限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 6413
レビュー : 758
  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061315310

感想・レビュー・書評

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  • 村上龍の小説を読んでいると、吐き気がしてきそうなきがして、だけどそこがよかったりするのだが、この作品は、吐き気がしそうどころか、吐き気そのものだった。

    暴力的な描写の羅列に何度も読むのをやめようかと思ったが、なんとか読んだ。読んでよかった。若者の喪失感やら絶望感の描写が、なんとも絶妙だった。暴力的なシーンがあったからこそ、それが際立っていた。主人公が発狂しそうになるところもよかったな。

    • るるるさん
      初めてコメントいただきました。ありがとうございます。
      表現はグロテスクでも、読み終わったあとは、タイトルの通りさわやかで、ただただよかったで...
      初めてコメントいただきました。ありがとうございます。
      表現はグロテスクでも、読み終わったあとは、タイトルの通りさわやかで、ただただよかったです。
      2012/09/07
  • 勝手に想像していたものと大分違ったけれど24歳でで芥川賞を受賞したというのはやはり衝撃的。よく消化するには時間がかかりそうだが、選考委員に「清潔」と評価されたという文章は何となく不思議な余韻を残す。

  • 念のため読んだ。当時はなんせ「気持ち悪い」という感想が第一だったが、もしいま読むと、結構楽しめるかもしれない。だが読みません。

  • ドラッグに溺れる若者の退廃的な生活が描かれています。

    全編を通して溢れているのは体液で、
    汗、唾液、血液、精液、胃液、そういったものにまみれているんですが、
    なぜか、きたない、という感想に直結しないので、少し不思議な気持ちがします。
    それがこの作品の「清潔感」なのでしょうか。

    とは言え、確かに不快感はありました。

    わたしは元々満員電車が苦手で、具合が悪くなりがちなんですが、
    この本を通勤途中に電車の中で読んでいると、体液のにおいを思い出して、
    気分が悪くなりました。
    そのため読むのに時間がかかり、後半はあまり文章を噛みしめずに、
    文字をサラサラと追うだけで、終わりにしてしまいました。

    しっかり読んでいないので、偉そうなことは言えませんが、
    お話として特別面白いものでもなかったし、好きなタイプの文章ではなかったので、
    再読することはないかなぁと思います。
    同著者の他作品も、今のところ読む気が起きません。

  • 高校生のころ初めて手にとり、あまりの生々しさに途中で読むのをやめてしまった。久しぶりに読み直してみると、描かれている出来事の生々しさよりも、冷めた視線や全体を流れる虚しさのようなものが印象的だった。
    レイ子が葉脈標本の話をする場面、オキナワがリュウのフルートを褒める場面がとても悲しくて好き。

  • ひたすらdrug、sex、暴力が出てくる。読み始めはよくわからなかったけど、途中で解説読んだらなんとなぁくわかったような「気」にはなった。

    こんなに荒れた世界があったんだ、戦後はやっぱり大変だったんだと思っていたら舞台は1970年代で自分が生まれた頃だから驚いた。それほど古い話ではないのか。ひょっとして、今もこのような世界が自分の知らないところであるの?それともあくまで文学の中だけ?でも、文学の題材だってSFでない限り「火のないところに煙はたたない」だと思っているので、やっぱり現実的にある世界なんだろうなというのが感想。

    小説中に出てくる音楽に興味がある。同じものを聴きながら読むとまた違うかもしれないな。

  • 中学くらいの時に読んで、衝撃うけました。最後のリリーへの手紙で、この本のすべての印象が裏返りました。

  • タイトルに惹かれて読んでみたら、タイトルの印象とは真逆の生々しい描写たっぷりで気持ち悪くなりました・・・。
    でもなぜだか最後まで読み進めていました。
    ドラッグとか、普通の人から見ると非日常の生活を描いているのにあたかも当たり前の日常のようにそれらが存在しているような書き方。なかなか主人公「リュウ」の考えていること、感じていることがつかめなかったです。
    でも・・・そんな退廃的な生活を送っているリュウにも、世界は「限りなく透明に近いブルー」に見えるのか、と最後の場面を読んで思いました。
    これがデビュー作ってすごいなー。

