わが母の記 (講談社文庫)

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感想 : 5
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  • 本 ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061313941

感想・レビュー・書評

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  • 中学生の頃夏休みの宿題として読書感想文があった。
    課題図書に惹かれるものがなかったため、この本の感想を書いた記憶がある。

    中学生というと、女子はそろそろ身長も伸びなくなって、成長の終わりを実感しつつある年だった。
    あとは内面の成熟を志すわけだが、そもそも成長は老いるということなのではないかと思ったのが読んだきっかけだったように思う。

    読みやすいが内容は深く考えさせられる。
    そろそろ再読のころ合いかもと思い手に取ったが、年を取るととても読み通すのが難しい話となった気がする。

  • 読んでいてとても疲れる本。
    不謹慎だが読んでいると辛くていつ母は死ぬのだろうとばかり考えていた。最後まで読めたのは井上靖の美しい文章のおかげとしか言いようがない。母親の壊れ具合の形容のし方が冴えている。
    壊れてしまった母親に対する壮年子供たちの愛情が読んでいて暖かくなる。親子の関係について考えさせられるものがある。

  • 父との思い出もあるが主に母について。老いておそらくアルツハイマー病か何かになった母の姿を通して、母という人間をみつめる。無意識のうちに、新聞やテレビで見知った認知症やアルツハイマーについての情報と照らし合わせていたり。普段危なっかしいと思われていた認知症の老人が、文章では思いのほかしっかりと内心の苦悩を綴っていた記事を思い出した。「どんどん忘れていくのが怖い」

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著者プロフィール

井上 靖 (1907~1991)
北海道旭川生まれ。京都帝国大学を卒業後、大阪毎日新聞社に入社。1949(昭和24)年、小説『闘牛』で第22回芥川賞受賞、文壇へは1950(昭和25)年43歳デビュー。1951年に退社して以降、「天平の甍」で芸術選奨(1957年)、「おろしや国酔夢譚」で日本文学大賞(1969年)、「孔子」で野間文芸賞(1989年)など受賞作多数。1976年文化勲章を受章。現代小説、歴史小説、随筆、紀行、詩集など、創作は多岐に及び、次々と名作を産み出す。1971(昭和46)年から、約1年間にわたり、朝日新聞紙面上で連載された『星と祭』の舞台となった滋賀県湖北地域には、連載終了後も度々訪れ、仏像を守る人たちと交流を深めた。長浜市立高月図書館には「井上靖記念室」が設けられ、今も多くの人が訪れている。

「2019年 『星と祭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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