万延元年のフットボール (講談社文庫 お 2-1)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061310278

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  • (1974.08.24読了)(1971.07.03購入)
    第3回(1967年) 谷崎潤一郎賞受賞
    (「BOOK」データベースより)
    友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。障害児を出産した菜採子。苦渋に満たち登場人物たちが、四国の谷間の村をさして軽快に出発した。万延元年の村の一揆をなぞるように、神話の森に暴動が起る。幕末から現代につなぐ民衆の心をみごとに形象化し、戦後世代の切実な体験と希求を結実させた画期的長編。

  • この物語を象徴するのは「ねじれ」だと思う。
    右目を失明した醜い主人公と共に物語りは、肉体と精神、時間と空間、夢と現実、歴史と象徴、血縁と性交、あらゆる物がねじけていき、そのピークを過ぎると再びあるべき姿に戻ろうとする。
    主人公は終始一貫してこのねじれに巻き込まれないようにするが、結果的に本当のことを言う資格もなく、醜い肉体を引きずりながらフェードアウトしていく。

  • 『芽むしり・仔撃ち』と『個人的な体験』をあわせた様な話。村でみんなでサッカーやる場面は好き。

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著者プロフィール

大江健三郎(おおえけんざぶろう)
1935年1月、愛媛県喜多郡内子町(旧大瀬村)に生まれる。東京大学フランス文学科在学中の1957年に「奇妙な仕事」で東大五月祭賞を受賞する。さらに在学中の58年、当時最年少の23歳で「飼育」にて芥川賞、64年『個人的な体験』で新潮文学賞、67年『万延元年のフットボール』で谷崎賞、73年『洪水はわが魂におよび』で野間文芸賞、83年『「雨の木」(レイン・ツリー)を聴く女たち』で読売文学賞、『新しい人よ眼ざめよ』で大佛賞、84年「河馬に噛まれる」で川端賞、90年『人生の親戚』で伊藤整文学賞をそれぞれ受賞。94年には、「詩的な力によって想像的な世界を創りだした。そこでは人生と神話が渾然一体となり、現代の人間の窮状を描いて読者の心をかき乱すような情景が形作られている」という理由でノーベル文学賞を受賞した。

「2019年 『大江健三郎全小説 第13巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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