限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

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レビュー : 768
  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061315310

感想・レビュー・書評

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  • 青年たちが繰り広げるドラッグ、酒、乱交パーティ、音楽、暴力を、その雰囲気のまま包み込みながも、その行為自体を透明感にあふれて描写した青年群像小説。
    彼らの過激な言動は生々しくエロ・グロな描写も表現豊かで細にいるのだが、なぜか躍動感が感じられず、流れるように読める。リアルな情景を再現させる「動」を題材としながら、どこか入り込むの余地がないほどの「静」を描き、そこに登場する人間たちがまさに透き通っているように感じる。安定感を求める彼らの意識を柔らかく受け止めることができるようだ。
    ところで、あの表紙の横顔はリリーなんだろうか?

    • lacuoさん
      この小説は、私も、なんだか好きなんですよね。

      ありきたりの表現だけど、瑞々しい感性が、気持ちいい。

      私にとっては、エロティックで...
      この小説は、私も、なんだか好きなんですよね。

      ありきたりの表現だけど、瑞々しい感性が、気持ちいい。

      私にとっては、エロティックでもグロテスクでもなく、純粋に、気持ち良い小説でした。

      この、過去の小説の、現在形が『蛇とピアス』だと思うんだけど、私にとっては、こちらのほうが、はるかに空恐ろしい、グロテスクなものに思えたんです。
      2016/11/14
    • mkt99さん
      lacuoさん、こんにちわ。
      コメントいただきありがとうございます!(^o^)/

      なるほど確かに瑞々しい感性の作品でしたね。
      エロ...
      lacuoさん、こんにちわ。
      コメントいただきありがとうございます!(^o^)/

      なるほど確かに瑞々しい感性の作品でしたね。
      エロ・グロな内容でありながら透明感があり、なぜか生々しさを感じずさらさらっと受け入れることができた不思議な作品だったように思います。

      『蛇とピアス』も読みましたが、自分には生々とした異物に対する気持ち悪さを感じた作品でした。

      ちなみに『ヌーベルヴァーグ』という作品のDVD特典映像で、ジャン=リュック・ゴダールと若かりし村上龍との対談を観たことがあるのですが、こちらの方は逆にゴダール=蛇に睨まれたカエルのように硬直していた村上龍をみて、本来的には突拍子もないグロテスクなものには弱いんだなと思いました。(笑)
      2016/11/18
  • 「コインロッカーベイビーズ」から村上龍作品にはまりだし、代表作と聞いて手に取った一冊。「69」を読んだときにも感じたが、正直、一読した今でも物語の概要を説明しろと言われたら簡単には説明できないと思う。特別なことは沢山起こるけれど物語が何か進展するわけでもないし、このレビューを書くのもとても難しい。けれど、ただ感じた書いてみると、この作品が強烈なのはテーマが刺激的だからという理由だけでなく、やっぱりその文体や表現にあると思った。映像でもないのに目をそむけたくなるようなシーンもあって、だけどその体験をする度、うわあと感じると同時に著者の表現の豊かさや伝えようとしている鮮烈なイメージをひしひしと感じた。「鮮烈」という表現は背表紙にある表現を借りたが、村上龍作品にぴったりな言葉だと思った。

    もっと村上龍作品に触れてその真意をくみ取れるようになりたい。

  • 迂闊にもデビュー作を未読であることに気づき慌てて読む。頭をガツンとやられる。暴力、セックス&ドラッグ&ロックンロールが渦巻く狂騒の中、主人公リュウのもう一つの眼差しが鮮烈にオーバーラップされてくる。その瞬間毎に私は息を呑む。「濡れている外は優しい。風景の輪郭は雨粒を乗せて霞み、人間の声や車の音は落ち続ける銀の針に角を削られて届く」やり場のない若者の焦燥が限りなく透明に近いブルーへと移りゆくあわい、切り裂ける叫び声が暖かい光に包まれ優しい起伏となることを願う。これを書き上げた24才の著者が堪らなく愛おしい。

