プレオー8の夜明け (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061312661

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  • 1970年上半期芥川賞受賞作。50歳での受賞だから、文壇へのデビューはかなり遅い。著者にとって20数年前の、サイゴンでのBC級戦犯としての収容所生活が描かれる。ただし、回想形式ではなく、収容所での現在時として語られている。劣悪な環境の中で、しかも何時出られるかわからない状況での生活がリアルに冷静に語られて行く。そうした現実に対して、芝居を自分たちで創作し演じることで、虚構の対空間を造り出していくのだ。そこでの人間関係もまた一種の虚構の中にあった。女囚との疑似恋愛も、所内での複雑なホモセクシュアルの関係も。

  • レクイエムとセット。

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著者プロフィール

古山 高麗雄(ふるやま・こまお)
1920年、朝鮮新義州生まれ。2002年没。旧制第三高等学校文科丙類中退。42年に召集され、東南アジア各地を転戦。47年復員。河出書房など出版社勤めを経て、雑誌「季刊藝術」の編集に従事。70年『プレオー8の夜明け』で芥川賞、94年『セミの追憶』で川端賞、2000年『断作戦』『龍陵会戦』『フーコン戦記』の戦争文学三部作で、菊池寛賞受賞。

「2021年 『文庫 人生、しょせん運不運』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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