  • 学生のころ、これを読んだ人が
    「気持ち悪くて途中電車降りた」
    といってたのをなぜか覚えている。

  • 面白いと思います。物語自体は非常にシンプルなのですが、そこに作者の表現力、特に読み手に情景、状況を想像させるような文章力は素晴らしいと思います。高校生の時に読んだときにはこんな世界もあるのだなと思い、いまいち理解できない部分も多かったのですが、今読んでも古びていなく、逆に新鮮なのはこの本が持つ魅力なのだと思います。あと、ドアーズを聞きたくなりますね。ジムモリソンの人生について思い出してみたり。。。これも作者の意図するところにはまっていうるのかも?

  • 読んだかどうか思い出せなくなって、読んでみました。
    若者達は異常にテンションの高い行動をとっているようで、筆致は冷静なのがなかなか読ませます。
    リュウが外を通る人を見ている描写が秀逸。
    あまりにも破滅的なので、やめろよ〜という気になってきますが。
    しかし、若い頃に感じたのとは相当に印象が違います。
    昔の方が生々しく感じて読むのがしんどかったような。
    私の人生とはかけ離れているなぁ。

  • この物語は、リュウの実体験を元に書いているのか。
    想像で創られたストーリーなのか。僕にはわからない。

    少なからず実話に近いのだろうか。


    ◆麻薬とセックス、現実と非現実

    ストーリーは、簡単だ。
    リュウは、19歳で、日々、セックスと麻薬に明け暮れる。
    それだけ。

    しかし、彼は、生きている感じがしない。
    非現実的な描写がそうさせる。
    夢の中にいるみたいだと思う。
    小説で、僕が行なう行為の殆どが理由を記されていない。
    強いドラッグで死にそうになっても、
    黒人の精子を口に含んでも、
    乗っている車が衝突しても、
    友人が腕を切っても、
    本当のリュウはそこにいなかった。

    ダチとの部屋での宴が終わると、
    不意に現実的になる描写がある。
    それが、この小説のクライマックスだと思う。

    僕はリュウが覚醒していると思う。
    または、撹乱していると思う。
    幻想が見えるが、それはメタファーだ。
    本当の村上龍が世の中に投げかけるメッセージなのかもしれない。

    詩的な描写で綴られたこの小説は、
    スキャンダラスな事柄を描きたかったんじゃなくて、
    自分らしさを描きたかったんじゃないかと僕は思う。

    最後に、僕がこの小説で好きな行を紹介します。

    恐怖を感じ始めたリュウが自分に言い聞かせるシーン。

     いいかよく見ろ、
     まだ世界は俺の下にあるじゃないか。
     この地面の上に俺はいて、
     同じ地面の上には木や草や砂糖を巣へ運ぶ蟻や、
     転がるボールを追う女の子や、
     賭けていく子犬がいる。
     この地面は無数の家々と山と河と海を経て、
     あらゆる場所に通じている。
     その上に俺はいる。
     恐がるな世界はまだ俺の下にあるんだぞ。 」

    リリーと別れるシーン。

     僕は床を転げ回る。
     リリーは走って外へ出た、
     車の音がする。
     電球がぐるぐる回っている。
     鳥が飛んでいる、窓の外を飛んでいる。
     リリーはどこにもいない、
     巨大な黒い鳥がこちらへ飛んで来る。
     僕は絨毯の上にあったグラスの破片を拾い上げた。
     握りしめ、
     震えている腕に突き刺した。」

