- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061311411
感想・レビュー・書評
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気管に泥がこびりついてるような不快さが、読んでいて絶えなかった。
主人公の森田ミツという女。
一途で博愛のように、最終的には聖女と書かれているが、わたしは無知すぎることへの嫌悪感を抱いた。
遠藤周作の作品を読むのはこれが初めてなので、純文学だとか大衆文芸だとかそういうことは分からないけれど、これは恋愛小説だとは思わなかった。
登場人物に対して否定的な印象を持っただけで、作品としては良いと思う。
音楽座で『泣かないで』というミュージカル化されているらしいので、それは見てみたいと思った。
wikiによると遠藤周作が自分の作品で泣いたのはこれが初めてだと言ったらしい。
わたし的BGM『霧と話した』(日本歌曲)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ミツの孤独は悲しかったけれど、不幸とは違った。吉岡の方が不幸だと思った。
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遠藤周作作品の中で好きな作品のひとつ
女性側からは残酷な内容ですが
なぜか面白かった -
■わたしが・棄てた・女 遠藤周作
通勤中に読んでみました。眠気のせいで読み終わるまでに20回は、本を落としたと思う。だから内容については深く読みこめてないわけだけど、それでも最後まで読めたのは、遠藤周作の小説のなかで、この作品が「純文学」ではなく、「通俗小説」の部類に属するからだと思う。そのことは「解説」にも触れられていたし、気負わずに読めるくだけた感触に、やや葛藤すらしたw。でも一貫したテーマが、この作品にしっかり流れてるんだなと感じられて、安心した。歩み寄ってもらってる気すらした。そして、読みながら、それなりに心が動かされてるのは分かったが、読書後、本を手放すと、ずいぶんまわりの風景が違ってるな、と感じるくらい、けっこう動かされていた。自分にとっては、そんな作品。
04 けいじ -
自分の関わった人間のすべてに心を砕く事などない。幾ら身があってもやってられない。ミツは悲しい人であって、聖女ではないしそれを死によって
美化していいのか。泣けたけど修道女の手紙がすべてを表しているように思う。愛とは自分を徹底的に可愛がることである。鶏頭となるも、牛後となるなかれの吉岡さん、お幸せに。最後に解説者の愛を語る部分はハナモチならない。偽善者の臭いがプンプン
「あれも愛、これも愛・・・」という流行歌もあるぞ。一度っきりの大野のゆすりも愛。 -
長崎外海の遠藤周作文学館にて購入。「悪とは無垢を汚す事」と遠藤は語っているように、無垢の象徴である森田ミツが吉岡初め様々な人と世によりけがされていく。世の中の法で裁く悪ではない、人間の関係から描き出される本性の感じる悪を訴えている。純粋無垢の象徴であるイエスと重ねているのも伝わる。
12/4/3 -
ネタバレ
ミツが病院に残ると決めたとき、なぜだか彼女の未来がキラキラしたものになると感じて、あぁよかったと思った。
なのに、どうしてあんなに早く死ぬことに…
悲しい。けれど神様はミツを愛してるでしょう。。。 -
正しくは「わたしが・捨てた・女」です。
このニュアンスが大事です。