連環 (講談社文庫)

  • 講談社 (1974年3月28日発売)
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感想 : 6
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  • 本 ・本 (545ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061312449

作品紹介・あらすじ

九州落ちして印刷屋に勤めた笹井は、計画遂行のため主人の妻滋子を籠絡し、さらに2号の藤子を誘惑。陰謀に成功した彼は、滋子から大金を得、東京でエロ出版に手を出す。資金源の滋子が無一文になると非道にも第2の殺人を計画する。虚構に生きる男が、追跡者の執念にあえなく自滅してゆく過程を描く傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の悪事に憤慨しながらもストーリーが進むごとに、何故か応援してしまう自分がいる。しかし最後の謎解きが若干弱いかも。

  • ストーリーテラーという言葉は松本清張のためにあるのではないかと痛感した作品。中でもこの作品はエンターテイメント性に優れ、今ではサスペンスドラマの定番になった「断崖」のシーンもこの小説の影響では、と思わせます。タイトルの「連環」は環をつなぐように嘘を積み重ねていった主人公が最後に自分の首に環をかけることになる、ということでしょか?
    どんでん返しにさらにオチがついて一ひねりしてある小粋さ。情事の場面を多用していても、純文学のカテゴリに入っても充分なほどの豊かな表現力が作品の質を高めています。
    ミステリを再読することは愚かなことかもしれませんが、私は清張作品は、時を経て再読してしても面白さは失わないと思いました。

  • はじめて清張の作品を読んだのがこれでしたが、衝撃でした。おもしろすぎる。
    昔のこととて、当然のように飲酒運転していたり、障害児を畸形児とか看護婦、女中といった
    表現が使われているのも、もちろんまったく自然でした。
    すじの発想や練り方はもちろん、文章を書く天才というのはこういうものなのだなと。
    「思ったことを思った通りに筆で表現する」ことができる人は、やはり天才です。
    ラストの締め方も素晴らしい。小説とは、ひとりの人生を描くものなのだと納得させて
    もらった本でした。以後、清張にどっぷりハマることとなるわけですが・・・

  • はじめて清張の作品を読んだのがこれでしたが、衝撃でした。おもしろすぎる。
    昔のこととて、当然のように飲酒運転していたり、障害児を畸形児とか看護婦、女中といった表現が使われているのも、もちろんまったく自然でした。
    すじの発想や練り方はもちろん、文章を書く天才というのはこういうものなのだなと。
    「思ったことを思った通りに筆で表現する」ことができる人は、やはり天才です。
    ラストの締め方も素晴らしい。小説とは、ひとりの人生を描くものなのだと納得させてもらった本でした。以後、清張にどっぷりハマることとなるわけですが・・・

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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