  • とても読みにくかった。
    性的・暴力的描写には臨場感を感じて面白かった。

  • 台詞と描写が交わり読みづらかったし、性的な場面は個人的にあまり好ましくなかった。ただ後半読み進めていくに従ってこれは詩的描写が大いに含まれているのだと思った。そういう面で捉えれば興味深い作品であるし、学ぶところもあると思った。性的な部分の混沌はまるでジョルジュ・バタイユの眼球譚を思い浮かべた。まるで夢の中を見ているようなそんな気分にさせてくれる。村上龍の弱冠24歳で紡がれた業界を賑わした新人賞でありまた、芥川賞でもある作品。人生のうちに一度は読んでおきたい作品かもしれないし、瑞々しい新鮮な描写は勉強になるな、と思った。

  • 「リリー、俺帰ろうかな、帰りたいんだ。どこかわからないけど帰りたいよ、きっと迷子になったんだ。もっと涼しいところに帰りたいよ、俺は昔そこにいたんだ、そこに帰りたいよ。リリーも知ってるだろ?いい匂いのする大きな木の下みたいな場所さ、ここは一体どこだい?ここはどこだい?」

    このフレーズをときどき思い出す。

  • 酒を飲み煙草をふかし麻薬をキメて、音楽を聴き騒ぎ踊り狂い、喧嘩をし暴力をふるい、セックスしたり乱行したり、しょうもないヒッピー達のどうでもいい話が延々と続く。同情も共感も出来ない話が延々と。しかしこの作品の登場人物たちは何故か興味深くて、何処か面白くて、どうしてか凄く魅力的だ。欲に支配されて、自由を追い求めて、どうしようもなく死に惹き付けられて、やる気が見つからなくて、からっぽで、いつの時代も若者の本質は変わらないのかもしれない。ヒッピー描写がリアル過ぎだし、主人公の名前リュウだし、おそらく著者である村上龍本人の体験談だよね。別にヒッピー文化を肯定してる訳じゃないけど、かなりクレイジーでイケてるよ、この小説。正直気持ち悪い所は気持ち悪いし、よく分からなくて混乱する所もあるけど、村上龍のギャグセンの高さとラストの清々しさがあって読んでいて非常に気持ち良かった。

  • まず、朝に読むべきではなかったような気もする。 性描写と暴力描写のオンパレード。気持ち悪くなりながらも止まることなく読めるのはなぜだろうか。嫌々言いながらも、惹かれてしまう何か。こんな生活だったらと、心のどこかですこーしだけ憧れていたりするようなしないような。 読んだ後不快感と爽快感が入り混じる不思議な感触です。

    というか、主人公の名前リュウだし思いっきり体験談だよね。いや、小説の中の描写にしてはあまりにもリアルすぎるとは思っていたけど、、セックス中に回転させるところは頭おかしい。こんなドラッグ暴力セックスまみれの生活を経験してきて、堂々と小説に書いて、芥川賞取ってしまうなんて。普通に犯罪でしょ?天才かよ。カッコ良いなほんと。。

  • 群像新人賞、芥川賞

  • 解説 今井裕康
    年譜

  • 随分と久しぶりに読み返した。
    学生の頃に読んで、「好きではない」と思った。
    今も、好きではない。
    多くの意味で気持ちの悪い小説だ。
    腐敗と痛みに覆われている。
    そのなかで、最後に少しだけ透明な輝きが心を射る。
    人間のどうしようもなさとか、苦しさとか、醜さや冷たさや汚さや、狂気や、そういった中の、一瞬の光。
    それは伝わってくる。
    でも、もう読みたいとは思わない。
    多分。

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著者プロフィール

1952年長崎県生まれ。76年に『限りなく透明に近いブルー』(第75回芥川賞受賞)でデビュー。2003年には、514の職業を紹介した『13歳のハローワーク』が125万部を超えるベストセラーに。財政破綻した近未来日本を舞台にした『半島を出よ』(05年)では野間文芸賞を受賞。10年には『歌うクジラ』(毎日芸術賞)を電子書籍として刊行。 近著に『55歳からのハローライフ』、『オールドテロリスト』などがある。16年に『日本の伝統行事 Japanese Traditional Events』を刊行。

「2018年 『収録を終えて、こんなことを考えた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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