ創作と共に生涯の仕事となる。日本民話の会の設立にかかわり、松谷みよ子民話研究室を主宰。著書に『女川・雄勝の民話』(国土社)『日本の昔話』『日本の伝説』『昔話一二ヶ月』『民話の世界』(共に講談社)『現代民俗考』8巻(立風書房)など。

「1993年 『狐をめぐる世間話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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