恋歌 (講談社文庫)

  • 講談社 (1971年1月1日発売)
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本 ・本 (514ページ) / ISBN・EAN: 9784061310490

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  • 1人の男性を取り巻く3人の女性。それぞれの愛のあり方。不幸を共有する夫婦は幸せなのか?

  • (1977.12.30読了)(1977.11.16購入)
    (「BOOK」データベースより)
    ある雨の夜、レコード会社の学芸部長、井沢信介が乗った車が一人の女性をひいた。闇の中に浮かぶ白い足。ここから男と女の人生が劇的に変化していく―。孤独を抱く美人キャスター直子、セックスレスに悩む妻、冬子。上京により新たな青春にめざめた亜由美。一九六〇年代の東京のみずみずしい愛の物語。

  • 94年第65刷

  • 五木寛之は、「のぶひろし」のペンネームで、清酒「日本盛」のCMソングを作詞した。「日石灯油=現・ENEOS灯油」(日本石油=現・新日本石油)のCMソングも五木の作詞。立原岬のペンネームで「旅の終りに」(冠二郎)等も作詞した。また、五木寛之の名では「青年は荒野をめざす」(ザ・フォーク・クルセダーズ)、「金沢望郷歌」(松原健之)、「愛の水中花」(松坂慶子)などの作詞を手がけている。

    歌手五木ひろしの芸名は、当時人気作家であった五木からとって、プロデューサーが名づけたものである。ちなみに「金沢望郷歌」の松原健之を五木ひろしに紹介し、デビューのきっかけを作ったのも五木である。

  • 時間の傷をずっと抱えている女、そういうものを振り切って行こうとする女、さらに次のものを作っていく女。かなり古い作品だが、結局どの時代でも同じなんだなと思う。「人間なんて、どんな時だって二つの相反する愛憎の渦の中で生きているんだよ。憎みながら愛する。愛しながら感じている、それが現実さ」

  • この本が昭和42年に新聞に掲載されたものだと知って非常に驚いた。色あせないおもしろさってあるんだなぁ。五木寛之さんの作品は初めて読んだけど、こりゃあ、すごい感覚の持ち主だと思った。
    戦争という過去を背負った夫婦と、妻帯者に恋する姉妹、出世社会に渦巻く男たちの陰謀、新しい時代の扉を開ける若者達。過去と未来、男と女、理性と本能、様々な対比がこの小説には描かれている。しかし、その複雑に絡まっている物語にはすーっとさわやかな風が吹いている。主人公の信介の性格のせいもあるだろう。晴れ渡った空を想像させるラストがあるせいもあるだろう。彼や周りを取り巻く人々が苦しんでいながらも、それぞれ自分なりの生き方を見つけ出していくのだが、その過程で、結論は出ないまでも、新たな一歩を踏み出す姿がある。それが読み終わった後も小気味いい。
    あと、どろどろするはずの題材を扱っているはずなのに、軽いタッチというか、重たすぎないまま最後まで読めるというか、その辺は非常に不思議だった。
    ★は3つ半つけたいところ。おもしろかったです。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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