ただいま浪人 (講談社文庫 え 1-8)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (776ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061312456

感想・レビュー・書評

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  • 進駐軍として日本にやってきたロバート・オノラは、ミツという日本人女性とのあいだに子どもをもうけますが、朝鮮戦争後にアメリカへもどります。彼は約二十年ぶりに日本にやってきて、ミツとその子どものゆくえを追いかけます。

    一方、浪人生の石井信也は、東大合格をめざして勉強に励んでいました。しかし、友人の近藤が受験をやめてアメリカで画家をめざす決意をしたことに心を揺さぶられ、二度目の不合格となります。父親の豊次が彼にかけていた期待の重さに苦しんでいた信也は家を出て、スナックで働きはじめます。そんな彼に、宇田という男をリーダーとする組織が目をつけ、彼を壮大な犯罪計画に巻き込んでいきます。

    信也の姉で出版社に勤務する真里子は、新劇の俳優である本多公介の自宅を仕事で訪れます。妻に先立たれ、母親と一人息子と三人で暮らしていた彼は、真里子に惹かれるようになり、彼女にプロポーズします。彼女は本多に心を許すようになりますが、お見合いで知りあった河合という平凡な男の妻としての人生をえらびます。

    三人の登場人物を中心とするストーリーが、相互にからみあいながらひとつに収斂していく構成になっており、エンターテインメント性の強い作品です。文庫本で700頁を超えるヴォリュームですが、あっという間に読むことができました。

  • どう生きるかについて思い悩む若者たちが、人生の岐路に立ち、大きな決断をしていく姿を描いた作品。
    若者たちの青臭さと、それを見守る大人たちの鬱陶しさが克明に写し出されている。
    ただ、終盤の登場人物たちが繋がっていく過程は、ちょっと無理矢理な感じがしたかな。
    急に物語が丸く収まってしまって、物足りない気がした。

  • ”生きること”と”生活すること”の葛藤がアリアリと描かれている。

  • 長い小説だが、一気に読み進めた。時代は戦後、今の価値観とは違う部分も多々あるが、それでも共感することができる。若い頃の疑問と苦悩、そして大人たちのすでに固まった既成概念と、それとはまったく無関係な愛情の行きどころ。人は間違いを犯す。しかしそれが果たして本当に間違いかどうかは、誰も判断できない。では生きるとは? 今さらながらそんなことを改めて考えさせられる。生きることと生活することの葛藤を、私たちの視点にまで落とし込んで伝えうる遠藤周作はさすがだと思う。

  • 090509(m 090531)

  • 僕も浪人したから感情移入が若干ハイになってしまった。
    浪人生とアメリカ人のストーリが交差していく斬新だけど、若干細部の点で投げやりじゃあないかなと思える箇所もある気がする。
    ただ遠藤周作本人の涙の経験が生かされている分だけあって、結構オモイんだようなあ。

    なんだかんだいって好きな小説です。

  • 素晴らしき日々は全くもって交差せず。

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著者プロフィール

1923年東京に生まれる。母・郁は音楽家。12歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒。50~53年戦後最初のフランスへの留学生となる。55年「白い人」で芥川賞を、58年『海と毒薬』で毎日出版文化賞を、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。『沈黙』は、海外翻訳も多数。79年『キリストの誕生』で読売文学賞を、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。著書多数。


「2016年 『『沈黙』をめぐる短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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