  • 読後に胸にわだかまる、なんとも言えない気持ち悪さ。これが、芥川賞史上、もっとも部数の多い作品なのか。
    「僕」の視点がフラットであるがゆえに不気味。

    不気味、気持ち悪い。
    何度も読み返そうとは思わない。

    けれど、読んで後悔はしていない。

  • 村上龍の作品は 生理的に あわなかった。
    この作品を 最初に読んだ時に 3ページくらいで
    断念した。あかんな。これは。と思った。
    それ以来 村上龍を 小説家として認めていなかった。

    サカキバラ事件が おこった時に 村上龍が
    なんか言っているな。と思って、ミソインザスープなどを
    よみはじめた。狂気が その中に混じっているとおもった。
    時代をとらえる 感覚が 突出している。
    そして、最近 愛と幻想のファシズム を読んだ。
    それで 村上龍は 制度に対する嫌悪感がそこにある。
    と思って、最初の作品から 読み直したほうがいいと思い
    読み始めたのだ。

    絵画のように というか 映画の一シーンを 
    文字で固定しようと 努力していると思った。
    感覚が するどいが、
    色合いが 薄汚れていて、きれいではないな。

    読み終えて 感じたのは やはり生理的にあわないな。
    雑然とした感情が 漂流していて、青春の荒れた原形がうずくまっている。

    読み終えることができたのは 読書力の強化にあるだけだ。
    昔ならば、最後まで読むことはできない本のたぐいである。

  • 読むのが早かったみたい……。

    村上龍さんの作品はまだ全然読んだことがないんですが、
    とりあえずデビュー作だし凄い名作みたいだし、と思って購入した一冊。

    あきらかに他の小説と違うことは分かりました。

    ドラッグや乱交パーティーに明け暮れる若者たちの
    崩壊していく様を描いた作品…ですよね?

    正直、目を背けたくなるような描写ばかりでした。
    ここから何かを見いだしていくのは、私にはまだ無理みたい。

    もうちょっと勉強してからまた挑戦しようかな?機会があれば。

  • 最初読んだときはドラッグ決めたらこんな感じなのかなと思うような、若干の悪酔みたいに頭がグラグラする文章だなと感じた。
    自意識の感じとか、タイトルの透明感とか真逆だと思った。
    大学生になって読んだ時は最初に読んだ時ほどの、嫌悪感みたいなものはなかったものの、やっぱりぐわんぐわんする感じは消えなかった。
    二回も読むものじゃないな、と思いつつも不思議な引力がある本。

  • エロいし深い

  • 村上龍の文章は、綿矢りさの言う通り、その暴力性が故に美しい。
    少しずれるのだけど、やはり作家はすごいなぁ。心にもやっと浮かぶ感情のような、感動のような、なんだかよくわからない脳の反応を、言葉によって表す。テレパシーの使い手だなぁ。

  • 20代のころ村上龍作品をたくさん読んでいた。暴力/エロ/快楽/思想/アルコール/麻薬/狂乱/パーティーなど刺激的な要素が盛りだくさんで、まだ子供で田舎者だった自分にはワクワクドキドキするような内容の話が多かった。
    けどデビュー作である本作は何故か手に取っていなかったなぁ~おそらく当時の僕は映画化されたのも知っていたし話題作だったのも知っていた。けれど題名が琴線に触れなかったんだろうと思う。
    見城徹氏の「読書という荒野」で紹介されていて興味が湧き、今更ながらに読んでみるとバブル期の退廃小説のような印象を受けたが、時代的には70年代半ば頃の安保闘争や学生運動やベトナム戦争などの残滓が残る時代の話なんだよね。バブルより一昔前なんだな…そんな時代の大音量で騒々しく破天荒な青春を謳歌する仲間たちとの日常に、熱を持たない主人公が漂っているような、そんな印象を受ける作品でした。目に映るモノ、感じるモノを文学的な言葉で描写する能力には非凡な才能を感じるし、現世と幽世を行き来するような理解の難しい感性に魅力を感じる作品でした。
    面白かったです。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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